音大卒業後に音楽の道をさらに究めるようとする人にとっても、音楽をひとつの教養として他の分野に進出しようとする人にとっても、いまや英語力は必須のスキルです。たんに英語が使えるだけでなく、英語を使ってコミュニケートする内容、つまり教養という全人的な力も、その人の活動を大きく左右します。近年、社会や文化について高い見識をもち、それを自らの言葉で発信し、企画力にも長けた音楽家が増えてきました。また、AIが人間を凌駕していくと言われるなかで、芸術や教育の価値はあらためて評価されつつあります。
本専攻は、東京音楽大学ならではの高度な実技教育を中軸としながら、英語教育と教養教育を格段に充実させました。4年間の在学中に最長1年の留学をすることも可能です。すでに2017年入学の1期生のなかから、将来の可能性を広げようとイギリスの難関総合大学に正規留学している学生が複数います。また、国際音楽コンクールの入賞経験に加えて、2018年度東京音大コンクールで優勝を果たしたのも本専攻の学生です。
教養や外国語を身につけることは、その人の音楽を豊かにします。また、音楽の道を究める体験は、知識だけではない教養を育みます。卒業生が音楽の分野に進んでも、音楽以外の分野に進んでも、どのような状況にあってもグローバルに活躍できる優れた人材の育成を目指しています。
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本専攻の最大の特徴は、従来からある専攻(声楽、器楽、作曲指揮)の実技教育のレベルを保ちつつ、英語科目と教養科目を全面的に刷新していることです。
1年次は音楽科目に加えて、英語力を徹底的に強化。例えば、「チュートリアル イングリッシュ」では、ネイティブスピーカーの教員1人に対して学生4人という、完全能力別少人数クラスの授業が週2回行われます。さらにライティング、プレゼンテーション、ディベートなど授業によって、読む、書く、話す、聴くの4技能を確実に習得します。
そして、2年次から始まるリベラルアーツ(教養)科目は自然科学、社会科学、人文科学の3分野にわたり、すべて英語で行われます。ほとんどの授業が10人未満のアクティブ・ラーニング形式で行われ、教養を身につけるだけでなく、英語を実際に使って鍛える場でもあります。
ミュージック・リベラルアーツ専攻では、声楽、ピアノ、弦楽器、管楽器、作曲、指揮などさまざまな実技分野の学生が共に学び、留学生も机を並べて学んでいます。英語力も、大学に入ってから本格的に学ぼうという人から、完璧なバイリンガルの帰国子女、日本語学習中の留学生までさまざまです。こうして音楽分野も英語力も多様な人々とともにあることによって、多様なモノの見方や考え方に接し、専門や国境を越えた感性を育んでいくことができるでしょう。それは、必ずや音楽の表現を豊かにし、またそうして豊かになった音楽体験が人間そのものを豊かにし、卒業後の活動の場を無限に広げる力となるのです。
卒業に必要な単位数(2023年度入学生)
専攻(コース) | 教養科目 | 外国語科目 | 必修科目 | 選択必修 | 選択科目 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|
ミュージック・リベラルアーツ | 0 | 0 | 61 | 26 | 37 | 124 |
ミュージック・リベラルアーツ(専門実技/指揮) | 0 | 0 | 75 | 26 | 23 | 124 |
専攻(コース) | ミュージック・リベラルアーツ |
---|---|
教養科目 | 0 |
外国語科目 | 0 |
必修科目 | 61 |
選択必修 | 26 |
選択科目 | 37 |
計 | 124 |
専攻(コース) | ミュージック・リベラルアーツ(専門実技/指揮) |
---|---|
教養科目 | 0 |
外国語科目 | 0 |
必修科目 | 75 |
選択必修 | 26 |
選択科目 | 23 |
計 | 124 |
成績評価について
東京音楽大学では、2019年度入学生より、新しい成績評価制度(GPA制度)を導入しています。
2019年度生以降
点数 | 評語 | 判定 |
---|---|---|
90〜100点 | A+ | 合格 |
80〜89点 | A | 合格 |
70〜79点 | B | 合格 |
60〜69点 | C | 合格 |
単位認定された科目及び 合格と認められた科目の評価 |
P | 合格 |
59点以下 | F | 不合格 |
評価外 | X | 不合格 |
*学則第15条の2及び3により単位認定された授業科目の評価は「認」とする。
2018年度生以前
点数 | 評語 | 判定 |
---|---|---|
90〜100点 | 秀 | 合格 |
