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2年ぶりに実施 2022年度夏期バイエルン州立青少年オーケストラ合宿参加者にインタビューしました

「バイエルン青少年オーケストラ合宿・演奏会」は、ドイツ・バイエルン州が主催し、バイエルン放送交響楽団のメンバーが主たる指導者となって行われる演奏旅行をかねた合宿プログラムで、オーケストラ演奏を通じて学生が国際感覚を身につける貴重な機会となっています。
本学とバイエルン青少年オーケストラは2014年より提携し、夏・冬それぞれ2週間の合宿プログラムに毎年学生を派遣しています。

今回、コロナ禍で中止となり2年振りに再開された2022年度の夏期合宿にヴィオラで参加した、高橋百佳さんに感想を聞きました。

 
 

2022年度夏期合宿 演奏旅行プログラム&日程

 

プログラム:
F.リスト/ゆりかごから墓場まで
 (Franz Liszt:„Von der Wiege bis zum Grabe“)
A.ブルックナー/交響曲第6番イ長調
 (Anton Bruckner: 6. Sinfonie in A-Dur (WAB 106)

 

演奏会 日程:
7月31日 アッピアーノ、イタリア
8月 3日 アッピアーノ、イタリア
8月 4日 ブレッサノーネ、イタリア
8月 5日 オーベルストドルフ 、ドイツ
8月 7日 スルツバッハ=ローゼンベルク、ドイツ

 
 

高橋 百佳さん
(器楽専攻弦楽器(ヴァイオリン)2年/東京音楽大学付属高等学校卒業)
 

 
 

―参加のきっかけを教えてください。
単純に海外に行きたかったのと、海外でオーケストラの合宿に参加し、現地の演奏会に出られるのはとてもよい経験になりそうだと考えて応募しました。しかも参加費など大学からの支援が受けられて、ありがたい条件で海外に行けるチャンスは学生時代にしかないなあ、と。

 

―合宿に参加してみていかがでしたか?
とてもよかったです!
初日はものすごく緊張して、楽譜やスコアを読み込んで練習に臨んだのですが、ずっとみんな笑顔で楽しそうにしているのが印象的でした。日本ではみんな真面目に真剣に演奏しますが、私は「音楽」なんだから、もっと楽しく和気あいあいと弾いてもいいんじゃないかと時々思っていたので、とてもすてきだと感じました。堅苦しくなく自然体で…そんな空気感が演奏された音楽にも表れていました。

 


▲ アッピアーノの街。最初の5日ほど、イタリアのアッピアーノの小学校で、朝から夜まで練習をしていました。イタリアの中でもドイツに近いので、街の人たちはイタリア語もドイツ語もどちらも話していました。

 


▲ ズルツバッハ・ローゼンベルク城の中庭での演奏会のリハーサルの様子。本番は中庭にたくさんのお客さまがいらしてくださいました。

 


▲ ブリクセン大聖堂でのコンサートのリハーサルの様子。公演後に街を歩いていたら、街の人たちに「すばらしかったよ!」と声をかけてもらいました。

 
 

―もっと詳しくお話を聞かせてください。
ヴィオラのパート練習は英語でしたが、指揮者の先生はドイツ語だったので、先生の身振り手振りから伝えたいことを感じとるようにしました。ニュアンスが難しいところは隣で弾いている子が英語で通訳してくれたので、言葉のハードルをあまり感じずにすんだのはとても有難かったです。指揮者の先生は常に笑顔、みんなも笑いながらアドバイスなどを聞いていて、とてもいい雰囲気でした。

 

日本では合宿に行くと一日中詰め詰めで練習したりしますが、向こうでは休む時は休む!というメリハリがしっかりありました。練習後の夜も、みんなでワイワイ楽しくごはんを食べてお酒を飲んで、音楽だけじゃない、人生を楽しんでいることを肌で感じられました。ただひたすら練習することだけではなく、演奏の場以外でも人と関わることが音楽につながっていくからなんだと思います。

 

それと、日本では上手な人が前の方のプルトになったり、演奏もぴったりそろえないといけない風潮がある気がしますが、向こうでは曲ごとに年齢や性別も関係なく、プルトがシャッフルされていました。技術的な、演奏の上手い下手はあまり気にされていないようでした。
みんなが純粋に自分たちの音楽を楽しんでいて、音楽ってこんなに楽しんでいいものなんだなと、音楽に対する見方が広がった実感があります。

 


▲ コンサートの後に、ヴィオラのメンバーで撮影しました。みんな親切で、すれ違うと声をかけてくれたり、わからないことがあって質問すると、英語で丁寧に教えてくれたりしました。

 
 

―これから合宿プログラムに参加する方にお伝えしたいことは?
この先の自分の音楽性にもつながっていくと思うので、積極的にいろんな所を見て回って欲しいです。今回は自由時間に、電車で国境を越えて隣国オーストリア、ザルツブルクのモーツァルトの生家に行くことができました。観光地もお城など昔の建物がそのまま残っていて、 何百年も前にここで暮らしていて、ここで音楽が作られたんだ…と感じられる、すてきな場所ばかりでした。ぜひ、楽しんできてください!

 


▲ ホーエンザルツブルク城(上)と、城から見たザルツブルクの街並み(下)。この景色は圧巻でした。いつかもう一度、行ってみたい場所です。

 


▲ モーツァルトの生家。中は美術館のようになっていました。

 
 

(広報課)