2021.02.22
東京音楽大学では、約半数の卒業生が教育職員免許状を取得しています。毎年、教員採用試験(以下、採用試験)を突破して教員になる卒業生も多い。充実の教職課程のプログラムと採用試験に直結する手厚いサポートが入学してから気づく東京音大の“隠れた”魅力のひとつだと主張する学生もいる。実際そうなのだ。今回は、昨年現役で東京都の教員採用試験に合格し、現在東京都の公立小学校で新米音楽教諭として教壇に立つ塩川優紀さんに話を聞きました。
― 今どんな仕事を担当されていますか?
私は現在都内の公立小学校で音楽専科の教員として働いています。2年生から6年生までの音楽科の授業と音楽関係の行事全般、そして校務分掌の仕事をいくつか担当しています。
― 忙しそうですね。
はい、忙しいです。
― いつから教員になりたいと思うように?
高校から音楽科に進学し、大学に入る前から将来は音楽系の仕事につきたいと思い描いていました。加えて教えることが好きなので、私に一番向いている職業は教員かなと考えていました。
― 実際、勉強をはじめたのは?
大学2年の時から少しずつ勉強をはじめました。実際勉強をはじめてみると、教員になることは決して簡単なことではないというのがわかって。こうして今私が教員になれたのは、大学の先生方の手厚いサポートがあってこそだと心から感謝しています。
― 具体的にどんなことを学びましたか?
教職課程では授業の組み立て方や指導案の書き方などを学びました。大学で学んだことが実際教員になってから、日々の授業の中で活用できることがたくさんあると実感しています。
採用試験対策として、筆記試験、面接試験、実技試験すべてにおいて大学の指導を受けました。筆記試験では過去の問題集や出題傾向に関しての分析を行い、面接試験では、先輩をはじめ外部の講師の方にも模擬面接をしていただきました。
― 先生からどんな励ましの言葉をかけられましたか?
教職課程の授業時に、「ここにいる人たちは仲間でもあるけど、ライバルでもあるんだよ」ということを言われました。それまで私は、東京音大の同期たちは一緒に教員採用試験の勉強をがんばる仲間としか思っていなく、ライバルだという意識はありませんでした。しかし、実際に採用試験を受けるとこの言葉の意味がわかり、甘い世界ではないことを実感させられました。
― 気持ちが引き締まる重みのある言葉ですね。試験勉強と並行して専攻の方は?
3年生から4年生にかけて採用試験の勉強が本格化してから時間がなくて、実技の練習をしたいけれど勉強にあててしまうこともありました。しかし、採用試験があるからといって実技を疎かにはしたくなかったので、実技レッスンには特に力を入れました。
― レッスン以外にがんばった授業は?
「初見法」の授業です。教員として働きはじめてから日々忙しくて、ピアノを練習する時間がほぼありませんでした。大学在学中に「初見法」で培った力は今仕事をする上でも生かされていると感じます。
― しっかり学んだことが教える側になった時に生きてくるんですね。大学生活で特に印象に残っていることはなんですか?
3年生の時に同じ学年の門下生と取り組んだピアノコンチェルト演奏会が一番印象に残っています。それまで演奏する側として参加してきた演奏会を立案から取り組んだことで、企画から演奏会を開催するということがどれだけ大変かを学びました。演奏の方も、15分を超える大曲にはじめてチャレンジしたのですが、先生と仲間に支えられて最後まで弾き切れたことが今でも忘れられない思い出です。
― とても充実した大学生活でしたね。ところで東京音大に進学した理由は?
東京音大に進学を決めた理由は、高校時代からお世話になっていた先生に引き続き大学でもご指導していただきたかったのと、夏期受験講習会や冬期受験講習会に何回か参加して、学校の雰囲気や設備が整っていることに魅力を感じたからです。
― 実際に4年間を過ごして、東京音大の魅力はどこだと思いますか?
はい、設備が整っていることと先生方が親身になってレッスンや授業をしてくださるところです。練習室の数が多く、隙間時間にも練習ができたのでとても助かりました。また、先生方も相談すればすぐに対応してくださるので、勉強面、演奏面ともに充実した大学生活を送ることができました。
― 一所懸命がんばって成長した4年間でしたね。最後に後輩たちにメッセージをお願いします。
大学4年間は、毎日があっという間に過ぎていきます。友だちと遊ぶことも大事なことのひとつだと思います。いい仲間と出会い、東京音大での生活を楽しんでください!
― よく学び、よく遊べですね。忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。これからもがんばってください。応援しています。
(広報課)