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【新卒業生から新1年生へ ~熱いぜ、ザ・東京音大生~】第13回 吉永友理恵さん

吉永友理恵さん(音楽教育)

新卒業生から新1年生諸君へ

~熱いぜ、ザ・東京音大生~

 

今年も早いもので、11月になりました。皆さん、お元気でしょうか?10月の来校型オープンキャンパスを無事終え、ほっとしているところです。次は12月12日にWEBオープンキャンパス第3弾を実施します。今回のスペシャル企画はミュージック・リベラルアーツ専攻。日本の音楽大学で、音楽・英語・リベラルアーツを同時に学べる唯一の専攻を深堀りしてご紹介します。どうぞお楽しみに。
さて、今回の「熱いぜ!」は、音楽教育専攻を卒業して一般企業に就職した吉永さんに話を聞きました。教員を目指して、教職課程管弦楽・吹奏楽のインスペクターも務めた吉永さんですが、進路を悩んだ末、就職への道を選びました。在学中にレッスンや授業で身につけた問題を解決する力が、さまざまなホテル運営の仕事に生かされ、この道を選んでよかったと実感しているそうです。

 

第13回 吉永友理恵さん(音楽教育)

【卒業後の進路】

(株)星野リゾート・マネジメントに就職

【出身高校】

国府台女子学院高等部卒業

 

― 卒業後の進路をまず教えてください。

 

一般就職して、ホテル業界で接客のお仕事をしています。元は教員志望でしたが、3年生も終わりに差し掛かった頃、あらためて自分は将来何をしたいのかと考えたんです。教員採用試験を受けるか就職活動をするか悩んだ末、一般就職の道を選びました。就活は大変でしたが、今はこの道を選んでよかったと感じています。

 

― 選んだ道に満足されているとのこと。今のお仕事の内容を教えてください。

 

私の働いている(株)星野リゾート・マネジメントでは、マルチタスク制を取っているため、ホテル運営に関するさまざまな業務に携わることができます。一見、音楽と今の仕事内容に関連性がないようにも見えますが、「向き合い方」において共通する点が多いと感じています。
大学では、日々の授業やレッスン、練習で試行錯誤しながら演奏をよりよいものにしていくことの連続でした。そこで問題解決のプロセスのようなものを自然と学ぶことができました。仕事で何かつまずいた時、どのように対処すればよいのか、身につけたノウハウが生かされていると実感しています。

 

 

― ホテルでのロビーコンサートにおける新しい試みも考えているとか(秘)。これからいろいろと楽しみですね。大学生活を振りかえってみていただきましょう。吉永さんはどうして東京音大への進学を決めたんですか?

 

もともと教員志望で、教育学部を含めて音楽教育について専門的に学べる大学を探していました。音楽大学の中の音楽教育専攻として、実技をかなり専門的に学ぶことができること、そして教職課程でオーケストラと吹奏楽の実技の授業を受けられることが大変魅力的で進学を決めました。入学してから、人にも機会にも恵まれて、4年間すばらしい環境で学べたことに感謝でいっぱいです。

 

― 4年間特に印象に残っているのは?

 

大学生活の中で特に印象に残っているのは、教職課程管弦楽でのインスペクターを務めたことです。夏の強化合宿や芸術祭、定期・修了演奏会の準備から当日の運営まで基本的に学生主体で進めています。インスペクターは各役員の仕事内容や学生の動きをすべて把握する必要があります。なかなか大変でしたが、授業において、運営する立場から深く関わることができたのはこれ以上ない幸運だったと思います。

 

― インスペクターは大勢の学生をまとめる大役で、自らの成長を感じる学生が多いと聞いています。ところで在学中に何か苦労したことは?

 

実は3年生頃まで、「自分はここにいてもいいのだろうか」というようなことをずっと思っていました。ハイレベルな同期たちに囲まれ、自分の実力のなさをまざまざと思い知らされて、「私もあの子みたいにならなくては」と焦ったりしました。しかし、友人たちとさまざまな考えを話したり、レッスンをとおして自分の演奏の強みを先生から教えていただいたりしているうちに、次第に「私には私にしかできない演奏があるのだから周りは気にせず自分の音楽を突き詰めればいい」と思うことができるようになりました。

 

― 先生からも何かアドヴァイスをいただきましたか?

 

私はお世辞にも優秀な生徒とは言えなかったと思います。それでも、先生方は常に全力で向き合ってくださりました。もちろん厳しいお言葉をいただいたこともありますが、レッスンで教えていただいたこと一つひとつがかけがえのないものです。なかでも、最後のレッスンで「これからの経験も全部音に生きてくる」とかけてくださった言葉は、社会に出る自分を送り出しながら、帰る場所として音楽があると感じさせられ、胸が熱くなったのを覚えています。

 

― こちらまで胸が熱くなりました。受講してよかった授業はほかにもありますか?

 

3、4年次で履修した「合唱」です。合唱の授業では、年に何回かプロのオーケストラと共演できるチャンスがあって、私も年末の第九をはじめ何度か本番に乗せていただきました。マエストロが語ってくださった音楽についての話がいつも大変興味深く、新たな発見の連続でした。本番でのフィナーレを迎えた時の高揚感、全身で感じた音楽を奏でられるよろこびと、舞台から見た景色は一生忘れられません。

 

― 感動が伝わってきます。東京音大の一番の魅力はなんだと思いますか?

 

音楽に集中できる環境が整えられているというのはもちろんですが、東京音大の何よりの魅力は「人」だと思います。
学生みんなの何ごとにも全力で、努力を惜しまない姿に大変刺激をもらいました。実技試験前などに友人とプチ試演会のようなものを何度も開き、実力あるなしに関係なくアドヴァイスをし合うなど、みんなで高め合っていく校風です。大学で出会った友人たちは一生大切にしていきたい、そう思える本当にすてきな人たちです。

 

 

― この大学には気持ちのいい学生が本当に多いですよね。最後に後輩の皆さんにメッセージをお願いします。

 

大学での4年間は本当にあっという間です。日々の練習やレッスン、授業にしっかり取り組むというのは大前提ですが、興味のあることには学内外や音楽に関係あるなしに関わらず積極的にチャレンジしていってほしいと思っています。さまざまな経験はいずれ演奏に生きてくると思うし、思わぬことが自分に大きな影響を与えてくれたりもします。
今、新型コロナウイルスで困難な状況ですが、このような状況だからこそ、「あれがやりたい、これをやってみたい」ということを明確にできるのではないでしょうか。状況が好転した時に、そのエネルギーを最大限に発揮して東京音大を盛り上げていってください!
それから、私は就活をはじめるのが周りと比べ遅かったため、ほとんど自力で就活してしまいましたが、大学には就活講座や、企業説明会も多数開催されているので、就活を考えている学生の皆さんにはぜひ活用してほしいと思いました。

 

― 秋風を忘れさせる熱いメッセージをありがとうございます。東京音大愛が止まりませんね。

 

社会人になった今、これから大学生活を送ることのできる1年生の皆さんのことが喉から手が出るほど羨ましいです(笑)。私にとって東京音大で過ごした4年間は、苦しかったことや辛かったこと含めてすべてかけがえのない思い出。皆さんのこれからの大学生活もすてきなものとなりますように心から願っています。

 

 

― 広報課も応援しています。貴重な話をありがとうございました。

 
(広報課)