〈声楽を学ぶ〉とは、人間の生身の声が持っている可能性に真正面から取り組む大きな挑戦です。私たちは〈声〉により、「言葉(歌詞)」に込められた心情や心理などの微妙なニュアンスを伝え、「間合い」や「呼吸」と共に、人間の喜怒哀楽のドラマ、詩情、世界観を表現していきます。その〈声〉を得るために、正しく美しい発声を一生かけて学び、繊細で情感溢れるピアニッシモから、ホールの隅々に響きわたる力強いフォルテの音色にいたるまで、育て磨いていきます。声楽はこうして奥深く、それだけに手間も時間もかかります。
しかし、学生時代から真摯に自分の声と作品に向き合い、試行錯誤を重ねていくうちに声も感性も育っていき、やがて、仲間たちやお客様と深い喜びと感動を分かち合う瞬間を迎え始めます。
本学声楽専攻では〈声楽は一生涯の財産〉と、とらえています。声の表現力は、研鑽によって日々変化しつづけ、生涯の様々な経験を通して深みを増していくのです。
これまでに多くの卒業生がオペラ、コンサート歌手を始め、ミュージカル歌手、放送局うたのおねえさん、学校教員、音楽教室講師、合唱指導者、ヴォイストレーナー、語学教師、声優、スタジオマネージャー、舞台制作、地域の親善大使など、本学で学んだ多くの経験を生かし各方面で活躍しています。一人の人間として、コミュニティにおける生活者として、社会人として、多彩な活動を繰り広げています。
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本学声楽専攻では、四年間を通し一年ごとの積み重ねを大切にした[独自なカリキュラム]を編成しています。◎一年次では、全員が[声楽芸術]に所属します。一年間を通し〈入門講座〉で声楽と舞台表現の基礎を学びます。その内容は、オペラ、歌曲、ミュージカルなどの表現法のほか、バレエ、詩の解釈と朗読、身体表現など、これから先に修得していく事柄を、初歩から丁寧に体験していきます。◎2年次は、[声楽芸術コース]に所属します。ドイツ歌曲、フランス歌曲やオペラなどのアンサンブルを学ぶ授業が始まり、声楽教員、演出教員により、具体的な表現法を学びます。また、選抜された一部の学生は[特別演奏家コース]で、更に高度で専門的な内容を学ぶことができます。◎3年次、4年次では、アンサンブル曲や歌曲を更に深く学びます。〈オペラ実習〉では、指揮、コレペティ(指導ピアニスト)、発音指導などの教員が新たに加わります。合わせて、将来に繋がる主体性、柔軟性、コミュニケーション能力の大切さも学んでいきます。
以上のように、本学声楽専攻では、四年間に様々な教員から多角的な指導を受けることが可能であり、体系的に声楽表現の基礎が修得できるよう、カリキュラムが構成されています。同時に〈常識にとらわれない思考力〉〈柔軟な発想力〉、常に持ち続ける〈チャレンジ精神〉など、これからの表現者に求められる資質の大切さも学んでいきます。
教員一同、学生一人一人の取り組みを全力でサポートします。
さあ、あなた自身の歌を、音楽を育てましょう!
卒業に必要な単位数(2023年度入学生)
専攻(コース) | 教養科目 | 外国語科目 | 必修科目 | 選択必修 | 選択科目 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|
声楽専攻(声楽芸術・声楽特別演奏家コース) | 12 | 20 | 68 | - | 24 | 124 |
専攻(コース) | 声楽専攻(声楽芸術・声楽特別演奏家コース) |
---|---|
教養科目 | 12 |
外国語科目 | 20 |
必修科目 | 68 |
選択必修 | - |
選択科目 | 24 |
計 | 124 |
成績評価について
東京音楽大学では、2019年度入学生より、新しい成績評価制度(GPA制度)を導入しています。
2019年度生以降
点数 | 評語 | 判定 |
---|---|---|
90〜100点 | A+ | 合格 |
80〜89点 | A | 合格 |
70〜79点 | B | 合格 |
60〜69点 | C | 合格 |
単位認定された科目及び 合格と認められた科目の評価 |
P | 合格 |
59点以下 | F | 不合格 |
評価外 | X | 不合格 |
*学則第15条の2及び3により単位認定された授業科目の評価は「認」とする。
2018年度生以前
点数 | 評語 | 判定 |
---|---|---|
90〜100点 | 秀 | 合格 |
80〜89点 | 優 | 合格 |
70〜79点 | 良 | 合格 |
60〜69点 | 可 | 合格 |
