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【卒業生インタビューシリーズ~TCMの先輩たちの今】第10回 小島里佳子さん(MLA専攻)

小島 里佳子さん

ドイツ ケルン音楽大学大学院フルート専攻に留学

ミュージック・リベラルアーツ専攻(以下MLA)2022年卒業 千葉県立佐倉高等学校卒業

  


今年3月にMLAを卒業した小島さんは、現在ドイツ ケルン音楽大学大学院フルート専攻で学ぶ。高校時代に英語と留学に興味をもち、英語と音楽の両方をしっかり修得したいから、MLAに進学。英語の実技レッスンに授業で出されるたくさんの課題。忙しくも充実した日々でメキメキと実力をつけ、さらなる夢の実現に一歩を踏み出した。

 
 
― ケルン音楽大学大学院入学の経緯を教えてください。
 

在学中に行ったイギリス留学を経て、卒業後は留学したいと思うようになりました。東京音大で実技試験や卒業試験に向けてレッスンを受ける一方、プライベートレッスンを受けている先生のサポートのもとで入試準備をしました。その先生のすすめでドイツのケルン音楽大学を受験し、合格することができました。

 

― 試験はすんなりパスできましたか?
 

まずドイツ語の資格が必要でした。私はこれまでに東京音大の入試用にTOEIC、イギリス留学にIELTSを受けましたが、どちらも時間に余裕がなく一発勝負になってしまっていました。その教訓を活かして、今回の大学院受験では、ドイツ語の資格を早めに取得しました。結果、実技試験の日まで普段のペースで練習し、はじめてのドイツ滞在を楽しむリフレッシュもできました。事前にしっかりと調べて準備しておくことが大切ですね。これから資格試験を入試に使いたい皆さんは、早めに資格を取得しておくことをおすすめします。

 

- ところで、4年前に東京音大に入学しようと思った理由はなんですか?
 

一般大学と音楽大学の器楽科のどちらに進むべきかを迷っていたのですが、「TCMジャーナル」を見て目に留まったのが、MLA専攻でした。普通科の高校で学んだ私は、英語や留学に興味をもつようになっていたため、英語と音楽のどちらも学べるこの専攻に惹かれて、受験を決めました。

 

― 高校生の時からやりたいことが明確だったんですね。入学後の様子を教えてください。

 

東京音大では、英語が堪能な先生に師事し、実技レッスンを英語で受けることで音楽用語や表現を自然と身につけられました。また、在籍していたMLAでは、音楽史などの音楽科目や文系理系を問わず幅広い科目を一から英語で学びました。イギリス留学を目指していた私にとって非常に役に立ちました。
2年生から履修するリベラルアーツ科目を学ぶための準備として、1年生の時には英語で講義を受けるための基礎を築く授業が数多くありました。特に「チュートリアルイングリッシュ」では週2回、さまざまなトピックに関して会話をすることで、日常会話に加えて自分の考えや意見を英語で表現することに慣れていきました。

 

― 1年生のうちから英語を徹底的に教え込まれたのですね?

 

そうですね。1年生の間はほとんどの英語科目に課題がありました。なかには、長い動画を視聴して英語でエッセイを書く科目や、予習が必須の科目もありました。実技の練習だけでなく、授業時間外でもやらないといけないことがたくさんあって、すべてをこなすのはとても大変でした。 しかし、文章の書き方や形式の基礎など、授業で学んだことが身につくにつれ、課題に取り組む時間も短縮されていったように感じました。長い文章を書く作業にも慣れていき、留学時に課題のエッセイを書いた際には、実力につながっていることを実感しました。

 

― MLAはどんな雰囲気の専攻ですか?

 

みな仲がよく、賑やかな専攻ですね。私の同期では、ハロウィンやクリスマスにパーティーをしたり、留学前にメッセージの書かれた色紙をプレゼントしてくれるなど、温かい人が多かったです。また、主体性をもって動ける人が多いと感じました。私自身も、行動力や企画力のある友だちからいい刺激をもらいました。

 

― 行動力のある学生が多いですよね!在学中にイギリスにも留学。

 

留学のための複雑な手続きやオーディション準備を、自力で行動を起こして計画的どおりに進められたことは、周りの友だちの行動力から受けたよい影響だと思います。イギリスの大学に入学に必要な英語能力証明テスト(IELTS)をパスし、王立バーミンガム音楽院に留学しました。留学中は、実技レッスンやアンサンブル、オーケストラ、グループレッスンに加えて、授業内でグループワークの機会が多く、友だちと一緒に過ごしたり授業に自発的に参加することで英語力が飛躍的に伸びたように思います。
帰国後も、海外出身の先生のレッスンを受けたり、ドイツでマスタークラスを受講するなど、言語の壁を感じなくなったことで日本語のコミュニティでは出会えなかったさまざまな人と出会うことができて、将来の選択肢が広がりました。

 

― たくさんチャレンジしましたね!

 

東京音大進学、留学、英語とドイツ語の語学試験、ドイツでの受験はどれも私の目標のひとつだったため、挑戦・実現できたことをうれしく思っています。ケルン音大での生活では、より大きなチャレンジが待っていると思います。今までの経験やスキルを活かし、これからも一つひとつのステップを楽しみたいと思います。
フルートを続けるなかで、さらに多くのことを学び、挑戦し続けることが現時点での目標です。その結果が、将来オーケストラなど演奏を続けられる仕事に通じるととてもうれしいなあと思っています。

 

― ぜひ夢を実現させてください!最後に後輩たちへメッセージをお願いします。

 

音楽を学ぶ上で、実技だけを磨くのではなく、語学は大きな助けになると思います。また、自主的に行動を起こすことで、いろいろな人やチャンスに出会う機会が増えます。東京音大をとおして、より広い視野をもち、目標に向けてチャレンジしてみてください!

 

 

(広報課)