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【在学生インタビューシリーズ】第17回 景晨陽さんを掲載しました

景晨陽さん

(器楽専攻ハープ4年 南京芸術学院附属中等芸術学校を経て、東京音楽大学付属高等学校卒業)

  

2020年度東京音楽大学卒業式。在校生を代表して送辞という大役を務めたのは、器楽専攻ハープの景晨陽さんでした。高校2年生の時に来日。日本語で自己紹介もできなかったそうですが、猛勉強。受験講習会で篠﨑史子先生と出会い、一生ついていきたいと思ったそうです。

 
- 音楽、そしてハープをはじめたきっかけを教えてください。
 

記憶にないのですが、3歳の時に熱湯をかぶって顔から上半身まで火傷をしたんです。すごく痛くて泣きわめいていたのですが、音楽を聴かせたら静かになったそうです。このことに興味をもった母が小学校の時からピアノを習わせてくれるように。
ピアノのグレード審査試験にハープの先生がいらして、当時の中国ではまだ普及していなかったハープの写真を見せてくれました。とてもきれいな楽器だったのでよく覚えていて、あとで調べたら音もすごくきれいだとわかって、習いはじめました。

 

- ハープに惹かれたんですね?
 

はい。ハープは音色が美しいばかりでなく、弾く人によって音色や音量が変わる、個性が際立ちやすい楽器なんです。ペダルの操作によって、ひとつの弦から3つの異なる音を出すことができ、異名同音の原理で美しい響きの和音、グリッサンドなどもできます。ソロはもちろん、伴奏や室内楽など、いろんな楽器とのアンサンブルが楽しめます。
 

- いろんなハーモニーが楽しめるんですね。ところで景さんが日本に来たのは高校生の時だったそうですね。
 

はい、高校2年生の時に東京音楽大学付属高等学校に編入しました。中国語は漢字の国なので、書けば言いたいことはだいたい通じていました。しかし会話となるとまったく。日本に来た当初は自己紹介もできないレベルでした。勉強に支障が出ないよう、一日も早く日本語を修得したいと思いました。昔から日本のドラマが好きだったので、ドラマを字幕付きでたくさん見るようにしたり、日本語が話せる母からも教えてもらったりして日本語の勉強に励みました。付属高校では、わからないところがあれば、先生方がいつも丁寧に説明してくださりました。同期生もとても仲よくしてくれて、思うよりも早く日本に慣れました。

 

- 東京音大への進学の決め手となったのは?
 

中学3年生の時に夏期受験講習会に参加して、はじめて篠﨑史子先生のレッスンを受けました。はじめて会う私に、一所懸命教えてくださった先生の親切さ、音楽に対する熱意に心から感動しました。この時、この先生に一生ついていきたいと思いました。学校の雰囲気もすごく好きになりました。
受験講習会では、ソルフェージュや音楽理論などの授業を受講したのですが、「こんなに知識をいっぱい得て帰れるなんて、この学校に入学したらきっともっといろんなことが学べるに違いない!」と。帰り道でそんなことを考えるだけでワクワクしていました(笑)

 

- いい出会いでしたね。

 

はい。篠﨑先生は私の憧れであり、心から尊敬するハーピストです。先生の音楽はもちろんのこと、人柄も本当にすばらしくて大好き。生徒のことを自分の子どものように思い、何十年先のことまで考えて、それも音楽だけでなく、私たちが遠回りしないようにいろいろなアドヴァイスをしてくださるんです。
 

- 人生の師ですね。苦労したことは何かありますか?
 

日本語です。「西洋音楽史」の授業では、先生はパワーポイントを使わず板書もあまり書かれなかったので、先生がおっしゃったことをすべて聞き取れず、録音して勉強しました。 
 

- 人一倍努力しているんですね。役に立った授業はなんですか?
 

私が履修した授業はすべて役に立っています!特に「西洋音楽史」、「管弦楽曲史」、「弦室内楽」、それと「オーケストラ」。オーケストラの練習中に楽譜に書き込んだことを見ると、「この作曲家は人生にいろいろあってこの曲を書いたんだ」と、授業で先生が教えてくださったことと共に、先生の姿までもが目に浮かんできます。

 

- それだけ印象深い授業内容なんですね。先生の言葉で一番印象に残っているものは?
 

先生に言われた言葉のどれもが私にとって宝物。特に「自分がもっている感性を大切に」、「音楽を勉強しているなら、音を鳴らすだけでなく、音楽的に表現をしなさい」、「聴いているお客さまの気持ちを考えながら演奏する」は、胸に刻んでいます。

 
- 景さんにとって音楽はどんな存在ですか?
 

音楽は私の親友であり、疑いもなく一番大事なものです。
幸せを感じさせてくれて、辛い時は励ましてくれる。音楽はいつも終わりのない物語のように、読めば読むほど新しい発見を与えてくれます。

 
- 景さんの目標を教えてください。
 

私の演奏を聴いた人が少しでも心が温まる、幸せを感じてくれるようにがんばりたいです。

 
- いいですね。ところで東京音大の魅力はなんだと思いますか?
 

すばらしい先生方がたくさんいらっしゃることに加えて、音楽を勉強するためのさまざまなイベントや演奏会が定期的に行われていることです。ソルフェージュの授業では弦楽器の先生方をお呼びしてカルテットを聴かせてくださりました。耳の使い方、ハーモニーの作り方などたくさん教えていただきました。
毎年晩秋に行われるオーケストラ定期演奏会に向けてメンバー全員が参加する夏期強化合宿も魅力です。癒しの森をみんなで一緒に散歩して心が洗われる体験をしたり、学校で接点をもつ機会のなかった同期や先輩たちと仲よくなることができます。このように、ひとつの音楽を一緒に作りあげていくためにお互い仲よくなれるプログラムを学校側がたくさん用意してくれています。

 
-切磋琢磨できる仲間との出会いは何にも代えがたい人生の恵みですよね。最後に後輩たちへメッセージをお願いします。

 

大学の4年間は、多くの人にとって人生で最後の学生時代だと思います。学生だからこそ、先生からのさまざまなご意見やアドヴァイスをいただくことができます。今しかできないことです。同期や先輩、後輩との関係を大切に、悔いのないよう練習も勉強もたくさんして学生生活を楽しんでください!

 
 
(広報課)