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【新卒業生から新1年生へ ~熱いぜ、ザ・東京音大生~】第6回 佐藤京香さん

佐藤京香さん(オーボエ)

新卒業生から新1年生諸君へ

 

~熱いぜ、ザ・東京音大生~

 
東京音楽大学は在籍期間3年で卒業できる早期卒業制度を導入しています。2019年度には3名の学生がこの制度を利用して、夢を叶えるために早期卒業しました。そのひとり、佐藤京香さんから今回メッセージが届きました。

 

第6回 佐藤京香さん(オーボエ)

【卒業後の進路】

海外留学

【出身高校】

東京音楽大学付属高等学校

 

― 東京音大で一番印象に残っていることを教えてください。

 

2年生の時、シンフォニック ウインド アンサンブル定期演奏会のアンコールで、『ガブリエルのオーボエ』を演奏させていただきました。津堅直弘先生指揮、和田信さん編曲で、私とフルートの臼井源太さんが吹奏楽をバックに演奏。その時の記憶は今でも鮮明に覚えています。
吹きながら客席を見ると、涙を流しているお客さまがちらほらと見えました。そして、最後の余韻が消えたあと、嵐のような拍手をいただきました。うれしさと同時に、“オーボエをこれからも続けていきたい!”と強く誓った瞬間でした。
 

 

― これは体験した者にしかわからない感覚ですね。佐藤さんにとって言葉で大きな影響を与えられたようなことはありますか?
 

宮本文昭先生からある時、「自分を俯瞰してみなさい」と言われました。
宮本先生につくまで、私は“全身全霊で演奏する”ということが何より大事だと思っていました。そんな私に先生が、「佐藤さんの演奏を客席で見ていると熱量がすごくてお客さんは少し引いてしまう。現実を見てしまうんだよ。熱をもって演奏することはもちろん大事だけれども、斜め上からスッと自分を俯瞰するようになるといいね」とおっしゃったんです。
もちろん、いざ本番となるとすぐにはうまくはいかなくて…。でもまだまだですが、少しずつできるようになってきたような気がします。

 

― 俯瞰する…客体化するということでしょうか。ちなみにおもしろかった授業はなんですか?

 

ソルフェージュです。もともと聴音が好きで、大学に入学したらもっと力を伸ばしたいと思っていたので、1年生では聴音、2・3年生では初見視奏のクラスを受講しました。
特に初見視奏の授業は本当に受けてよかったと思います。レベルがとても高くて、「これはちょっと難しすぎるんじゃないか?」と思うような楽譜を、数十秒見てからすぐに演奏するんです。でも、みんな少し焦りながらもそつなくこなしていくんです。そんな状況に刺激されて。おかげで私も力をつけていくことができたと思います。

 


▲右から2人目が佐藤さん

 

― クラスのモチベーションは重要ですよね。苦心して学んだ授業は?

 

「管弦楽曲史」と「オペラ史」です。大変そうですが必ず自分の力になると信じて受講しました。予想どおり、どちらも授業の内容がとても濃く、いつも授業が終わるとどっと疲れていました(笑)。でも、苦心した分とても有意義な時間を過ごせました。授業を取っていなかったら知ることのなかった作曲家や作品を教えてくださり、今も時々ノートやプリントを見返したりしています。

 

― 充実した大学生活でしたか?

 

はい、とっても!大学生活が今までの学校生活の中で一番短かったと感じました。そしてすごく楽しかった。3年間で早期卒業したということもあるかもしれませんが、それにしても、あっという間だったと感じました。

 

― それだけ濃厚な時間だったということですね!東京音大の魅力はなんだと思いますか?

 

何より、すてきな先生方がたくさんいらっしゃるところだと思います。私は夢を叶えるために早期卒業を目指して、4年間で取得すべき単位数を3年間で取り切らなければなりませんでした。ひとりの力では叶わないようなことを先生方は全力で支えてくださりました。本当に熱い先生方ばかり。これが東京音楽大学の大きな魅力のひとつです。

 

― 目頭が熱くなりました。人との出会いが人生を変えると言いますよね。

 

はい。大学生活で関わってくださったすべての皆さまに感謝しています。
一生大切にしたいと思える友人に出会えたこと、充実したレッスンを受けることができたこと、毎日の授業、演奏会…。私にとって、東京音楽大学で過ごした時間は一生の宝です。これからもそれを胸に抱いて精進して参ります。

 

― 卒業後の予定は?

 

予定では卒業後、ドイツに留学する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響でまだ行くことができません。
私は“日本でオーボエのすばらしさを広めたい”という夢をもっています。そのためには日本だけではなく、いろんな場所でたくさんのことを学ばなければならないと思っています。留学して「日本を俯瞰してみてみたい」のです。

 

― 「俯瞰してみる」ですね。予定の変更を余儀なくされてしまったとのことですが、その分、パワーを溜めて夢に向かって大きく前進してくださいね!では、最後に新1年生の皆さんにメッセージをお願いします。

 

一日一日をどうか大切に生きてください。東京音大で過ごした時間が、皆さんの一生の宝になるよう、勉強・練習に励んでいただきたいと思います。

 

― 熱いメッセージをどうもありがとうございました。さらに大きく羽ばたいていく佐藤さんのご活躍を楽しみにしています。

 

 

(広報課)