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武石みどり新副学長からのご挨拶を掲載しました

新副学長ご挨拶 武石みどり

 

コロナ禍という思いがけない事態のなか、理事・副学長を拝命いたしました。緊急事態宣言が発せられたことにより、皆様に直接ご挨拶をする機会はまだありませんが、まずは教職員のご協力の下に、オンラインによる新学期開始と問題解決に全力を尽くしていく所存でおります。どうぞよろしくお願いいたします。

 

学生・保護者の皆様、特に新たに入学された1年生は、入学式やガイダンスという出会いの場がないままに遠隔授業・レッスンが開始することとなり、戸惑いと不安を感じておられることでしょう。これまで対面による直接コミュニケーションで行われてきた授業やレッスンが画面越しになることで、細かい部分が伝わらず、もどかしさを感じるのは当然です。しかし現状では、何よりも感染者を減らし安心して健康に過ごせる環境を取り戻すことが最優先ですので、その条件下で学修する機会をできる限り工夫し、継続できるように努めている次第です。外出自粛・登校禁止が解かれるまでは制限される部分があることは避けられませんが、困っていることや疑問に思っていることは、どうぞ積極的に大学に伝えてください。できる限りの情報提供と学修支援でお応えしたいと考えています。また、そのためには教職員が充分に意見を交換し、心を合わせて取り組んでいく姿勢が何よりも大切です。皆様どうぞご協力とご支援をよろしくお願いいたします。

 

コロナ禍という難局は確かに災難ではありますが、ITによるオンライン化の必要性、そして人の心を慰め力づける音楽の力を再認識する機会でもあります。これを、新しいものに挑戦し適応する柔軟性、自分にできることは何かを考える発想力、そして自分なりの工夫を加える応用力を育む機会と考え、音楽へのアプローチの幅を広げていく契機の年へとしていきましょう。そのような考えを巡らせながら、また皆様とキャンパスでお会いし語らえる日を楽しみにしております。

 

今できることは?――考えを語り、書いてみよう!

 

以前のように充分練習ができない、直接レッスンが受けられない、伴奏や室内楽の合わせができない等、目下制限されていることはたくさんあります。できないことを数えたら不満はいくらでも出てくるでしょうが、それでは今できることは何でしょうか?

 

オンラインの指導に対応するためにIT環境を整える、今まで使ったことのないアプリに習熟するといったこともその一つです。加えて、今だからこそトライしていただきたいのは、こうした状況や問題解決について「考えを言葉にする」ということです。たとえば、コロナ禍の下で外出を自粛し店を休業させることは感染者数を減らすためには良いですが、経済活動が低下し失業者や破綻企業が増加するという問題を生みます。それをどのようなバランスで解決していくかについては多様な意見があり、必ずしも正解と不正解があるわけではありません。これが最善の道だと考えて進んでも、予期しない事態で方針を修正しなければならないことは、この数か月の世の中を見ていてもわかります。これまで小中高の教育では「正解」に到達することに重きが置かれてきました。しかし、将来社会人となる大学生にとって今後必要なのは、状況を把握し、その時の最善解と思えるものを模索する力です。外出自粛の中でも、テレビやインターネットでいろいろな情報を集め多様な意見を知ることは可能です。たとえば、コロナ対策において国内でどのような問題がありどう解決できるのかといった身近な問題について、自分なりの感想や意見を考え、言葉に表してみてください。

 

そんなことは音楽には関係ないし、音楽に大事なのは感性だ、音大にいる間は音楽に集中したいと考える人もいるでしょう。しかし、今は人との接触機会が少ないとしても、本来私たちは社会の中でコミュニケーションをしながら生きています。直近の課題として、遠隔授業でレポートを書かなくてはならない機会が増えるのに加えて、今後社会で活躍する音楽家には、音楽について自分の言葉でわかりやすく語ることが強く求められています。感覚的な言葉を羅列したり、ネットの情報を受け売りしてごまかしたりしても、その意見は説得力をもちません。この機会にぜひ、音楽のみならず日常の問題についても自分で考え、それを言葉にして語ったり書いたりすることを意識し、考えを深めていってください。それは時を経て、かならずあなたの創り出す音楽へと映し出されていくはずです。