すべてのコースにおいて基礎能力の向上と、自身の特性と得意領域を発見できるプログラムになっています。共通するポリシーは「作品の意思を聴く人に伝えるため、演奏を学生各自の極限まで磨くこと」「人間の湧き上がる感情と意思が作品にどう投影されているかを冷静に判断する知見をもつこと」です。
この演奏芸術の要となる2つを軸に、フィジカルな演奏鍛錬のみならず、作品の分析力や創作力の向上と、「学生各自がもつ作者への親和性」を最大限に引き出しながら学修します。ピアノのレッスンは、希望により複数の教員から学ぶことが可能です。2年次からの「室内楽」「ピアノ実践伴奏」では、他専攻とのコラボレーションの機会が飛躍的に増えます。
また、国内外の演奏家、指導者による「作品解釈」「指導法」、さらには、海外招聘教授によるレッスンや海外短期留学の機会など、さまざまな学修プログラムが整えられています。
実技科目
核となる実技レッスンでは、演奏経験豊富な教員からきめ細かな実践的演奏技術を学ぶことに加え、学生の個性と進度によって細かく変化する学習法、レパートリーの選択と展開の仕方なども教員とマンツーマンで考えていきます。また学術的、国際的な知見からのアドバイスも学生一人一人に合わせて細かく行われます。近年は、海外招聘教授によるレッスンや海外短期留学の機会もコースの垣根を超えて増えており、国内外のコンクールや演奏会などにおける学生の活躍が注目されています。
アンサンブルについて
音楽大学というさまざまな学生が交わり、切磋琢磨できる環境のなかで、ピアノは弦楽器や管楽器、声楽などほぼすべての音楽に含まれる楽器であり、授業においても、学内外のコンサートにおいても、アンサンブルを学ぶ機会があります。アンサンブルを通してさまざまな楽器や歌について学び、コラボレーションの悦びと難しさを体感することは、ピアノ演奏の音色やテクニックの可能性を拡大させるだけでなく、音楽上の「協調性」「交渉力」「リーダーシップ」を育む機会ともなります。卒業後もアンサンブルの需要は多く、活動の場をより広げていくことができるでしょう。
授業科目
実技科目と並行して行われるピアノ科開設の授業も充実した内容となっています。音楽家や指導者として自立して活動する力、社会との関わりを構築する力を育成していきます。2年生以上の全てのピアノの学生が選択できる授業として、「作品解釈」「ピアノ指導法」があります。本学の教員に加えて、国内外の演奏家、学者、指導者、ときには他分野の芸術家を招き、リサイタル、公開マスタークラス、講義、ワークショップなどによって多角的な学びを実現しています。また1年生以上の全てのピアノの学生が選択できる授業「身体表現と音楽」や「音楽演奏科学(2019年度は休講)」では、身体や脳科学の観点から実技上達へのアプローチを学びます。
発表の機会
こうした学びの成果を発表する場として、実技試験以外にも数多くの演奏会が用意されています。実践経験は演奏芸術を学ぶ最高の機会のひとつです。