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2023.04.17

東京音楽大学付属音楽教室入室式での野平学長の祝辞全文を掲載しました

東京音楽大学 付属音楽教室入室式

2023年4月8日(土) 14時 100周年記念ホール

 
東京音楽大学付属音楽教室は、2023年4月8日に入室式を3年ぶりに執り行いました。
野平新学長は入室式の祝辞で、「音楽を知ること、音楽をやっていることの素晴らしさ」を子供たちに語りかけました。

 
 
■ 野平一郎学長祝辞全文
 
4月1日より学長となりました野平と申します。よろしくお願いいたします。
東京音楽大学付属音楽教室入室式にあたりまして、学長としてひとことご挨拶申し上げます。
 
本日は付属音楽教室へのご入室、誠におめでとうございます。
一般入室生の皆さん、オープンシステムコースの皆さん、そして保護者の方々に心よりお祝い申し上げます。
またこの機に日頃から音楽教室でご指導にあたられているレッスンやソルフェージュの先生方、職員の皆さま、そして室長の苅田先生、並びに副室長の先生方に感謝の意を表したいと思います。
 
付属音楽教室は来年、2024年に開設50周年となります。
そして110年以上の古い伝統をもつ東京音楽大学に付随する子供たちのための音楽教室として、とても際立った存在というふうに認知されています。
室長からもお話がありました通り、音楽教室はレッスンとソルフェージュを融合した形で総合的に音楽を学んでいただく、そして皆さんそれぞれの年齢に見合った音楽の力、物事を想像する力、人とコミュニケーションする力が最大限に身に付く、この事で音楽する喜びを十二分に感じとっていただける教育の場だと思います。
 
私はフランスに留学をして勉強をいたしましたが、その時の先生は68歳のおばあちゃんの先生でした。当時私は25歳だったのですが、先生に初めてお会いした時に満ち溢れたエネルギーというか、若者に劣らず活発にお話をし、動き回る姿にとても圧倒されてしまいました。
しかしその2~3年後だったでしょうか。先生は私に、
「実はあの時はずっと若い頃から連れ添ってきた最愛の主人を亡くしたところで、とても悲しかった時でした」
とおっしゃいました。
私は、まったく知りませんでしたので、
「そんなふうに見えませんでした」
とお答えすると、
「自分は音楽を知っていたし、音楽をやっていた。そのことによって救われて悲しみを乗り切ることができました」
とおっしゃいました。これは大変すばらしいことだと思いました。
音楽をすることはとても楽しくワクワクすることですよね。
そして音楽は皆さんの一生をあらゆる意味で助けてくれる存在です。ずっと皆さんのそばにいてくれる音楽を自らのものとし、ぜひ熱意をもって音楽をこの東京音楽大学付属音楽教室で取り組んでください。
そして皆さんの今後のご活躍を胸を熱くしながら待っております。
 
入室式にあたりまして、学長からのご挨拶をさせていただきます。
 
 
入室式の様子は、付属音楽教室のHPにてご覧ください。