単位認定された科目及び 合格と認められた科目の評価 |
認 | 合格 |
59点以下 | 不可 | 不合格 |
評価外 | 外 | 不合格 |
GPA (Grade Point Average) 制度
(趣旨)
第1条 この要項は、東京音楽大学(以下「本学」という。)音楽学部における Grade Point Average(以下「GPA」という。)制度の運用について必要な事項を定める。
(GPAの定義)
第2条 GPAとは、履修した科目ごとの5段階評価を4から0までの点数 Grade Point(以下「GP」という。)に置き換えたうえで、履修した科目1単位あたりの成績平均値を求めたものをいう。
(GPA制度の目的)
第3条 学修の量(単位)と質(成績評価)を総合した成績制度を導入することによって、学習の到達度を明確にし、学生が自らの学習目標を設定しやすくするとともに、国際的な成績基準に対応することを目的とする。
(成績評価及びGPA)
第4条 成績評価及びGPは、表のとおりとする。
点数 | 評語 | 判定 | GP | |
---|---|---|---|---|
2019年度 入学生 以降 |
2018年度 入学生 以前 |
|||
90〜100点 | A+ | 秀 | 合格 | 4 |
80〜89点 | A | 優 | 合格 | 3 |
70〜79点 | B | 良 | 合格 | 2 |
60〜69点 | C | 可 | 合格 | 1 |
単位認定された科目及び 合格と認められた科目の評価 |
P | 認 | 合格 | - |
59点以下 | F | 不可 | 不合格 | 0 |
評価外 | X | 外 | 不合格 | 0 |
GPAの種類と算出方法
第5条 GPAは、「年度GPA」「累積GPA」に区分し、次の各号の定める方法により算出する。算出された数値の小数点第3位以下は切り捨てる。
1.当該年度のGPAの計算式
(全期間の「秀/A+」の単位数×4+「優/A」の単位数×3+「良/B」の単位数×2+「可/C」の単位数×1) / 当該年度の総履修登録単位数
2.累積GPAの計算式
(全期間の「秀/A+」の単位数×4+「優/A」の単位数×3+「良/B」の単位数×2+「可/C」の単位数×1) / 全期間の総履修登録単位数
GPA非対象科目
第6条 次の各号に挙げる授業科目はGPAの対象とはしない。
1.卒業要件に算入しない教職に関する科目
2.卒業要件に算入しない特別実技科目
3.成績評価が「認定/P」と付く科目
4.所定の期間に履修登録取り消し手続きをした科目
(GPAの通知)
第7条 各学期の成績通知においては、累積GPAを記載するものとする。
(GPA証明書)
第8条 本人の申請により、GPA証明書を発行する。
2前項に関して必要な事項は別に定める。
附則
この要項は、平成27年4月1日から実施し、平成27年度入学生から適用する。
ディプロマポリシー
●声楽
「声」についての専門技術を体系的に修得し、高い音楽性と表現力により各自の特性を活かしたレパートリーを持っていること。多くの人に共感を持って受け入れられる演奏を目指せる者であること。また、他者と共に活動できる協調性や社会性を併せ持つ、人間性豊かな者であること。
●声楽演奏家コース
上記声楽専攻(声楽)の要件に加え、より高度な専門技術と豊かな表現力、音楽性を身に付け、国際的にも活躍できる充実したレパートリーを有していると判断されること。
●声楽芸術コース/声楽特別演奏家コース
「声」についての専門技術を体系的に修得し、高い音楽性と表現力により各自の特性を活かしたレパートリーを持っていること。多くの人に共感を持って受け入れられる演奏を目指せる者であること。また、他者と共に活動できる協調性や社会性を併せ持つ、人間性豊かな者であること。
カリキュラムポリシー
●声楽
カリキュラムの目的
カリキュラムの構成
●声楽演奏家コース
カリキュラムの目的
カリキュラムの構成
●声楽芸術コース/声楽特別演奏家コース(2年次より)
カリキュラムの目的
カリキュラムの構成
アドミッションポリシー
●声楽芸術
音楽~歌~を愛し、演奏家、教育者などを目指して学ぶための資質を有し、熱意を持って努力し続けることのできる人材を求めます。また国際的にも活躍できる実力を持った音楽家の育成を目指すという観点から、その学習のためのより高い資質、より強い意欲が必要です。声を楽器として創り上げるために、基礎的な歌唱力、語学力が必要です。また、周囲との協調性や社会性も身に付け、豊かな人間性を育むために、広い視野を持って学ぶ姿勢が望まれます。