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2022.04.19

東京音楽大学付属オーケストラ・アカデミーの開講式が行われました

東京音楽大学オーケストラ・アカデミー開講式
2022年4月7日 中目黒・代官山キャンパスTCMホール

 
東京音楽大学付属オーケストラ・アカデミーの開講式が2022年4月7日に中目黒・代官山キャンパスTCMホールにて行われました。
東京音楽大学付属オーケストラ・アカデミーは、本学が誇る豊かな経験と高い専門性を有する教授陣に加わえて、音楽監督に尾高忠明氏を迎えて新たに開設されたオーケストラ奏者の養成機関です。毎週行われるオーケストラ実習に加えて、室内楽実習と個人レッスン指導も併せて行われる充実したカリキュラムが特徴で、プロの世界に通じる技術と芸術性の修得を可能にします。
  

(広報課)
 

鈴木勝利顧問

東京音楽大学は創立115年の歴史がありますが、プロのオーケストラを日本で最初に作ったのが東京音楽大学で、それが現在のN響の前身となり、本学とオーケストラは切っても切れない関係があります。
オーケストラ・アカデミーに携わる先生方は、いずれも国内外で著名な方々です。そのノウハウをこれからここで学んでいただき、日本で、世界で活躍するプロの団員になってほしい。応援いたします。

武石みどり学長代理

プロのオーケストラ奏者になるということは簡単なことではありません。特に、新型コロナウイルスの蔓延により、プロのオーケストラ自体が演奏の場を失うという状況が続いています。しかし、このような状況下でも、皆さんが高い志を抱き、オーケストラ・アカデミーに来てくださったことを心より賞賛し、評価したいと思います。それぞれ違った人生経験やバックグラウンドをおもちかと思いますが、別府アルゲリッチ音楽祭など、いろいろな実践の場で心を合わせてすばらしい演奏を見出してくださることを信じています。関係者一同、創立者や卒業生の功績や意志を引き継ぎながら、明るい音楽の未来のかけ橋をつないでいけるよう、全力で皆さんを支えていきます。

ヴァイオリン・荒井英治先生

これから皆さんと濃密な時間を過ごし、できる限りのノウハウをお伝えようと思っています。ですが、皆さんに一番お伝えしたいのは、「受け身であってはいけない」ということ。オーケストラというのは生きたものです。毎回の練習時間を本当に有意義なものにしないと、成果は上がらないと思います。私たちが伝えることから、皆さんはさらに発展してやらなければいけない。つまり、ディスカッションをする。皆で一つひとつ話し合い、わからなければ指導教員に聞く。それらを積極的にやることで、いい成果につながると思います。

ヴァイオリン・山口裕之先生

どんなことがあるかわからないけど、その場その場で最善の方法を考え、がんばっていきたいと思います。

ヴィオラ・百武由紀先生

オーケストラのオーディションが、最近、着々と進んでおります。ヴィオラでも、ひとつのところに60~70人ほどの応募があるようになり、どんどん幕が開いてきました。ですが、オーケストラの中での弾き方を知らないと、オーディションに参加することはやはり難しい。私の数十年間のオーケストラ生活の中で得た考え方や技法を、この学校でお伝えできることをとても楽しみにしています。

チェロ・山本裕康先生

ここにいらっしゃる先生方は僕の大先輩や先生である方もいらっしゃいます。安心して、いろいろなことを聞いていただきたいと思います。僕も何年もオーケストラでやってきて、そこで得たものを皆さんにお伝えしたいと思いますし、今の若い人たちが考えている音楽などを、逆に教えていただきたい。そしてまたそれを僕らは聞いて、考えて、次世代に向けてのことをいろいろと考えていきたいと思います。皆さん健康に気をつけて、一生懸命がんばって練習しましょう。

フルート・相澤政宏先生

私はこの東京音大出身で、大学3年の時にオーケストラのオーディションに合格し、東京交響楽団に33年います。オーケストラというのは、社会の縮図だなと感じます。オーケストラでやっていくということは、社会の中でどう生きていくかということにすごく通じると思うので、皆さんは技術を身につけると同時にそういったことも念頭に置いてやっていただけたらなと思います。質の高いところで皆さんと一緒にやっていけることをすごく楽しみにしています。そしてこの中から、オーケストラプレイヤーがたくさん出てくれることも楽しみにしています。

