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【コンクール受賞者インタビューシリーズ】第21回 渡邊紗蘭さん

渡邊 紗蘭さん 

(付属高等学校3年)

 

第91回日本音楽コンクール バイオリン部門 第1位
増沢賞・レウカディア賞・鷲見賞・黒柳賞・一般財団法人ITOHバイオリン貸与

 

▮ 渡邊紗蘭さんより受賞の声

 

– 受賞した心境
 
実感がなくて、ビックリでした。2年前も受けたんですが、その時は1次予選でダメで、その経験があったので、今回はここ(本選会)まで来れたんだなあと。結果は少し気になりましたが、1位を取ろうと思いながら弾くのは違うなと予選の時から思って弾いていました。自分が今できる演奏をしたらそこに結果が付いてくると信じて、本選会では最後まで弾ききるのが目標でした。広上淳一先生にも「気にせず自分の音楽をすることが大切」とお言葉をいただいたので、とにかく自分の演奏をするという気持ちを大切にしました。
 

– 将来に向けての夢、目標、挑戦してみたいこと
 
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団に憧れていて、そこに入ることをずっと目指しています。115周年特別演奏会の第九にものらせていただいたのですが、オーケストラがとても好きで。それでいうと、今回の本選会はオーケストラと弾けるのがすごくうれしかったです。もちろんだいぶ緊張したんですが、オーケストラとやるのは本当に楽しみだったので、ちょっとは気持ちを楽にすることができました。3次予選の時の方が体が固まっていたくらい(笑)実際やってみてとても楽しかったです。
来年は大学生になるので、交響曲やオーケストラの曲をたくさんやりたいなと思っています。ソロももちろんですが、オーケストラも、両方できる人になるのが目標です。大学生になったら今までやったことのない曲などいろいろ挑戦できるのかなと楽しみにしています。
 
– 周囲に伝えたいこと
 
私は兵庫県出身なのですが、高校から東京に出させてもらって、高校では先生方がやさしくてとてもよくしてくださって…。こんなにいい環境に送り出してくれた父と母には感謝の気持ちでいっっっぱいです。
小栗まち絵先生、原田幸一郎先生は、コンクール直前は毎日のようにレッスンしてくださるんです。お二方とも私より元気なんじゃないかと思うくらい元気で、どんなことがあっても先生方のレッスンでいつも元気をもらっています。本当にやさしいのですが、ダメな時はダメと、時には厳しく指導してくださるので、本当にいい先生方につくことができたと、感謝の気持ちでいっぱいです。
あとは、広上淳一先生にオーケストラとの合わせをやっていただけたのが本当に大きくて、まさか大先生にやっていただけるなんて思ってもなかったので…。オーケストラにのってくださった方もボランティアだと聞いたので、本当にありがとうございますと感謝の気持ちでいっぱいです。
同級生や先輩、後輩の方たちは本選会に結構聴きに来てくれていて、終わったあとは今までにないくらいのメッセージの数で、まだ返し終わってないくらいなんですが(笑)こんなにメッセージをいただいたことはなかったのでとてもうれしかったです。皆さんに、ありがとうございますと伝えたいです。

 
 
(広報課)
 


 

▮ 指導教員
原田幸一郎特任教授
 
紗蘭ちゃんの本選会でのバルトークはもう誰が聴いても優勝間違いなし!という素晴らしい演奏でした。おめでとう! 
今度は国際コンクールを目指して頑張って行きましょう。

▮ 指導教員
小栗まち絵特任教授
 
紗蘭ちゃん、
第91回日本音楽コンクール、バイオリン部門第1位受賞、おめでとう!
東京オペラシティホールでの高関健指揮、東京シティフィルとのバルトーク第2番コンチェルト、その圧巻の演奏に感激、涙しました。
この難曲との見事な挑戦には、本選前の広上淳一先生指揮、指揮科特別オーケストラとのリハーサルが大きな助けとなりました。広上先生、関係者の皆様本当にありがとうございました。
紗蘭ちゃん、これからが新たなスタートですね。貴女の天性の音楽性、明晰な頭脳、集中力、音楽への情熱を大切に、いろいろな経験をし、より深い勉強と練習を重ねて、音楽家として大きく羽ばたいてください。期待し応援しています。

▮ 東京音楽大学付属高等学校 校長
小森輝彦教授
 
渡邊紗蘭さんのこの度の快挙、心から嬉しく思います。先月の校長面接でも、未来の夢を生き生きと話してくれましたが、何度も触れている渡邊さんの演奏から、すでに彼女の夢とそこへ迸り出る情熱は何度も体験していました。今回はその渡邊さん持ち前のエネルギーに努力と情熱を添えて、オペラシティコンサートホールの聴衆と審査員の皆さんを魅了したのだと思います。
校長に就任したと同時に新入生として入学した渡邊さんと僕は「同級生」、そして演奏家、アスリートの仲間として刺激をこれからも頂きたいと思っています。世界に向けて羽ばたいて下さい!

▮ 指揮合同レッスンにてオーケストラとの合奏を指導
広上淳一教授
 
大変な快挙で、私もとても嬉しい限り!
彼女は、持って生まれたギフトは言うに及ばずですが、それ以外の事、礼儀、思い遣り、バイアスに対しての無意味さを無意識の中に感じる力を、兼ね備えています。その証拠が第九の演奏会でオーケストラのメンバーとして、皆さんと普通に、普通に、普通に、!演奏していたからです。
私達大人はバイアスの塊です!反省しましょう…
これからますます、世界に羽ばたく事でしょう。どうぞどうぞ、伸び伸びと、つまらない大人の愚行は真似ずに進化してください。
予想通りとはいえ、本当におめでとう