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2023.08.04

東京音楽大学「社会人の学びの場」受講生の声を掲載しました

東京音楽大学では、音楽に親しみ、技量を高め、あらたな自分を見つめる機会として、2023年度より「社会人の学びの場」を開講。
春学期では、音楽大学卒業生のためのリカレント、DTM(Desk Top Music)、一般社会人対象の音楽教養講座を複数回にわたって開催しました。受講生の皆さんからの受講の声をご紹介します。
 
 
 
◆ 初級 インヴェンションで学ぶバッハの作曲技法~編纂されてから300年~


■ 講師:照屋 正樹
■ 講義内容
♪ 2023年はインヴェンションが編纂されてから丁度300年。
今でもピアノを弾く人が必ず練習するバッハのインヴェンション。この愛すべき曲集を練習中、あるいはかつて弾いたことのある方、またその魅力を再発見したいピアノを教えている方を対象にバッハの驚嘆すべき対位法の技法とともにインヴェンションを分析し、バッハの魅力に迫ります。
 

 

受講生の声
 
勝田千春さん 40代
[3歳からピアノを習いはじめ、現在まで継続。毎日、自宅のグランドピアノでバッハやショパンを練習し、発表会に参加している]
 
日頃からバッハのインヴェンションを個人レッスンで受けている時に、長調や短調の調性や形式を教わっていましたが、演奏方法と同時なので、難しさを感じていました。音楽大学で座学だけで学べる機会があることを知り、受講を決めました。
二日間にわたり、バッハに関わる転調など重要な楽典と照屋先生が選択されたインヴェンション曲の解説を受けました。 
講義で学んだことは、二番は唯一のカノンであること、三番はヘミオラを使っていること、六番は主題と掛留と結句、九番は対旋律、などさまざま。
特におもしろかったのは、九番は、物悲しいすてきな曲と以前から感じていたのですが、F-mollにはじまり、中間終止形as-durにはならず、c-mollである短調という点を教わり、曲の雰囲気づくりに響いていると魅力的と感じました。
この講座を通して、形式などの知識を得てから練習すると各々が個性ある曲だとわかり、感銘を受けました。 
「社会人の学び」を通して、曲調など学びと感受性の共感を深め、日々の練習が今まで以上に楽しくなりました。
秋のモーツアルト・ベートーベンの講座を参加させていただきたいと思っています。楽しみにしています。

 
 
 
◆ 名曲を通して学ぶソルフェージュ


■ 講師:荒尾 岳児
■ 講義内容
♪ 古今の名曲には、それぞれの時代の様式の特色が反映しています。そしてそれらは全て「楽譜」という形で書き残され、後世の私たちに伝えられています。
楽譜には旋律・和音・リズムといった音楽の要素が詰まっています。録音という手段を持たなかった時代の作曲家たちが、何とかして自分の思い浮かべた音楽を人に伝えようとして書き記した楽譜から、その音楽を読み取り受け取る技術を「ソルフェージュ」と呼びます。この講座では、いろいろな時代の名曲を題材に、その時代の特色を概観しながら、楽譜に親しみ、読譜する力を養うことを目的とします。
 

 

受講生の声
 
山本直さん 60代
[会社員。大学時代に男声合唱団、現在は一般の合唱団で活動している。2000年~2012年の間、日本の声楽家、ロシアの声楽家(オペラ歌手)から声楽の指導も受けた]
 
コーラス団体の指揮をしていて、音作りのために、曲の解釈等に役立つと考えたため受講を決めました。
講座では、各年代別の特徴がわかり、今後音作りに活用でき、スコアを見て音楽を聴くようになりました。
やはり、音大の先生から、きちんと理論や音楽の背景を聞くことが音作りに役立つと思いました。
引き続き、ほかの講座も受講して、音楽のすそ野を広げていきたいと思います。

 
50代男性
 
クラシック音楽が好きでほとんど毎週のようにコンサートやオペラに行っておりますが、系統的なソルフェージュや音楽史の学びははじめてでした。とても刺激になり楽しかったです。音楽の「消費」から「鑑賞」へ一歩近づいたのかなと思います。4回で終了では惜しいほどでした。ありがとうございました。
 
50代男性
 
4回の授業は本当に楽しく、「音楽というのは楽しいな」と心から感じることができました。
先生のお話もわかりやすく、またほかの受講生の皆さんと一緒に声を合わせたことが楽しくて忘れられません。本当にありがとうございました。「東京音楽大学」はすばらしいですね。生まれ変わって入学して、先生のご指導を受けたいです。
 
60代女性
 
クラシック音楽は長年、趣味で聴いたり弾いたりしていましたが、「ソルフェージュ」はまったく未知の世界。専門的かもと不安でしたが、荒尾先生による名曲の解説、演奏とともに楽しく学ぶことができました。先生をはじめ「音楽愛」に満ちた音大は心地よい空間でした。また荒尾先生の講座があれば受講したいと思います。

