1989年、日本で初めて“ポップスを四年制音楽大学”で教え始めた、作曲「映画・放送音楽コース」。2021年度からは「ミュージック・メディアコース(MMC)」に生まれ変わりました。商業音楽分野で不可欠な作編曲法を基礎から学べ、プリプロダクション、スタジオレコーディング、セルフ・プロデュースによるCD制作なども実践。さまざまなメディアを駆使し、自分の音楽を世界へ発信できるスキルと頭脳を磨きます。
MMCは、時代に即応できる、セルフ・プロデュース能力のある人材の育成を目指してまいります。
21世紀に入り、音楽をめぐる状況は目まぐるしく変化しました。従来のようにCDで音楽を聴く形態から定額配信サービスやYouTubeを通して聴く形態になり、映画、ゲームなど多様な楽しみ方が生まれています。また、音楽制作の方法も、技術の革新とともにすっかり様変わりをしました。
本専攻「ミュージック・メディアコース(MMC)」は、1989年に日本で初めて“ポップスを四年制音楽大学”として教え始めた作曲「映画・放送音楽コース」が礎となっています。音楽を取り巻く社会環境の変化に対応するために、「映画・放送音楽コース」「ポピュラー・インストゥルメンツコース」「ソングライティングコース」の3コースを統合し2021年度に誕生しました。
卒業後、音楽業界で即戦力となるために、商業音楽分野で必要とされる作編曲法を基礎から学び、プリプロダクション、スタジオレコーディング、セルフ・プロデュースによる音楽制作などを実践しながら、多様化したメディアに対応し、自分の音楽を積極的に世界へ発信できるアイデアと頭脳を併せもつ、時代に即したセルフ・プロデュース能力のある人材の育成を目指します。
クラシックはもちろん、民族音楽や現代音楽、ジャズ、ロック、ポップスなど、ジャンルの垣根を越えて深く追究し、自身の音楽性を確立して音楽の空に羽ばたいていってください。
2024年度 主なカリキュラム
レコーディングスタジオは作品を追求する共同作業の場であると同時に、現在では作曲家が音楽を生み出す工房にもなっています。優れた作品を世に送り出すためには、スタジオ環境で何ができるかをきちんと把握し、ペンや五線紙と同様日常的に使いこなせなくてはなりません。音楽業界の現状に則し、さらに十分なコンパティビリティを持つこの環境は学びと創作の大きなバックアップとなることでしょう。
録音機材を設置したコントロールルームを中心に、2つの録音ブースがあります。コントロールルームと隣接するDAWルーム、アンサンブルルーム、Jスタジオ(J館コンサートホール)を結ぶ録音回線とモニター回線は様々な編成の録音が可能で、ルーム・アコースティックの選択肢は多岐に渡ります。スタジオの鍵を握る録音エンジニアは、経験豊富なプロがチーフを務め、一流スタジオとも十分肩を並べられる録音環境を誇ります。
主に卒業制作のレコーディングやスタジオセッションの授業で使用、学生は作曲家と同時にディレクターとしての役目を担います。演奏者とのミーティングや、レコーディングのディレクション、テイクチョイス、ミキシングの立ち会いなどを実践、音楽制作能力の育成に加え、実際の現場で必要なコミュニケーション力、傾聴力、主体性なども養われます。
リズムセクションや、室内楽を録音するための大ブース。ピアノはスタインウェイのフル・コンサートモデルが設置されており、ストリングアンサンブルは6型編成まで収容可能です。
ボーカルやオケ中ソロ楽器など作業工程上、分けてレコーディングする必要がある楽器を録音するためのブース。ブラスセクションは5〜7名収容可能です。
ドラムセット4台の他、教材の再生や簡単なセッションをするためのPAシステムも備えています。授業以外の時間は学生の実技研鑽の場として活用できます。
主にシンセサイザー、コンピューターアシステッドコンポジションの授業で使用します。学生はワークステーションタイプのシンセサイザーと、ソフトウエア「Pro Tools」と「Cubase」がインストールされたPCが完備されたブースを割り当てられ、MIDIの基礎知識からDAWのノウハウまで、音楽制作に必要なプリプロダクションのスキル修得に役立ちます。また、授業以外の時間は学生たちが自由に使用でき、更なるスキルアップのために研鑽を積むことも可能です。