大学の使命・目的の項で述べたように、アカデミズムと実学の精神を両立させることによって、
個の確立、協調性、社会性、国際性を獲得し、広く社会に貢献することのできる人材を世に送り出します。
社会において音楽家として活動するためには、
以下の3つの自立を果たすことが必要です。
●自ら演奏や作品を組み立てることができる。
●自ら音楽における教育の工夫ができる。
●自ら音楽活動をする場を作り出すことができる。
これらの自立を実現するためには、以下のこと
を修得する必要があります。
A. 様式に則した演奏能力や創作能力を身に付けていること。
B. 音楽の理論や歴史、体系を理解していること。
C. 専門領域に留まらない教養を身に付け、演奏家、教育者を始め、様々な音楽分野で活躍できる力を持っていること。
D. 複数の外国語の基本を身に付けていること。
E. 社会における音楽の役割について考察し、活動できること。
F. 上記の学習した事柄を総合して、専攻した音楽の分野を的確に表現できること。
以上の能力を身に付け、所定の単位を取得した者に対して、卒業を認定し、学士の学位を授与します。
器楽専攻
器楽専攻
ピアノ
ピアノ音楽の各時代様式に沿った楽曲の理解力、様式感、演奏技術を修得し、古典派、ロマン派、近現代のバランスのとれたレパートリーを形成していること。
将来の音楽活動の基盤として、ピアノ音楽以外にも視野を広げていること。
ピアノ演奏家コース
演奏家として自立できるための高度なピアノ演奏能力を獲得し、実践的な舞台経験を積んでいること。
各時代様式をカバーするとともに、各人の個性と能力を発揮できる本格的なレパートリーを形成していること。
演奏家となるための広い視野を持った音楽観や人間性を養っていること。
ピアノ・創作コース
器楽専攻(ピアノ)の要件に加え、作曲理論(和声、楽器法等)の基礎を修得し、独奏曲、室内楽などの作曲、編曲を行う創作能力を有すること。
即興演奏や伴奏づけなどの能力も獲得し、社会の音楽的ニーズに柔軟に対応できること。
チェンバロ
後期ルネサンス、バロック時代の作品を出発点として、各時代、各地域のチェンバロという楽器の特性、演奏スタイルの特性を理解し、表現できること。
また、通奏低音を始めとするバロック音楽の基礎理論を修得し、実践できること。
オルガン
ペダル、レジストレーションを含むオルガン奏法の基礎を修得し、オルガンの構造や歴史についても知識を有していること。バロック時代のオルガン音楽を中心として、ロマン派や近現代のオルガン作品も体験していること。また、通奏低音を始めとするバロック音楽の基礎理論を修得し、実践できること。
弦楽器
弦楽器独特の美しく豊かな響きを獲得していること。それぞれの感性と知識によって、楽曲の様式や作曲者の意図を捉え、どのように表現するかを判断できること。アンサンブルの基礎を修得していること。
管打楽器
高度な技術と豊かな表現力を獲得していること。専門の楽器に関する深い理解とともに、複数の楽器に関する幅広い知識を修得していること。合奏技術に習熟していること。
作曲指揮専攻
作曲指揮専攻
指揮
様々な音楽シーンに必要とされる指揮の高度な技術力と、感性豊かな表現力を修得していること。
楽器や声に関する幅広い知識と、それらの演奏技術に関する基礎的知識を持っていること。
完成度の高い演奏を目指す強い信念を有し、どんな状況の中でも自己を失わず、柔軟かつ冷静に対処できる判断力を持っていること。
創造力に満ちたリーダーとなる努力が続けられること。
作曲「芸術音楽コース」
現代の作曲家に求められる専門知識と作曲技術を身に付け、独創的な芸術作品が作り出せること。
情報化社会で通用する高度なコミュニケーション能力を携え、コンピューターを始めとする最新のツールを駆使することができること。
創造人として自立できる個性を持ち、音楽やその他の様々な芸術分野で活動できる人材であること。
作曲「ミュージック・メディアコース」(2021年度より)
