音楽教育学とは広義には音楽と人間の関わり、社会における音楽の役割や機能について探求する学問である。主な領域としては、音楽教育の思想や歴史、音楽と発達、音楽と認知心理、比較教育、教育課程論、指導法、生涯学習、音楽文化産業・政策等である。本研究領域では研究方法も重要と考え、歴史的、哲学的、社会調査等の記述的、実験的研究方法を学び、各自の研究テーマに活用していけるよう指導している。専門テーマ別のゼミ、修士論文の個人指導、学生と教員による共同研究等、多様な方法で研究に取り組むカリキュラムを展開している。目標は研究を基盤としながら、教育や文化創造において、実践的に活躍する人材の養成、および研究者の育成である。
本研究領域は、音楽の歴史的研究、作曲家・作品研究のみならず、音楽美学、音楽と社会、音楽と人間精神との関わり等、様々な視点から音楽を研究していく場である。授業形態はゼミナールと個人指導を中心とし、演奏や教育、周辺領域を含む広範囲な視座を育むと同時に、自分の問題意識を明確化し、多様な問題と取り組み論ずる能力を養う。この成果を基に、2年次には修士論文を作成し、論文要旨の口頭発表を行う。
本領域では、楽曲の総合的理解、把握、解釈を可能にする高度な読譜力の習得を目指し、ソルフェージュおよびソルフェージュ教育について研究する。具体的内容は、初見、移調、スコアリーディング等を中心としたソルフェージュ実技の習得、和声学、対位法の習得、また多面的、実践的な楽曲分析と音楽様式の変遷への考察などである。各自の専門実技のさらなる習得に加えて、論文作成およびソルフェージュ課題の作成、論文要旨の口頭発表を行う。 社会のさまざまな場において、多様な音楽活動を展開できる人材の養成を目標にしている。
多文化音楽研究領域は、多様な文化や民族性を背景とした世界観のもとに育まれ、変容を遂げてきた世界各地の伝統的な音楽文化を、多様化する現代社会のグローバルな視点から現代における意義を探求し、新たな音楽文化を創造し、発信していくことをめざす研究領域である。
音楽文化研究としての日本音楽や民族音楽の講義や演習、アートマネージメントやメディア演習、作品制作のための演習、そして、さまざまな伝統音楽の実技演習など多彩な授業科目の中から、各自の修士研究の内容や方向に合わせて、理論と実技を自在に組み合わせながら学修する。
修士研究は、多文化の音楽文化研究を修士論文としてまとめる「理論研究」、多文化の音楽を現代社会に生かす企画・制作・プロデュースなどを開発していく「開発研究」、多文化の伝統と現代をクロスさせながら新しい演奏や新しい作品を創造していく「演奏・創作研究」の3つの方向から選ぶことができる。
将来は、多様な専門を生かして、研究機関や文化施設、あるいは音楽関連企業、メディアなどでの企画制作、ならびに、クリエーターや演奏家としての活躍が期待される。
国内はもとより世界各地から、さまざまな専門を持つ多彩な人材が集い学び合う場となることを願っている。
アドミッションポリシー
音楽の専門的な研究に必要な基盤を備え、高度な技術、知見、研究能力を持ち、かつ社会の現況と今後の動静に対応できる柔軟な資質と強い意欲を持つ人材を求めます。
ディプロマポリシー
大学院修士課程においては所定の単位を修得し、かつ以下に示す能力を身に付け、学位審査試験に合格した者に、修士(音楽)の学位を授与します。なお、学位審査試験は修士演奏・修士作品あるいは修士論文(一部専攻においてはこれらの組み合わせ)及び最終試験によって行います。
1. 高度な専門的知識・技能と研究能力を身に付け、自立的で質の高い音楽活動を展開できること。
2. 旺盛な国際感覚を持ち、多様な音楽的価値観を尊重できること。
3. 現代社会における音楽芸術のあり方について考察し、音楽による社会貢献ができること。
カリキュラムポリシー
音楽教育
音楽学
ソルフェージュ
多文化音楽