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2019年度文化庁 大学における文化芸術推進事業 講座開講

2019年度 文化庁
大学における文化芸術推進事業
講座開講
 
日本とアジアの伝統音楽・芸能のための
アートマネジメント人材育成

 
2019年8月24日

 
 

文化庁による「2019年度文化庁大学における文化芸術推進事業」に採択され、2019年8月から2020年3月にかけて実施する「日本とアジアの伝統音楽・芸能のためのアートマネジメント人材育成」事業の初日講座が8月24日に行われました。

 

初日は、アジア伝統音楽の特徴を紹介する「アジアの伝統音楽概論」(小日向英俊本学客員教授)、日本の雅楽や能の時代変遷を紹介する「日本の伝統音楽概論」(太田暁子本学講師)をはじめ、4つの講座が開講されました。

 

 

本事業は、東京音楽大学付属民族音楽研究所を推進母体とし、日本とアジアの伝統的な音楽・芸能の公演等について「クロスオーバーによる活用」を主たるテーマに、総合的に企画・運営できるアートマネジメントの専門的知見を有した人材を育成することを目的としています。
一般公募で受講生を募った結果、定員を超える52名の方が集まりました。

 

事業を企画運営する福田裕美准教授は、
「受講生は、中高大の教職員から団体職員、自治体職員、個人の演奏家まで、想定を超える幅広さです。アートマネジメントは、西洋音楽を中心に研究が進められてきました。日本・アジアの音楽を対象にしたアートマネジメントは文献もほぼなく、私たちにとっても真新しい試みです。受講生の皆さんから意見を吸い上げて、需要が高まっている現場で実際どのようなニーズや問題点があるのかをしっかりと掴んで、皆さんに還元できるように工夫していきたい」
と抱負を語りました。

 

2019年度は「伝統×伝統」(伝統の継承)として、「アジアの伝統音楽概論」や「日本の伝統音楽概論」、「文化財政策における伝統音楽・芸能の位置づけ」などさまざまな基礎講座をとおして、幅広い知識を身につけ、さらに、伝統的な楽器、演目や演奏形式、実演技法等を生かしたワークショップを行うための実践セミナー、公演制作見学研修で実践力や展開方法を学びます。

 

「たとえばホールやイベント会場で民族音楽をテーマにした演奏会をやりたいが、誰に声をかけて、どんなことに注意しないといけないのか、これまでは個人的なつながりに頼る部分が大きかったのですが、この講座をとおして企画者、演奏家といった立場の違い、音楽のジャンルの違いを越えて、共通する問題点や改善策を見つけ出して、共有していこうというのが大きな目的です。幅広い知識の習得や受講生同士の情報交換をとおして新しい気づきが得られたらと思います。本学の民族音楽研究所は作曲の先生方も深く携わっており、伝統に加えて、新たな創造の視点の獲得が期待できるのも大きな特徴です」
(福田裕美准教授)

 

受講生の方に話を聞きました。

 

荒川真希さん(福岡市文化財活用課)
「普段は地域芸能の保存・活用に携わっています。アートマネジメントの視点を持って受講しています。小日向英俊先生の「アジア伝統音楽概論」では民族音楽を舞台化する時の工夫が聞けて大変ためになりました。さまざまな講座を受講して、新しい知見を習得し、ホールからの参加者の方々とも意見交換をして、今後の業務に役立たせていきたいと思います」

 

大井優子さん(公益法人日本芸能実演家団体協議会)
「地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを『日本遺産』として文化庁が認定していますが、その仕事に携えています。オリンピックまでに100件の認定を目指しています。大学の研究者の方々とも交流をして、広い視野で系統的に学べるのではないかと期待しています」

 

川島香さん(公益法人日本芸能実演家団体協議会)
「小学生向けに日本の伝統芸能を体験するプロブラムを運営しています。海外留学経験者から日本の伝統を教養として身につけることの重要性を訴えられています。触れる場と機会をいかに増やしていくか、ここであらためて勉強して、新しい視点と交流を持ちたいと思います」

 

今後の開講予定および次年度のテーマについてはこちらをご参照ください。

 
 

(広報課)

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