ドミトリー・フェイギン教授インタビュー
指導・チェロ:ドミトリーフェイギン
演奏:アンサンブル・エンドレス
2019年10月19日(土)100周年記念ホール
100周年記念ホールにて、29回目となる弦楽アンサンブル演奏会が行われました。この演奏会は、学内の弦楽器専攻の学生より募った参加希望者で結成される「アンサンブル・エンドレス」と、指導教員による演奏会です。弦楽器の教授が年度ごとに交代して指導に当たります。
今年度の指導教員である、ドミトリーフェイギン教授(チェロ)にインタビューを行いました。
■ 選曲について
私はロシア人なので、ロシア人の曲が一番指導しがいがあるのではと思いこのプログラムに決めました。私が若いときのロシアはソ連の時代でした。ペルトはエストニアの作曲家ですが、エストニアは昔ソ連下に置かれていました。現代音楽もあればロシアのロマン派チャイコフスキーもあり、バランス的に良いのではないかと。
アンコール曲『アンダンテ・カンタービレ』は元々弦楽四重奏曲第1番に入っている曲で、チャイコフスキー自身がチェロのソロのために調を変えた曲です。元々はBdurですが、チェロと弦楽アンサンブルのために半音上げてHdurになっています。すごくすてきで綺麗な曲なので選曲しました。
(▲『アンダンテ・カンタービレ』でソロを弾くフェイギン先生)
■ 弦楽アンサンブルエンドレスの指導について
今から15年前に兎束俊之先生のご指導・指揮のもと、奏者として学生と一緒に出演したことがありましたが、指導者という立場で関わるのは今回が初めてでした。最初は緊張しました。指揮をしたのもエンドレスが初めてでしたので。どうやっていこうか色々と考えて、メンバーと一緒に弾くのが一番うまくいくと思ったので、最初はレッスンのように授業をして、秋からはメンバーと一緒に弾いたりもしました。今回は特にダイナミクス、pppからffまでのグラデーションに注意しながら演奏して、とアドヴァイスしました。本番はすごくよかったと思います。
■ 東京音楽大学のよいところは?
東京音楽大学には、すばらしい先生がたくさんいらっしゃいます。また、たとえば私がいたロシアはチェロ奏者用のピアノ椅子がありませんでした(今はあるかもしれませんが)。この大学は、学生のためにすばらしい部屋や楽器など、なんでも用意されています。練習室やレッスン室の音の響きも良く、勉強に集中できる環境がすべて整っていますね。
特にTCMホールに関しては、昨年12月にTCMホールが完成したときの試奏会ではソロで、今年6月には『創立111周年記念演奏会シリーズ』で弦楽アンサンブルを演奏しましたが、響きがとても良いです。室内楽とかソロとか、弦楽器には良いホールですね。100周年記念ホールもすばらしいです。今回の演奏会のように編成が大きい時は、池袋の100周年記念ホールが適していると思います。
■ 最後に学生にアドヴァイスをおねがいします
弦楽器のプレイヤーは将来、オーケストラやアンサンブルをやっていく方が多いと思います。大学の授業でも仕事でも、音色やヴィブラートなどの音の作り方、ダイナミクスなど、今回のエンドレスの授業でアドヴァイスしたことを忘れずに弾いてほしいと思います。
(広報課)
参考ページ