80〜89点 | 優 | 合格 |
70〜79点 | 良 | 合格 |
60〜69点 | 可 | 合格 |
単位認定された科目及び 合格と認められた科目の評価 |
認 | 合格 |
59点以下 | 不可 | 不合格 |
評価外 | 外 | 不合格 |
GPA (Grade Point Average) 制度
(趣旨)
第1条 この要項は、東京音楽大学(以下「本学」という。)音楽学部における Grade Point Average(以下「GPA」という。)制度の運用について必要な事項を定める。
(GPAの定義)
第2条 GPAとは、履修した科目ごとの5段階評価を4から0までの点数 Grade Point(以下「GP」という。)に置き換えたうえで、履修した科目1単位あたりの成績平均値を求めたものをいう。
(GPA制度の目的)
第3条 学修の量(単位)と質(成績評価)を総合した成績制度を導入することによって、学習の到達度を明確にし、学生が自らの学習目標を設定しやすくするとともに、国際的な成績基準に対応することを目的とする。
(成績評価及びGPA)
第4条 成績評価及びGPは、表のとおりとする。
点数 | 評語 | 判定 | GP | |
---|---|---|---|---|
2019年度 入学生 以降 |
2018年度 入学生 以前 |
|||
90〜100点 | A+ | 秀 | 合格 | 4 |
80〜89点 | A | 優 | 合格 | 3 |
70〜79点 | B | 良 | 合格 | 2 |
60〜69点 | C | 可 | 合格 | 1 |
単位認定された科目及び 合格と認められた科目の評価 |
P | 認 | 合格 | - |
59点以下 | F | 不可 | 不合格 | 0 |
評価外 | X | 外 | 不合格 | 0 |
GPAの種類と算出方法
第5条 GPAは、「年度GPA」「累積GPA」に区分し、次の各号の定める方法により算出する。算出された数値の小数点第3位以下は切り捨てる。
1.当該年度のGPAの計算式
(全期間の「秀/A+」の単位数×4+「優/A」の単位数×3+「良/B」の単位数×2+「可/C」の単位数×1) / 当該年度の総履修登録単位数
2.累積GPAの計算式
(全期間の「秀/A+」の単位数×4+「優/A」の単位数×3+「良/B」の単位数×2+「可/C」の単位数×1) / 全期間の総履修登録単位数
GPA非対象科目
第6条 次の各号に挙げる授業科目はGPAの対象とはしない。
1.卒業要件に算入しない教職に関する科目
2.卒業要件に算入しない特別実技科目
3.成績評価が「認定/P」と付く科目
4.所定の期間に履修登録取り消し手続きをした科目
(GPAの通知)
第7条 各学期の成績通知においては、累積GPAを記載するものとする。
(GPA証明書)
第8条 本人の申請により、GPA証明書を発行する。
2前項に関して必要な事項は別に定める。
附則
この要項は、平成27年4月1日から実施し、平成27年度入学生から適用する。
ディプロマポリシー
人間の根源的な知と技の結集である音楽について専門的な能力と知識をもつとともに、人や社会について洞察を深め、実践的な英語力を身につけ、それらによって相乗的に高められる異文化理解力、コミュニケーション能力を生かして多様な人々と協和し、広く社会に貢献できる人材を育成する。
カリキュラムポリシー
・目にみえる形をもたない音楽は、数ある芸術のなかでもっとも抽象的で、だからこそもっとも豊かに広範な知と技を含む芸術である。その音楽とともに、英語およびリベラルアーツ(教養)を互いに生きた教材として、有機的に関連づけつつ学ぶために、「音楽・英語・教養」の分野融合型カリキュラムを編成する。
・必修科目は、共通の基本として次の3科目群を履修する。
(1)専門的な音楽科目群(1~4年次)・・・個人レッスンとアンサンブルを主として、音楽についてプロフェッショナルに学び、専門分野を確立する。 (2)英語科目群(1年次)・・・徹底した少人数教育(英語ネイティブスピーカー1人に対して学生4人)を通じて実践的な英語コミュニケーション能力を身につけるとともに、アカデミック・ライティングやプレゼンテーション等のスキルを習得する。 (3)リベラルアーツ科目群(2年次以降)・・・英語によるアクティブ・ラーニーング型の授業。「人文科学(音楽と芸術)」「社会科学」「自然科学」の3つの分野からバランス良く履修することによって、広く世界を知り、現実の課題について理解するとともに提案できる力を養う。
アドミッションポリシー
音楽を愛し、音楽を専門分野として修得する意欲をもつとともに、高等学校までの基礎的な英語力があり、人や社会、歴史等に幅広く関心をもち、主体性をもって学ぶ意欲のある学生を歓迎します。