2025.11.13
器楽専攻(フルート) 2016年大学卒業
第94回日本音楽コンクール フルート部門第4位
卒業から約10年が経ち、このたびのコンクールでようやく少しは母校に貢献できたのではないかと感じています。
というのも、在学中の私は決して優秀な生徒ではなく、特別なことができたわけでもありませんでした。おそらく、先生方の記憶にもほとんど残っていない生徒だと思います。
今回のコンクールの結果は、正直なところ自分が望んでいた順位ではありません。
それでも、やっと本選に残ることができました。
若いうちに数々のコンクールで賞を取り、将来へとつなげていく──それは多くの人の理想だと思います。
しかし、それを実現できる人はごくわずかで、私を含め大抵の人には難しいものです。
私の場合も、この日本音楽コンクールに関しては31歳にしてようやくといったところです。
今、コンクールや学内の試験などでなかなか結果を出せずにいる人が大半だと思います。
でも、どうか焦らないでください。
学内の成績は、卒業してしまえばほとんど意味がなく、覚えている人もいません。
そして、コンクールで結果を残せなくても、音楽で生きていける人はたくさんいます。
むしろ、そういった人のほうが多いくらいです。
私が大学1年生の時、恩師の工藤重典先生が「情熱を持ち続けた者勝ち」とおっしゃっていました。
今になって、その言葉の意味を深く実感するとともに、その難しさも感じています。
だからこそ、私たち凡人は、真っ直ぐに努力を続けることこそが最優先事項なのだと思います。
私と同じように“天才ではない”方々を、心から応援しています。
最後になりましたが、今回の本選に向けて温かいご支援をくださった東京音楽大学の先生方、そして事務局の皆さまに、心より感謝申し上げます。
またいつか、何らかの形で母校に関わり、少しでも恩返しができればうれしく思います。
(総務広報課)