 
 
 
◆ Finale入門講座~コンピューターで楽譜制作~


■ 講師:近藤 隆史
■ 講義内容
♪ 楽譜制作ソフトのスタンダード「Finale」の入門講座です。五線の用意から音符入力、レイアウト、印刷やファイル出力までひととおりのプロセスをやさしく解説します。
こちらでご用意した楽譜をお手本に、教室のFinaleで実際に入力する実習形式。コンピューターでの楽譜作成に興味をお持ちの方の第一歩となるような、またこれまで自己流で使っていたFinaleの基本をしっかりと学びたい方向けに初級編として開設します。
 

 

受講生の声
 
40代女性
 
今回、全3回で、フィナーレでできることを凝縮して教えてくださったので、本当にさまざまなことがパソコンでできるんだなぁと驚きました。
ただ、今回教えていただいた、たくさんの機能を覚えて実際に使用できるようになるまでにはとても時間がかかり、やっぱり手書きの方が早い、となってしまいそうなので、もっとシンプルな(単旋律とか、大譜表とか)の短い曲で、楽譜を完成させる、といった初級のような講座も、あったらいいなぁと思いました。
 
20代女性
 
一度も使ったことがなくても基本の使い方を学ぶことができました。わかりやすかったです。
ドライブ上でデータを共有していただいたことも、今後の復習がしやすく助かっています。ありがとうございました。
 
40代女性
 
今回の講座は知識ゼロからの受講で、基本であるパソコンをまず使いこなせていないので、ついていくのに必死でした。
もう少し回数を増やして、ゆっくり進行していただけると覚えやすいと思いました。ゼロ知識でもついていける完全な初級コースがあるとさらに参加しやすいと思いました。

 
 
 
◆ ガレージバンドで作曲を!


■ 講師:土屋 真仁
■ 講義内容
♪ 世の中に溢れている音楽の多くは、「打ち込み」で作られた音楽です。生楽器による演奏・録音ももちろん重要なことですが、現在、打ち込みで作る音楽のために、さまざまな方法が模索されています。
この講座では、Apple社のiPhone、iPadなどにプリインストールされている「ガレージバンド」を足掛かりとして、現在の「音楽の作り方」を知り、自作曲を作り、「自分オリジナルの音楽」を具現化することを試みます。
 

 

受講生の声
 
渡辺徹さん 50代
[会社員。幼少から中学頃まで祖母にピアノを習い、中学・高校ではバンド活動をしていたが、正式な音楽学習は学校以外に特になし]
 
しばらく前からいつか自分でDTMを自分で作ってみたいと思いながらもなかなか手を出せずにとどまっていたところ、ちょうどこの社会人講座をSNSで発見し、日程も合致。さらに家からも近かったので受講を決意。
講座では、ガレージバンドのiMac版でLoopを活用して16小節程の断片の作成を実体験。最後はメロディーを自分で考えて載せて行くもの。MIDI鍵盤接続のiMac(一人1台)を自分で操作するものでわかりやすい。
MIDIデータがどのようなものかをはじめて理解すると同時に、一旦入力したMIDIデータを自分で修正していく点が、DTM作成のひとつの要諦と理解しました。
ガレージバンドにこれだけの数のLoopが著作権なしで格納されているという点は驚き。著作権はメロディーにしかない、ということですが、ロックの有名なリフとかはどうなるのでしょうね?自分の手許にあるガレージバンドはiPad版なので少し違うのですが、講座で習ったことをゆっくり試してみようかと思っています。DTM / DAWについてもう一歩進んだ講座があるといいと思いました。ちなみに、土屋先生のバックグラウンドにも興味が湧きました。
あと、東京音楽大学が中目黒・代官山にキャンパスをもっていることはまったく知りませんでした。社会人教育に便利な場所ですよね。
 
浜田雄さん 40代
[ソフトウェアエンジニア。演奏も作曲も義務教育のみでその後は経験なし]
 
3年前より音楽業界で音楽クリエイター向けのネットサービスに関わっており、少しでもクリエイターの活動を理解したく受講しようと思いました。Apple製品に付属のGaragebandを用いて、付属の音源と、キーボードを用いて打ち込んだメロディを配置し、ミックスダウンして、ファイルを書き出すところまで行う内容ですが、まったくの作曲初心者でも、事前の準備などなく参加し、作曲することができます。ペンタトニックスケールなど初歩的な音楽理論まで学ぶことができます。とてもハードルが高そうな作曲を身近なツールで、誰でも簡単に行えることを短時間で学ぶことができました。普段聴く音楽についても、構成が少し理解できるようになりました。
東京音楽大学は、土曜日でも学生がたくさんいて活気がありました。地域に開かれた新築の校舎にはグランドピアノなどの楽器を備えた教室がたくさん。ほかの講座やコンサートにも興味をもちました。
 
