About

事業趣旨

伝承を担うフィールドから
まなび、ともにつくり、地域へつなぐ
アートマネジメント人材育成とは

東京音楽大学では、文化庁「令和4年度 大学における文化芸術推進事業」に採択され、伝承を担うフィール(現場)との関係性を重視する中で、伝統音楽・芸能の伝承をめぐる課題、および地域が抱える課題に対応し、且つ伝統音楽・芸能を継承しつつ新たな価値や複眼的取組を創出できるアートマネジメント人材の育成を行います。

本事業は、東京音楽大学付属民族音楽研究所を推進母体とし、国内外の関連機関との連携をはかりながら、実施していきます。

  • 令和4年度

    Ⅰ「フィールドからまなぶ」

    制作者が企画を立案・構成するにあたって、伝承の現場に足を運び学ぶためのプログラムを開発します。 令和4年度プログラムはこちら
  • 令和5年度

    Ⅱ「フィールドとともにつくる」

    伝承の現場から学んだことを活かしながら伝統音楽・芸能を社会につなぎ、伝承の未来につなぐことを視野に入れた企画制作を検討し、展開します。
  • 令和6年度

    Ⅲ「フィールドと地域をつなぐ」

    伝統音楽・芸能を各地の地域レガシーと捉え、複数の自治体、多文化コミュニティの協力のもと、長期的視点から地域アイデンティティの共有を促すための方法論、現代日本で課題となっているアジア圏の異文化コミュニティの共生と包摂のための方法論を構築していきます。

事業のねらい

本学では、西洋音楽のみならず日本とアジアの音楽の教育と研究について、付属民族音楽研究所を中心に40年以上の公演やワークショップの実績があります。2019年制定の「東京音楽大学ビジョン―音楽文化の新たな地平を拓く―」においても、付属民族音楽研究所がアジア音楽の研究拠点として創造的な研究を推進することと、地域社会から求められる社会貢献活動を行い、地域社会の活性化、文化力向上のために貢献することを明示しています。

こうした背景のもと、本学では2019~2021年度に同文化庁事業「日本とアジアの伝統音楽・芸能のためのアートマネジメント人材育成~「伝統×伝統」、「伝統×現代」、「伝統×地域」のクロスオーバーによる新たな価値の創出を目指して~」を実施してきました。この三ヵ年の事業で、日本とアジアの伝統音楽・芸能のアートマネジメントが担う役割の範囲が、公演やワークショップの企画・実施という範囲を超えて、「伝統音楽・芸能を今日の社会につなげ、且つフィールドにおける伝承を未来につなげることまでを含むもの」であることが再認識されました。

特に2020年以降の新型コロナウイルス感染症拡大により、多くの祭りや公演が中止となり、今あらゆる伝統音楽・芸能の伝承基盤は転換期を迎えています。したがってこうした「社会につなげ、伝承を未来につなげる」アートマネジメントの役割は、伝統音楽・芸能分野において、単なる鑑賞の対象から大きく超越し、地域のアイデンティティを再認識する機会の創造という点において、今後より重要になることが予想されます。

あわせて、国内の文化政策の方向性として、文化芸術基本法、文化財保護法の改正を経て、地方創生を目的に各地の伝統音楽・芸能をまちづくりへ活用する動きが活発化し、伝統音楽・芸能を地域全体として継承しながら活用できる人材が各地で求められています。また、地方創生の動きの中では各地における異文化コミュニティとの共生と包摂についても取り組むべき課題として重視され、当該コミュニティの伝統音楽・芸能はそれらの課題解決に資するという点においても重要となってきます。

このことから本事業では、伝承を担うフィールドとの関係性を重視する中で、伝統音楽・芸能の伝承をめぐる課題、および地域が抱える課題に対応できるアートマネジメント人材の育成を行います。

東京音楽大学付属
民族音楽研究所について

日本の作曲家伊福部昭氏により1975年に開設。伊福部氏が生まれ故郷北海道でアイヌ民族の音楽に多大な影響を受けたことから、アイヌ音楽の研究を主たる研究課題として出発。現在はさらに、インドネシアのガムラン音楽や沖縄の伝統音楽等、アジア地域における民族音楽へと研究範囲を広げています。40年以上の公演やワークショップ等の実績があり、また伝統の継承とあわせて新たな音楽表現の創造に力を入れてきた点が特徴です。

本事業では、民族音楽研究所が日本とアジアの伝統音楽・芸能のマネジメントに関する情報の蓄積と発信、情報と人材のクロスセクションの役割を担い、文化施設や演奏者・演奏団体、アートマネジメントに関わる者が情報を共有し利活用できるネットワークの構築を目指します。