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東京音楽大学学内「第九」演奏会のレポート

学生の歌声と演奏が100周年記念ホールに響き渡った
東京音楽大学学内「第九」演奏会 
2021年11月23日
 
指揮:広上淳一教授
演奏:東京音楽大学シンフォニーオーケストラ(Aオーケストラ)/東京音楽大学合唱団
ソプラノ:井上知里(院2)/メゾソプラノ:森河和音(大2)/テノール:岡山亘(大3)/バリトン:水島正樹(院2)

 
東京音楽大学の在学生だけで構成されたオーケストラと合唱団による「第九」演奏会が、11月23日午後、池袋キャンパス100周年ホールで開催された。入場制限が緩和され客席数が大幅に増えるも、用意した座席は早くに満員御礼になるほど多くの関心が寄せられた演奏会となった。たくさんの観客をお迎えし、広上淳一教授指揮のもと、Aオーケストラが一心不乱に演奏を続け、第4楽章から、在学生から選抜されたソリストと東京音楽大学合唱団の歌声が加わっていよいよクライマックスへ。新型コロナウイルス感染予防のため、マスクをつけての合唱となったが、マスク越しでも学生の熱気がステージ上に充満していたことがわかった。コロナ禍に決して負けることのない音大生による「歓喜の歌」に、会場から長い間、惜しみない拍手が贈られた。
「やればできる!!温故知新!これからの時代は、若い君たちが切り拓いてくれ!」演奏会終了後、広上マエストロも満足げに学生たちに激励を送った。
 


 
- 出演者の声
 
■ バリトン:水島正樹さん(大学院修士課程オペラ研究領域2年)
第九といえば、これを聴いて(歌って)やっと年を越せる「年末行事」のようなもので、これまで多くのオーケストラのエキストラとして歌ってきました。ソリストとして歌ったのは、今回がはじめてで、学生によるオーケストラもはじめてです。広上先生からのアドヴァイスの一言一言に奮い立たされ、情熱的な演奏会になることを予感していました。あの空間のなかでみんなで一体になって歌ったことがうれしかったです。非常にアグレッシブなコンサートでした。(水島さんの単独インタビューは後日掲載します。どうぞお楽しみに)
 
■ コンサートミストレス:堀内日南子さん(ヴァイオリン2年)
ベートーヴェンが大好きで、まさかこの大曲を大学2年で弾けるとは思わなかったです。しかも学生だけの演奏会という貴重な経験ができ、興奮する本番でした。「一人ひとり縮こまらずに堂々と演奏するように」という広上先生のすばらしい指揮に応えようと、必死に練習しました。本番では、堂々と演奏する先輩たちから出ているアドレナリンのおかげで、それまでに感じていた不安も吹き飛び、楽しく演奏することができました。幸せでした。
 
■ 合唱:志岐竜哉さん(ピアノ4年)
ずっと憧れていた曲「第九」をはじめて舞台で歌ったことが喜びです。中間部分で難しく歌い切れなかったところもありましたが、周りのみんなの呼吸が聞こえてきたので、苦労することなく自然に入ることができました。広上先生の指揮する第九は、音楽が純粋に生きていてすごいと思いました。魂を注いで歌った感想をひと言でいうと、爽快感です。
 

 
- 合唱指導教員より
 
■ 石坂宏講師 
皆さん日ごろひとり一人楽器を演奏したり、歌を習ったりするのですが、このように集まってアンサンブルをする経験は非常に大事だと思います。大学のうちにみんなで音をつくるという経験をして、音楽家として育っていってほしいと思います。
 
■ 浅井隆仁講師
学生のオーケストラと学生の合唱と、学校で演奏会をやったのは今回がはじめてですね。いつもなら、日フィルなど外部団体と一緒に、私たちや助演や研究員の先生たちが補強で入るのですが、今回は学生だけの声を聴かせていただいて、非常に感動しました。
 
■ 藤巻正充講師
プロとアマチュアの違いについて、「プロはどれだけこだわりをもてるかにかかっている」、という話を先日聞きました。ここからさらに年末の第九に向けて、いろんな授業等で、ぜひこだわりをもって、今ここで終わりではなく、ここからもう一歩先へ行けるようにしていただきたいと思います。私たち教員もがんばりますので、ぜひついて来てください。
 
- 観客席より
 
■ 千葉県から聴きに来た小学生(吹奏楽部)
精神力がすごいなと思いました。自分は座っているだけなのに疲れて大変だったのに、皆さん途切れずに演奏を続けられて、すごいと思った。打楽器の人はずっと立って演奏していてかっこよかった!あと、独唱の4人は、先生かと思ったら学生と聞いてびっくりです。
 
■ 森田保江広報課長
今日は皆さんのすばらしい演奏と歌声を聴かせていただいて、すごく感動しました。このホールで東京音楽大学のオーケストラと東京音楽大学合唱団の共演が実現できたのが夢のような気がします。卒業した後にも今日のように歌と器楽の皆さんが同じ舞台で一緒に演奏することがあると思います。東京音大生同士、仲よく励まし合いながらがんばってください。
 


 
>>ご案内<<
12月7日からSオケの指揮者、ユベール・スダーン先生がシンフォニーオーケストラ定期演奏会の練習にいらっしゃいます。7日17:50から池袋キャンパスJ館スタジオで、広上先生との対談形式の特別講座を実施します。詳細はチラシをご覧ください。
  
(広報課)