平山正光さん 60代
[会社員。メーザーハウスにて音楽理論・編曲を佐藤允彦先生に、椎木知子先生に和声、西村勝行先生に作曲・音楽理論、高木哲也先生にアンサンブル・音楽理論を師事している]

 
定年退職を前に、退職後には若い頃学んだ音楽制作を行おうと思い、学び直しのために堀井勝美先生の著書「作曲講座」を購入。堀井先生が東京音楽大学で教鞭を執っておられることを知り、ホームページを拝見し社会人講座を知りました。
音楽大学の教室で講義を受けること、ガレージバンドで曲を仕上げるまでの過程を知ること、音楽大学で3回の講座という限られた時間の中で、どのようにレクチャーをしていくのかに興味があり受講しました。
音楽制作のプロフェッショナルとしての土屋先生の貴重なお話と、音楽制作で大切な基本的な理論を再認識できたこと。ガレージバンドが想像していた以上にlogicに近い機能となっていたことを学びました。
まったくガレージバンドに触れたことのない方から経験者まで、年齢に関係なく同じ教室で学べて、実際に大学生が使用している機器を使って普段知ることのできない音楽制作についての意識、考え方などをプロフェッショナルの視点に触れられたことが特におもしろかった。
伝統的なクラシック音楽への取り組みに加え、さらに現在の音楽状況に即した講座も行われていることを知り、今まで抱いていた音楽大学のイメージが変わりました。また、すばらしい先生方とロケーション、施設などの恵まれた環境の中で、学生の方々が自分の求める音楽に集中できるすべてがあるように思いました。うらやましい限りです。社会人講座への取り組みも含め、東京音楽大学の今後により興味をもちました。できましたら、期間を3回から6回へ、また中級、上級へ拡張していただき、作曲講座なども開講していただけたらと思います。通常の大学運営でお忙しい中、加えて社会人の私たちへこのような機会を設けていただき感謝いたします。

 
 
 
◆ 即興的ピアノ演奏のススメ 初級~和音と伴奏付け~


■ 講師:渚 智佳
■ 講義内容
♪ 「ピアノ譜がなくてもメロディーに伴奏を付けてみたい」「キーボード・ハーモニーに興味がある」という方を対象にした、伴奏付けの導入編です。コードネームと和音記号の基礎を解説し、基本的な和音付けとさまざまな伴奏形を実践していきますので、予備知識がなくても心配には及びません。ピアノは「和声楽器」。まずは簡単な和音を操ることで、楽譜がなくても即興的に鍵盤を自由に弾くことができる可能性を体感してください。ピアノ音楽の捉え方や楽しみ方が一層広がることでしょう。
 

 

受講生の声
 
正畠 博政さん 40代
[会社員。高校で吹奏楽、大学で合唱を経験。約20年のブランクを経て、現在音楽教室で管楽器のレッスンを受講中。ピアノは未経験]
 

ピアノに合わせて楽しそうに歌い、演奏する方たちを見て、「自分もピアノで伴奏をできたらなぁ」とモヤモヤしていた時にこの講座を知りました。
「即興で伴奏をできる!?とにかく受講してみよう!」と決めました。
講座では、「夕焼け小焼け」の慣れ親しんだメロディを題材に、和音付けを体験。また、和音は3音から4音へ。コード進行は小節単位からより細かくなり、最後は片手から両手伴奏へと伴奏の世界が広がっていきます。メロディに和音が徐々に付けられていき、和音やコード進行が気持ちに与える変化を実感しました。伴奏の和音の決め方は想像すらできていなかったのですが、「こうやって決まっていくのか!」とようやく納得できました。
新しいコードが次々に出てきて、「理解できるかな?」と身構えたこともありましたが、先生の話は、豊富な知識と経験に裏付けされていて、安心して学ぶことができました。また、講義の最終日に、受講生が選んだ音をメロディにして、先生が即興で伴奏をつけられた場面は強く印象に残りました。「凄い!」
講義が終了した今、楽譜の見え方が変わったと感じています。伴奏は音の羅列ではなく、進行に意味があること。そして、その意味を読み取れることを体験しました。また、ピアノで和音を鳴らす楽しさにようやく気付けました。
社会人講座を受講を通して、伴奏の世界の入口に立てたこと、そして、一歩を踏み出せたことを実感しています。ありがとうございました。
中目黒キャンパスはきれいで快適。音楽に集中する環境で羨ましい。学内では学生の方々の賑やかな声や、教室で練習する音が聞こえてきて、その雰囲気が心地よくて大学生に戻ったような懐かしさでした。