インドネシア・ジャワの伝統音楽と舞踊
2023年2月25日(土)
池袋キャンパス 100周年記念ホール
春を間近に感じはじめた2月最後の土曜日、本学100周年記念ホールで26回目のガムラン社会人講座の発表会が開催され、400名近いお客様が見守る中、ガムランの演奏とジャワ舞踊が披露されました。
ガムランは、1889年のパリ万博ではじめてその演奏を聴いたドビュッシーやラヴェルらに多大な影響を与えたことで知られる、インドネシアの伝統音楽です。本学では1970年代後半にガムランの学部授業が始まり、その後1996年に一般向けの実技講座としてガムラン、翌年にジャワ舞踊の講座が開講され、今年で27年になりました。合奏5クラス、舞踊3クラスほとんどの受講生がリピーターの方々で、50名ほどが熱心に学んでいます。
ガムランは金属製打楽器を中心とした緻密な合奏音楽ですが、聴くとゆったりして耳に心地よく、ジャワ舞踊もたゆたうような動きが優雅です。発表会は3時間の長丁場、客席は明るめにして出入り自由、眠くなったらどうぞお休みください、と毎年アナウンスしてはじめます。
さて本場ジャワの人々も驚く、本学発表会ならではの名物珍風景をご紹介しましょう。まず、ガムランの演奏と舞踊は大変関係が深く、両方の講座を受講する人が多いのですが、彼らが両方のクラスの演目に出演するため、舞台の演奏者の中に「キラキラな舞踊衣装の人」が混ざっています。バレエを踊った人が次の曲ではオケピットでヴァイオリンを弾いているようなものです。
舞踊も、現地ではあり得ない風景が。ソロやペアで踊る演目もクラス全員で踊るため、舞台に同じキャラクターが分身の術のように何人もいます。白鳥の湖でオデット姫が舞台に何人もいるというわけです。今回は男女の愛の踊りに6ペアも登場して、舞台は大賑わいでしたが、お客様にとってはこれも見応えがあっていいのかもしれません。
なんでもありの東京音楽大学社会人ガムラン発表会、来年はなにが飛び出しますか、どうぞお楽しみに。
文:樋口なみ(講師)