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【コンクール受賞者インタビューシリーズ】第9回 伊舟城歩生さん

伊舟城歩生さん

(ピアノ演奏家コース4年、東京音楽大学付属高等学校卒業)

第17回東京音楽コンクールピアノ部門 第3位

 

「自分の演奏を見つめる客観性と芯の強さをもって音楽を追求したい」

 

幼少よりヤマハ音楽教室で歌やピアノなどを習っていて、小学生の時は作曲に一番重点を置いていました。たまたま小学校3年の時に、オーチャードホールで行われる世界各国のヤマハ音楽教室で学ぶ子どもたちが出演する、「ジュニアオリジナルコンサート」で自作曲を演奏。小学校高学年からはよりハイレヴェルなクラスで中学生のお姉さんたちに囲まれて作曲を勉強していました。

 

その後作曲より演奏のほうが自分にあっているのではと思い、中学校2年の時に三浦捷子先生に導かれて、東京音楽大学の付属音楽教室にピアノで入室しました。当時は周囲の人たちに比べてやったことのあるピアノ曲も少なかったですが、のびのびと演奏していました。そのまま付属高等学校へ進学し、それまでなかった他の楽器とのアンサンブルをする機会にも恵まれて、音楽漬けの日々を送ります。
付属高校や大学の授業では、音楽の知識がひろがるきっかけができます。そこから気になったことは積極的に調べるなど、ますます充実した毎日を過ごしています。

 

今年はじめて東京音楽コンクールを受けることを決めて、自分で選曲をしたのですがこのコンクールでは今までにないチャレンジもありました。実は僕は、モーツァルトのソナタを人前で弾いたことがなく、ご指導いただいている野島稔先生にびっくりされました。モーツァルトは曲想やテクニックのほころびが目立つので難しいなと苦手意識があったのですが、本選後のレセプションでは審査員の方がたに評価していただき嬉しかったです。
オーケストラと演奏する本選では、ラフマニノフの2番のコンチェルトを弾きました。この曲は往年のピアニストたちが演奏してきた有名な曲であり、音量のバランスなど難しい部分もある曲です。レッスンを見ていただいている先生方にはこれからの課題を出されましたが、自分の演奏の良いところも悪いところもわかり、この曲を弾いてよかったと思っています。

 

日々大学で学んでいて、先生方は決してやり方を強制することなく、自分の考えを尊重してくださっていることを実感します。そんな校風はありがたく、自分には合っているなと思っています。後上聡司先生にも日ごろから師事していますが、先生とは音楽だけでなく日常のなにげない話もします。練習で思うように弾けず落ち込んでも、後上先生のレッスンにいくと不思議と前向きな気持ちになれるんです。
野島先生には、とある演奏会で一所懸命に弾きすぎてしまった時に、「きみは張り切りすぎないほうがいい」と言われました。十分に演奏できているから曲の内面をもっと掘り下げて演奏しなさいということです。先生の演奏は神々しくって、隣で弾いてくださる音にいつも感激しています。
大学の四年間をとおしていろいろな先生のもとで学ぶ機会があり、自分の中でうまくバランスをとりながら音楽をできているなと感じます。

 

これからの目標としては、もっといろいろな曲に挑戦したいと思っています。まだやったことのない作曲家もいますし、生きている間に弾きたい曲もたくさんあります。コンクールに挑戦する際も、将来を見据えて今よりもっとレパートリーを増やしたいという思いでチャレンジしています。挑戦の場にあっても、できる限りいつもの自分を忘れずに音楽を追求する、というのを常に心がけています。
これから東京音楽大学に進学するみなさんもしっかりと自分で考え、客観性と強い芯をもって勉強していただきたいです。心に強い芯があれば、東京音楽大学で多面的な指導やアドヴァイスを柔軟に取り入れながら、自分の音楽を探求することができると思います。
 

 

(広報課)