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2023.10.24

音楽学課程

音楽学課程とは

 

音楽学とは、西洋音楽史、日本音楽史、民族音楽学、音楽美学、作曲家研究、作品研究など、音楽に関する学問的研究の総称です。

 

本学では、入学時に音楽学専攻の学生を募集していませんが、全専攻(ミュージック・リベラルアーツ専攻を除く)の学生を対象として音楽学課程を設けています。これは、選抜試験に合格した学生を対象として、3~4年次に集中的に音楽学分野の指導を行うものです。課程に所属する学生は、各自の専攻の勉強を続けながら、音楽学課程独自の授業(ゼミナールと個人指導)を受けることになります。

 

最新ニュース

 

2023年10月24日

次年度音楽学課程 説明会のお知らせ
*日時:2023年11月13日(月) 17:45-18:45(終了予定)
*場所:中目黒キャンパス C407
◆音楽学課程選抜試験(12月11日(月)実施予定)の受験資格者は2・3年生ですが、1年生でも興味をお持ちの方は是非ご参加ください。
 

音楽学課程の授業

 

3年次にゼミナールに参加し、音楽学のさまざまな分野に触れ、また実際に自分で研究や発表をしながら、4年次に作成する論文の内容を決めていきます。

≫卒業までのスケジュール

 
 

担当教員と研究分野

 

音楽学には広範な分野があり、担当教員は、それぞれの研究分野を中心として指導を行います。論文作成では、一人の教員から個人指導を受けることになりますが、自分の興味のある分野とぴったり一致した専門分野をもつ教員がいない場合(例えばマーラーの専門家がいない、等)でも、ことさらに心配する必要はありません。さまざまな問題解決や情報収集のために、担当教員どうしのネットワークは、さらに他研究機関の研究者ネットワークとつながっているからです。
≫教員名と研究分野

 
 

♪ シリーズ「音楽学のススメ」

音楽学を指導されている4名の専任教員に、音楽学習に役立つおもしろい「ネタ」の執筆を依頼しました。ぜひご一読ください。



 

選抜試験

 

選抜試験は、音楽史・英語・論述の3分野にわたる筆記試験のかたちで実施します。

 

  • 音楽史では、1年次に履修する西洋音楽史概論や日本音楽史概論で得た基礎知識が問われます。
  • 英語は、英文解釈が中心で、辞書の持ち込みが可能です。(電子辞書は不可)
  • 論述では、音楽について論理的でわかりやすい文章を作成する能力が問われます。

  • [音楽史]
    西洋音楽史と日本音楽史に関する用語について説明する。
    *西洋音楽史の分野から3問、日本音楽史の分野から1問、合計4問出題する。2問選択して、回答すること。

     

    [英語]
    音楽に関する英文を日本語に全訳する。
    *辞書の持ち込み可能。(電子辞書は不可)

     

    [論述]
    音楽に関するテーマについて自由に論ずる。


    -合格率は?
    選抜試験で合格する人数は、おおむね15~20名です。
    試験の合格倍率は年度によって異なりますが、約1.5~2倍です。

     

    -過去問は?
    過去問は非公開です。音楽史に関しては、授業の復習をしておきましょう。

     

    -試験日・試験時間は?
    2023年度の試験は
    12月11日(月) 17:45~18:45 中目黒キャンパス C300
    ◆説明会に参加していなくても受験できます。この日に試験が受けられない場合は、別日を検討しますので申し出てください。
     

    合同ゼミナール

     

    ゼミナールでの学習の成果を発表し、またお互いに研究の方法論を学ぶ場として、毎年後期に合同ゼミを開催します。これは、その年度に開かれている各ゼミナールの代表者が、それぞれ30分程の持ち時間の中で研究成果を発表し、質疑応答を行うものです。
    過去に行われた合同ゼミの内容は、以下のとおりです。
    ≫過去の合同ゼミ
     
     

    卒業論文

     

    過去の卒業論文の例として、以下のような題目が挙げられます。過去の卒業論文は研究室に保管してありますので、閲覧が可能です。希望する人は専任教員に申し出て下さい。
    ≫過去の卒業論文の例

     

    Q&A

     

