2021.04.19
本学ではインドネシアの伝統音楽のガムランと、希望者はガムランを伴奏とするジャワ舞踊を学ぶことができます。
▼ シラバス「ガムラン実習」より抜粋
目標
インドネシアの青銅製打楽器を中心としたアンサンブル「ジャワ・ガムラン」の基礎的な音楽理論を理解したうえで、様々な楽器の奏法を習得する。宮廷音楽として発達した儀式曲や古典曲のほか、習熟度に応じて近代の作品や舞踊・影絵芝居ワヤンの伴奏曲などにも挑戦する。また、場合に応じてガムランによる新しい作品の創作、実演、録音を行う。
異文化への理解を深め、音楽家としての視野を広げることを目的とする。
概要
「東洋の神秘のオーケストラ」と呼ばれ、ドビュッシー等近現代西洋音楽の作曲家にも影響を与えたガムラン音楽は、西洋のオーケストラとは異なり指揮者は存在せずスコアも無い。それなのにどうして合奏が可能なのか?青銅製打楽器や太鼓、弦楽器、歌等によるアンサンブルの仕組みを理解させ、ガムランの特色である「音によるコミュニケーション」の醍醐味が体感できるよう指導する。またアジアの音楽ならではの音律や音階、リズム、拍の特徴について説明し、実践を通して新たな発見を促す。合奏内において、初級ではコロトミー楽器(ゴング、クンプル、クノン、クト)やサロン類を中心に、中級ではボナンや太鼓、上級ではそれらに加えてラグ楽器(グンデル、ガンバン等)の導入部分等の奏法を指導する。
楽器について
本学所蔵のジャワガムランは、インドネシア中部ジャワの王都スラカルタ(通称ソロ)にある、マンクヌガラン王宮ゆかりの楽器。王宮には、1889年にパリ万博にて舞踊とガムランを披露し、ドビュッシー、ラヴェルなど近代西洋音楽の幕開けに多大な影響を与えた歴史があります。
ジャワガムランの授業は1970年代後半に始まり、多くの学生がこの貴重な楽器に直に触れて学習してきました。現在も学部及び大学院の授業や、社会人講座、同好会などで大事に使用しています。
関連リンク
≫東京音楽大学付属民族音楽研究所
2019.3.2/池袋キャンパスJ館スタジオ
民族音楽研究所主催 ガムラン講座発表会
本学の付属機関である民族音楽研究所では、インドネシアの伝統芸能であるガムランの演奏・舞踊を広く学べるよう、社会人を対象とした「ガムラン講座」を開講しています。講座の最終日には一年間の練習成果を披露する場として毎年発表会が開催されています。
本講座には合奏コースと舞踊コースの2つのクラスがあり、毎週幅広い年代や職業の方々がアンサンブルを楽しんでいます。発表会には社会人講座の受講生のみならず、「ガムラン実習」を受講する学生も出演することができます。
広報課が行ったインタビューの中から、「ガムラン実習」を受講した学生の記事をご紹介します。
■授業紹介シリーズ
田浦 侑子さん
[作曲「映画・放送音楽コース 」4年]※取材時
選択科目「ガムラン実習」を4年間履修した田浦侑子さんに、授業の特長を写真つきで語ってもらいました。
≫記事はこちら
■2019年度交換留学生対談
トマス・アーロン・ビルヤサロさん
[ピアノ/シベリウス・アカデミー(フィンランド)]
×
ワンジュン・ルさん
[ピアノ/リセウ高等音楽院(スペイン)]
「世界中を探してもガムランを学べる学校はそんなにないと思います。とても楽しめました。」と語ってくれました。
≫記事はこちら
■在学生インタビューシリーズ
栗原邦夫さん
[付属民族音楽研究所 社会人講座「ガムラン講座」受講生]
「ガムランは人間社会の縮図だと思います」という栗原さんに、その魅力をうかがいました。
≫記事はこちら