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2023.03.14

令和4年度 東京音楽大学の卒業式が行われました

令和4年度東京音楽大学の卒業式が行われました。

 

日時:令和4年3月10日(金)
場所:東京音楽大学 100周年記念ホール

 

ご卒業おめでとうございます。

 

送辞 在校生代表 五十嵐健太(サクソフォーン3年)

 
卒業生のみなさま、この度は、ご卒業おめでとうございます。私はウクライナから去年、東京音楽大学に来ました。1年間ですが、先輩方と一緒に演奏ができたことはとてもよい経験となりました。

今日はすべての学生にとってとても大切な日です。今日から先輩方は社会人になります。しかし、ミュージシャンは生涯学習者です。
楽器を上手に演奏するためには、一生勉強しなければなりませんが、それでもまだ足りません。

私たちが音楽を演奏できることは大きな幸せです。ミュージシャンはもっとも楽しくておもしろい職業です。もっと自由になり、世界を見て、旅行をしてください。
練習は私たちにとって非常に大切ですが、世界の知識と私たちが生きてきた感情も重要です。生きた感情は音楽をとおして伝えることができます。世界を知り、なにかおもしろいものを見つけてください。

楽器をやめる人もいるかもしれませんが、一番大切なのは幸せでいることです。人生を楽しんでください。人生はそれほど長くはありません。
幸せでいてください。そして、自分がしていることを心から好きでいてください。毎日、自分のすることによろこびをもたらし、よろこびと前向きな感情をもたらしましょう。
今後も先輩方のますますのご発展とご活躍を期待しております。

令和5年3月10日 

 

答辞 第57回卒業生代表 藤重侑宇 作曲指揮専攻(作曲「ミュージック・メディアコース」)

 
本日はこのような盛大な卒業式を挙行していただき、卒業生一同を代表し心より御礼申し上げます。諸先生方並びに御来賓の皆さまには、お忙しい中御臨席を賜り誠にありがとうございます。

4年前、咲き誇る桜を見上げながら、これからはじまる大学生活に胸を躍らせ入学したのがつい昨日のことのように思われます。振り返ってみると、私たちはコロナという未曾有の災難に翻弄された学年でもありました。
対面での活動が限りなく制限され、私たち音大生も従来とは異なる学生生活、音楽活動を余儀なくされました。
しかし、こうした儘ならない世の中でも、自分なりの音楽を発信するために各々尽力した4年間だったと思います。東京音楽大学での学生生活は、普通科の高校を卒業した私にとって、とても新鮮で刺激的なものでした。

練習室から漏れ聴こえる楽器の音色、ソルフェージュや和声の授業、さまざまな専攻の学生たちによって創り上げられていく音楽の世界。そのような環境の中に身を置けたことを、私自身大変幸せに思います。
この4年間、オンライン授業を挟みながらも専門的な知識や技術を身につけてきた私たちですが、ついに新しい世界へと旅立つ時がやってきました。
しかし、音楽を取り巻く環境はかつてない大きな転換期を迎えています。デジタル化がもたらした多種多様な方法による音楽の消費。
そしてインターネットの普及は、アマチュア、プロ関係なく誰でも音楽を発信でき、またほとんどの音楽を無料で聴ける社会をもたらしました。
これは日常を豊かにする反面、音楽本来の希少性が失われたということでもあります。あらゆるコンテンツが供給過剰なこの時代において、私たちは自分の音楽を聴いてもらうことさえ困難を極めることになるでしょう。
しかし、学生の主体性を重んじる東京音大で培った自由で柔軟な発想と、学生生活で学び得た知識と技術でこの難局を乗り越え、音楽で世の中に貢献することこそが私たちの使命であると考えます。
最後になりましたが、卒業まで支えてくれた家族、そしてこの大学でお世話になったすべての方々に感謝を申し上げますと共に、私たちの母校、東京音楽大学のより一層の発展を心より願いまして、答辞とさせていただきます。

令和5年3月10日