藤田医科大学病院小児病棟にて、東京音楽大学の教員と学生、藤田医科大学看護学科の学生による音遊びイベント「みんなのミュージックボックス」が開催されました。
本学と藤田医科大学は昨年4月に、社会貢献や教育研究などにおいて協力を推進するための包括連携協定を締結し、音楽と医学という異なるふたつの分野での社会貢献をめざすイベントを企画・実施してきました。今回はその活動の一環として、初の藤田医科大学での音楽療法イベントの実施となりました。
今回のイベントはノルウェー政府認定音楽療法士として活動する東京音楽大学の井上勢津講師の指導の下、東京音楽大学音楽文化教育専攻の学生と藤田医科大学看護学科の学生、入院中の患児と保護者約25名が音遊びを楽しみました。
イベントでは、最初に井上講師が、ピアノで「こんにちは」という曲にのせて患児一人ひとりの名前を呼びながら挨拶しました。次に、太鼓やマラカスなど約20種類の楽器の中から患児が使いたい楽器を自分で選び、その場にいる全員で音を鳴らしながらオーケストラのように一緒に音楽を創る体験をしました。最初は恥ずかしがっていた子供たちも、次第に一緒に音を鳴らす楽しさに惹かれたのか、時間が経つにつれ積極的に音を鳴らす姿や、最後には笑顔が見られました。子供たちだけではなく、付き添いの保護者やその場に居合わせた医療スタッフも音楽をともに楽しむ様子が印象的でした。
イベント終了後に、両大学の学生は「はじめのうちは泣いていた子が最後には笑顔になって帰っていったのが印象的だった」「自分自身とても楽しかった」「1回目に参加した子が外からまた参加したそうに2回目の様子を覗いてくれたことが嬉しかった」と笑顔で語りました。また、藤田医科大学の岩田充永教授は「職員にも今までに無い発想だったので、今回のようなイベントを実施することにはとても意義を感じる」と振り返り、井上講師が音楽療法士の声かけとして気を付けていることとして、「上手という言葉を使わず、良い音がしたね、という言い方をすることで音楽を楽しんでもらえるようになる」と学生に語りかけました。
今回のイベントを開催し、本学と藤田医科大学の協定の目的である社会貢献や教育研究の推進という目的を果たすのに効果的な取り組みになると感じました。今後もこのような双方の学生と地域を対象としたイベントを実施していくことが意義のある活動になると期待します。
(総務広報課)