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邦楽修了発表会のレポートとダイジェストムービーをアップしました

東京音楽大学では、学生の希望に応じて、邦楽(箏、三味線、琵琶、尺八)を個人レッスンで学ぶことができます。
2月28日、コロナウイルスの影響で無観客での発表会となりましたが、邦楽実技を学び、今春卒業していく学生による邦楽修了発表会が行われました。教員を目指す人もいれば、作曲の研究のため、伝統文化への興味など受講理由はさまざま。西洋音楽と異なる演奏技術と感性が必要となる邦楽の履修をとおして、各々の音楽観にどんな変化がもたらされたのでしょうか。受講生に話を聞きました。
*コロナウイルス感染拡大予防のために、本発表会は無観客の中で行われました。

 

●2019年度 邦楽修了発表会
 (2020/2/28)
⇒ ムービーを視聴

■ 受講生の声:琵琶『敦盛』を唄・演奏した赤澤凜太朗さん(作曲「芸術音楽コース」4年)

「コントラバスを10年間、付属高校ではクラシックギターを専攻していて弦楽器の演奏には慣れていますが、琵琶はまったく違う弾き方が要求されます。押さえる指の角度ひとつで音程が変わってしまうほど大変デリケートで難しい。僕は作曲「芸術音楽コース」に所属しているので、知らない楽器を知るということ自体が研究になります。
楽譜に先生からの指示をたくさん書き込んで練習していますし、YouTubeでも琵琶の演奏を聴きます。西洋音楽と比較して、奏者のセンスというか個性が強く現れるような気がします」

■受講生の声:筝『黒髪』を唄・演奏した鈴木吏音さん(院・独唱2年)
「学部時代の『アジア音楽の理論と奏法』の授業で筝に興味をもち、大学院で2年間、個人レッスンを続けてきました。楽譜が漢数字で書かれていたり、唄う時の発声の仕方も西洋の歌と全然違うので、難しかったです。  
付属高校時代から大学院までの9年間、クラシック音楽に打ち込んできました。もともとブラックミュージックやジャズなどにもすごく興味があるので、卒業後はアメリカに渡って、本場でクラシック音楽以外の音楽を勉強したいと思っています。アメリカに行ったら、日本の伝統音楽のことを聞かれることもあるかなと思って、そんな時に日本の音楽をすこしでも説明できるようにしたいというのも受講理由のひとつでした」

■受講生の声:三味線『越後獅子』を唄・演奏した田川寿美礼さん(作曲「ソングライティングコース」4年)
「弾けるようになるにつれて、好きではなかった練習もだんだん楽しくなってきました。着物や和楽器など日本文化をもっと知りたいという理由で、入学当初から三味線に興味をもっていました。2年生から3年間履修して、専科のソングライティングに生かせる部分がたくさんあると感じています。今度、和楽器テイストのポップスも作曲してみようかな。これからも練習を続けていきたいです」

■指導教員の声:『五段砧』を演奏した染谷直佳さん(ピアノ4年)、久家慶子さん(音楽教育3年)の指導に当たった滝田美智子客員教授
「(染谷さんは)中学、高校に加えて、小学校の教員免許状まで取得して、さすがに忙しくて最後の方はレッスンに出られない日もありましたが、4年間続けてきて、今日は本当によく弾けましたね。二人の息がぴったりあっていました。曲数も一番多くやりましたね。本当によくがんばったと思います。ここで学んだ邦楽の実技は小学校の教員になった時にかならず役に立つと思います」