オーボエ・宮本文昭先生

プロのオーケストラはリハーサルが1回だけ、という場合が多いです。たった1回の練習でゲネプロ付きでやるというのは、とても過酷なことです。しかし、オーケストラ・アカデミーは練習の時間が長く、たくさんディスカッションをする時間がある。人間を観ることができる。その中で折り合いをつけるために、意見をぶつけ合い、よりよい所に自分たちをもっていく。ここが大事なんです。自分たちができないことを時には指摘されるでしょう。それを直視し、克服し前進することはすごく大事なことです。僕のオーケストラ人生を振り返ると、失敗から学べたことがほとんどです。うまくいかないことこそ、自分が前進できるチャンスなんです。だから怖がらないで、自分の失敗を認めてください。そしてどうしたら克服できるかを、ここにいる先生方に相談してください。熟成された演奏がリハーサルの時点からできるようにするために、このオーケストラ・アカデミーで一生懸命練習し、わからないことや興味があることがあれば我われにたくさん聞いてください。私たちは誠心誠意教えます。「楽譜どおりに演奏していますよ」なんてことを絶対に言わないでほしい。演奏に対して意思やアイデアをもって、プレゼンができるくらいになってください。そして、オーケストラの楽しさを感じてください。

クラリネット・四戸世紀先生

入学者の数を聞いた時、本当にうれしかったです。私も3つのオーケストラを渡り歩いたので、オーディションをたくさん経験しました。受ける側も審査する側も経験し、自分のパートのみならず音楽全体のことをよく知っていることがとにかく重要だと感じています。アンサンブルというのは、自分の演奏だけでなく、ほかも気にすることができるか、その訓練でもあります。特に、ここは東京のど真ん中で、たくさんの演奏会があります。オーケストラの生の音を月に1度は聴きにいってほしいと思います。そして自分たちで音のイメージを育ててほしい。いい概念がないといいものは出てこないので、そういった勉強も怠らずにやってください。

ホルン・水野信行先生

オーケストラというのはひとりでやるものではなく、共同でひとつのものを作っていくものです。オーケストラのレパートリーは本当に無限です。すごくたくさんの曲があり、知らない曲もたくさんあると思います。我われはその一部を授業で扱うと思いますが、その時に「周りを見る。周りを聴く。もちろん自分もアピールする」というものをすごく考えないと、まとまりは出てこないと思います。それができた時、オーケストラの楽しみにつながるかと思います。また、指揮者によって要求が変わってくるので、いろいろな引き出しをもち、要求に対してどの引き出しから出したらいいのかを考えながらやらないと、その場に合わないものが出てきてしまい、やりにくくなってしまいます。周りと合わせる。そして自分をアピールする。それらを楽しみながらやっていただきたいと思います。

打楽器・菅原淳先生

皆さんが第一期生となります。これは非常に大事なことで、第一期生というのは将来どの道に進んだとしても一生「東京音楽大学付属オーケストラ・アカデミーの一期生」と残ります。なので、一期生ということに常に誇りをもってほしいと思います。皆さんの目的は「オーケストラの勉強をする」とはっきりしています。その目的をしっかりと果すためにがんばってほしいと思います。ご覧のとおりすばらしい先生方がたくさんいらっしゃるので、自分の楽器だけでなく、いろんなことを相談できると思います。このような機会はめったにないと思いますので、大いに利用してほしいと思っています。

打楽器・宮﨑泰二郎先生

私は44年ほど前にベルリンのオーケストラ・アカデミーで3年半勉強させていただいて、その時はとにかくオーケストラの勉強だけをして、生の音を聴いて、演奏して、その経験がその後の一生の基礎になっています。東京はすばらしいところで、世界水準のオーケストラが7つも8つもあります。自分の勉強だけでなく、他者の演奏も聴いて、そして自分のオーケストラで練習をしてレッスンを受けて…フル回転させてそれを楽しみながら、健康で充実した生活ができるようお祈りしています。

打楽器・久保昌一先生

私が学生の頃、先生に言われたことをお話したいと思います。コンクールには1位2位3位と順位があって、コンクールで3位でもすばらしいよね。でも、オーケストラのオーディションでは、2位と3位では合格できないんです。一番でないと、オーケストラに入ることができないんです。当時、先生に言われてそのとおりだと思い、たくさん練習し、そのおかげで今の私がいます。このオーケストラ・アカデミーはすばらしい先生ばかりですので、皆さん一生懸命夢に向かって勉強して、目標を達成できるようにがんばっていきましょう。

音楽監督・尾高忠明先生 祝電

共演するたびに、「すばらしい音大だ!」と、感じ入っていた東京音大に待望のアカデミーができるというニュースは本当にうれしいものでした。粒ぞろいの教授陣もすごい。前回の定期公演でも先生方の力は絶大でした。今から、皆さんと一緒にミュージックメイキングする日を心待ちにしています。アカデミーを楽しんでください。