    -卒業後は?
    課程を修了した学生の卒業証書には、当人の本来の専攻学科を卒業したことが記され、成績証明書に課程の必修科目を履修したことが記載されます。
    他大学の大学院進学において「卒論、またはそれに代わるもの」の提出を求められる際には、4年次に作成した卒業論文を自分の「名刺」として示すことができます。これまでの課程修了者の実績を見ると、その特徴として大学院進学者、次いで留学者が多いことが挙げられます。本学では、平成14年度より大学院に音楽学研究領域が新設されましたので、学部での専攻を維持して進学する他に、音楽学を主専攻として研究を続けることもできるようになりました。

     

    -費用は?
    副科と異なり、費用はかかりません。

     

    履修の感想

     
     

    Cさん(ピアノ演奏家コース)

    私は音楽学課程に入るまで、ピアノを弾いたり聴いたりする直接的なことでしか音楽について知ることができませんでしたが、ある時同じ門下だった先輩から音楽学課程に入ることを勧められいざ入ってみると、音楽に対する考えや学ぶ姿勢がガラッと変わったように思います。もちろん練習は必要不可欠ですが、音楽を理解するには練習だけではだめなのではないかということを特に感じました。また、ゼミ形式で授業が進められていくことも良い経験になると思います。それまでは全て受け身だった授業が、自分から何かを発信しないと進んで行かないのです。私の性格的に慣れるまではとても大変でしたが、自分の意見を言うことはとても大切ですし、この経験が今後必ず役に立つと思います。音楽学課程に入っていた2年間は、本当にバタバタと余裕のない日々を過ごしていましたが、とても濃く充実していた日々でした。忙しいのが好きな方、自分を鍛えたい方、今までとは違った音楽の見方を知りたい方は、是非音楽学課程に入ることをお勧めします!

     

    Sさん(ピアノ)

    音楽学課程では良い経験がたくさんできましたが、一番大きかったのはやはり卒論を書いたことです。卒論ではレポートのように他人の言っていることをまとめるだけでなく、自分はどう考えるかを述べなければなりませんが、卒論の準備を始めてみて、ある事柄について論文にできるほどの自分の意見を持つということは本当に大変なことだと分かりました。指導してくださった先生にも何度も言われたことですが、答えを出すには地味で地道な作業を積み重ねていくしかありません。私の場合はピアノソナタの分析をしたのですが、分析は1度だけでなく何度も見直しや変更をしましたし、個々の曲や作曲された時期ごとの、またはピアノソナタ全体における特徴を見出すために、比較などのいろいろな作業をしました。すべての作業が卒論に反映されたわけではなく、結果的に無駄になったこともあります。しかし、実際に取り組んでみて、様々な作業を地道に積み重ね、失敗もして初めて自分なりの答えが見えてくるのだと分かりました。卒論完成までの道のりは順調なものではなく、寄り道をすることもあれば、先が見えずに手探りで進んでいく苦しいときもありましたが、書き上げた後の達成感は何物にも代えがたいです。一つのことをじっくり追求したい人、専攻以外にも何かを頑張りたい人は、是非音楽学課程に挑戦してほしいと思います。

     

    Kくん(作曲「芸術音楽コース」)

    音楽学課程の魅力のひとつとして「ゼミ」を挙げることができます。我が大学には、一部の専攻を除いてゼミのカリキュラムがありませんが、他大学では、ゼミに所属して卒業論文を書くことが卒業するために必須であることが多いのです。では、ゼミとは何のためにあるのでしょうか?私が音楽学課程を履修して感じたことは、ひとりで学ぶ力を身につける場がゼミなのだといえると思います。私たちはいつまでも学生でいられるわけではなく、いつかは独り立ちしなければいけません。音楽を続けるにしても違う道に進むとしても、どんな環境になったとしても誰かに教わらずに、自ら学ぶために、自ら情報を探してきて、膨大な情報の中から必要なものとそうでないものを選り分けるというプロセスが必要になります(小学校以来受けてきた講義形式の授業では、その情報の「収集」と「選定」を先生がしているのです)。ゼミでは、①情報をどこから「収集」するのか? ②何故その情報を「選定」したのか? ③選び取った情報をどのように「発表」すれば人に伝わるのか?…という主に3段階のプロセスをとおして、「自ら学ぶ方法」を学ぶのです。発表のあとには討論の場が設けられ、先生やゼミのクラスメイトから直接何が良くて何が良くなかったのかというフィードバックを得ることができます。音楽学課程では、もちろん音楽自体の知識を深めることも出来ますが、こうしたプロセスを学ぶ絶好のチャンスでもあると思います。