商業音楽の分野で求められる広範囲な作編曲技術を獲得していること。
音楽業界を取り巻く激しい時代の変化に対応でき、様々な音楽シーンにおいて、幅広い視野から作品をプロデュースできる能力が高いこと。クライアント/エンジニア/アーティスト/コンポーザー/アレンジャー/プレーヤーなど、様々な立場の人間と理解し合える、優れたコミュニケーション能力を持つこと。
企画制作、セルフプロデュースなど、作曲編曲活動に留まらず、音楽業界全体に貢献できる多角的な能力を備えていること。
ネットワーク社会の一員としての高い見識を持ち、音楽に関わるすべてのメディアに精通していること。新たなメディア作品を創造する先見性と洞察力を持ち、その実現のために必要となる高い行動力と連携力を持つこと。
作曲「映画・放送音楽コース」(2021年度まで)
商業音楽の分野で求められる広範囲な作編曲技術を獲得していること。音楽業界を取り巻く時代の変化に対応でき、様々な音楽シーンを作編曲家の立場でプロデュースできる能力を持つ人材であること。
作曲「ポピュラー・インストゥルメンツコース」(2021年度まで)
ミュージシャンとして必要な楽器演奏の技術、及び様々な音楽ジャンルの様式感を修得していること。
プロフェッショナルな環境で活動できる自己を確立できていること。
音楽業界を取り巻く時代の変化に的確に対応でき、演奏のみでなく企画制作の面からも音楽をプロデュースできる総合的な能力を持つ人材であること。
作曲「ソングライティングコース」(2021年度まで)
様々な音楽の形態に対応できる創作技術を修得していること。
セルフプロデュースのみでなく、第三者に楽曲提供できる能力を備えていること。
音楽ビジネスの仕組みを理解し、高いコミュニケーション能力を持つ人材であること。
音楽文化教育専攻
音楽文化教育専攻
「芸術としての音楽」「現代社会と音楽」「多様性の中の音楽」「音楽と教育」の四つの領域から複数を組みあわせ、研究と実践を柱とした学びを通して、以下の能力を身につけることが必要です。
1 音楽芸術の背景となる歴史や音楽に関する知識を作品の理解や演奏に活かし、楽曲や作曲家について新しい知見を探究する能力。
2 現代社会における多様な音楽のあり方に関心をもち、音楽文化研究の新しい見方や考え方を習得し、それを現実の場面で応用する能力。
3 世界における多様な音楽文化に関心をもち、演奏実践や国際交流を通して探究する能力。
4 多様な文化的背景を持ったコミュニティにおいて、人々の音楽活動をコーディネートし支援できる能力。
5 学校教育のみならず、グローバル社会における音楽文化の諸局面において教育の果たす多彩な役割を自覚し、地域性や国際性などの要因をも考慮に入れつつ、適切に実践することのできる能力。
6 音楽文化と教育について、時代をリードする知見や技術を探求する能力。
ミュージックビジネス・テクノロジー専攻
ミュージックビジネス・テクノロジー専攻
ミュージックビジネス・テクノロジー専攻では、予測不可能な社会に適応し、音楽とICTの双方を学ぶことにより、音楽を取り巻くビジネス分野をはじめ、従来の産業の枠組みを超えた新たな価値観を社会に提案することのできる能力を身につけた者に対し、学士(音楽)の学位を授与します。
1. コンピュータおよび情報技術に関する専門的な知識や技術を身につけていること。
2. コンピュータおよび情報技術を用いた音楽やさまざまなコンテンツの創作と制作に関する専門知識や技術を身につけ、それを応用して自ら創作や表現ができること。
3. コンピュータと情報技術を応用し、文化産業や情報産業の諸分野の発展に寄与できること。
4. 音楽と社会を多眼的な視点から捉え、新たな問題を発見し、それを解決する能力を身につけていること。
5. 論理的思考と創造的発想によって情報技術を応用し、音楽やICTを発想の起点とする新たな価値を創造することによって、社会に提案できること。