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【卒業生インタビューシリーズ~TCMの先輩たちの今】第6回 青木敦子さん

青木 敦子さん

弁護士

音楽教育専攻2004年卒業 加藤学園高等学校卒業

  

本学の卒業生は、さまざまな個性をもち、音楽で学んだことを生かしながら社会の幅広い分野で活躍しています。前回、中西雅子弁護士をご紹介しましたが、今回は、動物を守るために弁護士になった青木敦子さんにお話を聞きました。

 
- 今のお仕事を教えてください。
 

あきくさ法律事務所で弁護士をしております。一般民事と家事事件に加え、最近特に注力しているのは、ペット案件です。ペット案件とは、虐待されたペットの刑事告発事件や、ペットの所有権に関するトラブル、またはペットに財産を残したいという方のための遺言関係などです。
また、動物と人間がともに無理なく共生できる立法提言につなげられるよう、現在海外の動物愛護に関する法律を調査し、講演を通じて法制度を紹介する活動も行っています。
 

▲ 2019年2月24日第12回TSUBASAフォーラムで動物虐待と法律についての講演会の様子
 

- 音楽から法曹へ進んだきっかけを教えてください。
 

子どもの頃から動物が好きで、特にペットショップにいる動物たちの行く末が気になっていました。動物のためになることがしたいと思い続けていたのですが、これと言った具体的な結論が出ずに長い間迷っていました。
東京音大を卒業して、ピアノ教師とBGM演奏のアルバイトをしていたのですが、インコについての本を読んでいたところ、海外から輸入するインコの輸送環境が過酷なため、日本に着くころには大半の鳥が命を落としていること、ペットショップでの展示状況が劣悪なケースがあること、飼い主の手に余る種類だと再びペットショップに戻されることが書かれていて、大変ショックを受けました。
ちょうどその時期に、法科大学院制度が発足したことを知りました。他学部出身者でも弁護士を目指せる時代。「動物を守るための法律を作りたい!」動物のための弁護士を目指そうと、思い切って法科大学院に入学しました。

 
- 東京音大での日々を振り返っていただきましょう。
 

東京音大での学びは、どの授業も無駄なものではありませんでした。特に、作曲と合唱、日本音楽の授業は印象的です。なかでも、作曲の授業では、それまで遠いところにあった作曲を、まずは作ってみることからはじめられたのが、自分にとって大きな一歩を踏み出す機会になり、新しい分野に挑戦する勇気をもらいました。
音楽を学ぶ際に、自分に足りない部分を虚心坦懐に見つめ、先人のアドヴァイスを素直に実践するという部分は、司法試験の勉強においても大変役に立ったと思います。
 

- ほかにも何か思い出ありますか?
 

楽譜や音楽に関する書籍を読むことが好きだったので、大学の図書館に通い詰めていましたね。楽譜を除き、蔵書のほとんどは読んでいたかと思います。
また、第二外国語がフランス語だったのですが、当時の先生の教え方が大変わかりやすかったことに加え、ラヴェルやドビュッシーが好きなこともあり、在学中にフランス語検定3級を取得することができました。

 

- おフランスですか!東京音大に進学した理由はなんですか?

 

ビル・エヴァンスやラヴェルが大好きだったので、音楽の専門的な教育を受けたいと考えていました。東京音大は、教育のレベルが高い上、周囲も演奏レベルの高い学生が多く、きっといい刺激になると思い、進学しました。
東京音大は、文化の拠点である東京中心部に立地しているため、コンサートホールへのアクセスがよく、また書籍や楽譜も充実した環境であることも大変なメリットと考えました。

 

- 青木さんから見て、東京音大の魅力はなんだと思いますか?
 

お伝えしたとおり、優秀な先生方と充実したカリキュラム、文化の中心地という立地のよさ。さらに、学生の音楽レベルが大変高いことも大きな魅力だと思います。

 
- 最後に後輩たちへメッセージをお願いします。
 

まずは、音楽大学でしか受けられない授業が多々あるので、専攻の実技に支障が出ない限り出た方がいいです。
次に、パソコンでメールやワード、エクセルを使うといった基本的なPCスキルは、働くにあたり必須です。これは、演奏家一本で稼働する場合でも、講師や会社員となりつつ副業として演奏家になる場合でも同じです。基本的なPCスキルがあると、選べる職種がぐんと広がり、音楽活動の時間を確保することができますよ!

 

- お忙しいなか、貴重なお話をありがとうございました。動物と人間がお互い幸せに共生できる社会を楽しみにしています。
現在、法曹で活躍している本学卒業生たち。【卒業生インタビュー~法曹編】も併せてご覧ください。

 

(広報課)