2020.07.29
なかなか梅雨が明けない今日この頃ですが、こちらのシリーズは常に真夏状態です。新卒業生の皆さんの進路にも大きく影響しているコロナ禍にあって、「新入生の皆さんに少しでも東京音大を身近に感じて、充実した大学生活を送れるようなアドヴァイスと応援メッセージをください」とお願いすると、皆さん「自分でよければぜひ」と実に爽やかな返事をくれます。「東京音大生、気持ちいい!」といつも元気パワーをいただいております。
さて、今回ご紹介するのは、フルートの園田賀家さん。第6回に登場した佐藤京香さんから「ぜひ話を聞いてみたい!」というリクエストにお応えして、頼れる先輩~園田さんに話を聞きました。
― 大学4年間はどんな感じでしたか?
“演奏を磨く上で糧になりそうなものにはなんでも意欲的に取り組んでみる”ということを目標に4年間を過ごしました。ソロだけではなく吹奏楽や室内楽、オーケストラなどの履修授業のほかに、自分から一緒にアンサンブルしたい友人を集めて楽曲を勉強したり、友人と一緒に演奏会を開いたり…手当たり次第に取り組んでいました(笑)。あまりにも詰め込みすぎて大変な時期もありましたが、今思えばいろいろな経験ができてとても充実した時間だったと思います。
― ぎっしりな4年間だったことが伝わってきます。苦労した科目はありますか?
大学生活の4年間でたくさんのことを学びましたが、特に近・現代の楽曲の勉強には苦労しました。モーツァルトやロマン派が好きな私にとって、まるで“工事現場”のような予測できない音の羅列を音楽的に表現し、さらに聴いている人を音楽の流れに引き込む演奏をするのは難しいことでした。しかし、わざとかすれた汚い音を出したり、空気圧で音を割ったりといろいろな音色を使うことで結果的に自分の表現の幅が広がりました。3年生の時には作曲専攻の友人の新曲演奏で特殊奏法にもチャレンジしました。
― 苦手なジャンルに取り組んだことで表現の幅を広げたということでしょうか。なんでもチャレンジしてみることが大事なんですね。特に役に立った授業は?
管弦楽曲史や歌曲史、オペラ史です。どの授業も内容がとても充実していました。歌曲からは各言語の発音やブレス、伴奏者とのアンサンブルなど、自分の演奏にもヒントになることが多く勉強になりました。
フルートの楽曲にはオペラや歌曲の編曲が数多くあります。大学の図書館に通ってオペラを鑑賞して、情景や登場人物の心境を自分なりにイメージするなどして曲の表現に役立てました。
― 演奏のために必要な基本的な研究ですね。何か先生に言われて印象に残っている言葉はありますか?
レッスンで特に印象に残っている話があります。
“有名な演奏家でもステージに出る直前まで緊張で震えながら出たくない!と言い、マネージャーに背中を無理やり押されてステージに送り出される人もいる”という話です。
どの本番もいいコンディションで臨めればそれに越したことはないのでしょうが、どうしても消極的になったり怖くなってしまったりする時は、この話を思い出します。緊張しない人はいない、むしろ緊張の中でしかできないパフォーマンスを楽しんでやろう!と前向きに考えられるようになります。
― 勇気づけられる話ですね!ところで卒業後のご予定は?
ヨーロッパに海外留学をする予定です。海外の人々の暮らしや文化に小さい頃からずっと興味がありました。音楽を勉強していく上でも“ドイツもの”“フランスもの”などといわれるように国によって曲想に特徴があったりすることがおもしろく、実際に楽曲が生まれた環境で勉強することは必ずプラスになると信じています。
― 東京音大の魅力はどこだと思いますか?
施設面や教育面の環境のよさはもちろん、日本でトップレベルを誇る先生方にレッスンを受けることができることが最大の魅力です。東京音大は、自分からアクションを起こせば実現可能なパフォーマンスの機会がたくさんあります。
また、池袋キャンパスに加えて中目黒・代官山キャンパスも開校して、どちらも都心にあって立地がよく、授業の後に演奏会に行きたい時はすぐに行けて困りません!(笑) 皆さんも立地のよさをぜひフル活用してみてください。
― 授業に演奏会に、充実したキャンパスライフが皆さんを待っています。最後に新1年生へメッセージをお願いします。
大学4年間、いろんなことが起こります。ぜひ悔いの残らないようにやりたいことに思う存分チャレンジしてほしい!
海外のプレイヤーに憧れて追っかけてレッスンを受けるもよし、気の合う仲間と組んでライブをするもよし!悩んだり困ったりした時はすぐ近くに相談できる仲間がいます。疑問に思ったら一緒に考えて解決に導いてくれる人たちがいます。学生だからできることを恐れずに思い切ってチャレンジしてくださいね!
― 心強いコメントをありがとうございました!
(広報課)