2020.06.16
今年3月に卒業した小南満佑子さんは、現在放映中のNHK連続テレビ小説「エール」に、主人公のライバル役として出演中。華麗に登場するや、その歌唱力と存在感で話題を呼んでいる。在学中は「レ・ミゼラブル」のコゼット役を昼夜2回公演で熱演したり、仕事と学業の両立に勤しんだ小南さんに、多忙を極めた東京音大での日々を熱く振り返ってもらいました。
― 大学生活の中で一番がんばったことはなんですか?
単位取得です。決して膨大な単位数ではないと思いますが、私は学業と仕事を並行しながら活動していたので、朝1限の授業を受けた後、昼からの舞台稽古や仕事に行ったり、実技試験を受けてから劇場に直行し、昼夜2回公演を行ったりしていました。
なかなかハードな生活ではありましたが、理解ある先生方にたくさん応援していただき、同期生たちにもいっぱい支えてもらえたので、すごく充実した大学生活でした!
― 単位取得!特に大変だった授業はなんですか?
語学と音楽分析です。
語学は、オペラアリアに生かせるよう、フランス語とイタリア語と英語の修得に勤しみました。
音楽分析の授業では、ピアノ曲や交響曲を中心に、1小節ごとにその音が成す意味、音形やメロディの分析、作曲された時代背景、作曲家の意図など、細かく紐解いていくことに大変苦労しましたが、音楽の奥深さを研究したことで、私自身がパフォーマンスする際の音楽との向き合い方が深化したように思います。
― 人を惹きつける歌唱力の源がわかるような気がします。周りの支えも大きかったんですね?
高校を卒業してすぐに芸能活動をはじめたので、大学に入学した時から学業と仕事が両立できるよう、先生方が常に配慮して、サポートをしてくださりました。そのおかげで在学中も卒業後も継続してお仕事をさせていただいています。感謝の気持ちでいっぱいです。
― 小南さん自身の努力も並大抵ではなかったと思います。ところで、兵庫県の音楽科の高校を卒業して、どうして東京音大に進学しようと思ったのですか?
高校生の時に受けたコンクールで、審査員の一人だった声楽教授の菅有実子先生との出会いが一番の理由です。本選後に各審査員の先生方からコメントをいただくのですが、菅先生からいただいた言葉やアドヴァイスから、自分とすごく感性が合う先生だなと感じました。菅先生からぜひ直接ご指導いただきたい、その思いで東京音大への進学を決めました。
― ビビビッときたんでしょうか。菅先生に言われて心に響いた言葉はありますか?
「まゆこさんらしくやりたい音楽をすればいいよ」 と言っていただいたことがあります。どんな曲を学ぶべきか、好まれるのか…高校3年で進路を悩んだ時に、先生から言われました。この一言で心がすごく楽になり、心から音楽を楽しむ気持ちがぐーんと増していきました。
― 心の師ですね。東京音大の魅力はなんだと思いますか?
クラシック音楽だけではなく、ミュージック・リベラルアーツ専攻や吹奏楽アカデミー専攻、映画・放送音楽コースなどさまざまなジャンルの学科専攻があって多様性に満ちた授業が選択できることと、バラエティ豊かな学生がいることで、大変よい刺激を受けられます。
加えて、新しく中目黒・代官山キャンパスができたことで、さらに音楽をのびのびと学べる環境になったと思います。
常に新鮮な風が吹いているような、とてもすばらしい学校です。
― ワクワクしますね。新1年生の皆さんへメッセージをお願いします!
大学は学ぶ場であることはもちろん、人と人とのご縁を広げる場だと思っています。 専攻の先生方をはじめ、大学4年間で出会うあらゆるジャンルの先生方や同期生、先輩後輩…。卒業後どんな人生を歩もうと、大学で出会った人たちとのご縁は必ずその後の人生にプラスとなると思います。ぜひいろんな方と知り合って、ご自身の音楽の道を華やかに楽しんでください!
― 熱いエールをありがとうございます。最後に何か伝えたいことありますか?
大学時代、先生方や同期生たちには大変お世話になりました。楽しく過ごした母校には感謝の気持ちでいっぱいです。なんらかの形で恩返ししていけるよう、東京音大とのご縁を大切に、これからも表現者として精進して参ります。
― 母校愛あふれるメッセージをありがとうございました。今後一層のご活躍を期待しています。個性豊かな「ザ・東京音大生」、次回はどんな先輩が登場するのか、どうぞお楽しみに。
(広報課)