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2021年度東京音楽大学シンフォニーオーケストラ定期演奏会の演奏者たちに感想を聞きました

― まずは、コンサートマスターを務めた塚本禎さんから。
 
■コンサートマスター 第1ヴァイオリン4年 塚本禎さん
 
とにかく楽しくて仕方がない本番でした。一人ひとりの集中力とすさまじい熱量がスダーン先生から引き出されことで、そのような演奏会になったような気がします。1曲目のモーツァルトでほどよく緊張して、ブラームスで、「さあ、これで学生生活の最後」。これまでの集大成として楽しく演奏することができました。
例年なら夏合宿からリハーサルを重ねて親睦を深めることができるのですが、今年はコロナで合宿がなくむずかしい面もたくさんありましたが、その分コミュニケーションはできるだけ取るよう、意識していました。特に管楽器は初対面の人が多くいたので、みんなで同じ方向性を目指すためにどうすればいいのかをずっと考えていました。10月初頭にスダーン先生がはじめていらした時、曲に対しての理解も全体像を把握することもできていなかったので、「もっとテンポを速く、もっと歌って」とスダーン先生から言われても、なかなか演奏に落とし込めなくて要求についていけませんでした。正直どうすればよいのかもわからなかったですね。
その後、音大フェスで指揮された河上先生に長い期間ご指導いただきながら、さらに毎週の授業でパートごとに楽器の先生方がさまざまなアドヴァイスをくださり、それを道しるべに、奏者の一人ひとりが真摯に取り組んでいきました。「とにかくいい演奏会にしたい」というのがみんなに共通していて、パートのトップたちが集まって、お互いに要求をし合ったりもしました。
12月7日からの臨時練習にふたたびスダーン先生が来てくださった時、最初にブラームスの2番を演奏したのですが、すばらしいとほめてくださりました。10月の初顔合わせの時と比べて、先生の指示に対する反応のスピードが格段に上がったんです。そして、先生からもっと高度に、旋律のことや歌う箇所など細部に渡ってこと細かにご指導いただきました。長い時間をかけてがんばって練習してきたものが、先生の一言一言でさらに変わっていき、どんどん詰められて形ができ上がっていったので、「いい演奏会になる」と直感で思いました。
スダーン先生はリハーサルでは厳しく、音楽にどこまでも真摯に向き合い、妥協をまったく許さない方です。最初は表情も厳しく、怖くてみんなも緊張していました。でも、本番では、終始ニコニコされていて、そんな先生の気持ちに引き付けられ、一体感がさらに研ぎ澄まされたように思います。先生の愛、集中力、パワーに圧倒されました。
来年も、“東京音大のサウンド”をもっともっとパワーアップして、後に続いてほしいと思います!
 

―次は、ヒンデミットのコンサートミストレスを務めた相楽唯真さん。
 
■コンサートミストレス クラリネット4年 相楽唯真さん
 
まずは、この演奏会に携わり、支えてくださったすべての皆さまに感謝申し上げます。今年も無事に演奏会が開催できたことを心よりうれしく思っています。
合宿が中止となり、先が読めぬ状況下で、最初は不安でいっぱいでした。いざ練習がはじまっても、スダーン先生の細かな要望に応えることができず、何度も、「study!study!」と言われてしまいました。
それからパート練習を行ったり、楽器の先生方にアドヴァイスをいただき、必死に食らいついていき、リハーサルを重ねるごとに少しずつステップアップすることができました。
本番では皆のボルテージが最高潮に達し、今までで一番よい演奏することができて、大きな達成感がありました。大学4年間の集大成としてご来場してくださった皆さまに満足のいく音楽を届けられて感無量です。そして、リハーサルから本番までの、スダーン先生、奏者の皆との時間はとても幸せでした。ありがとうございました。
 
―各パートからもたくさんのメッセージをいただきました!

■ヴィオラ4年 中島理加さん
 
スダーン先生のリハーサルは驚くほど丁寧でした。今回本番直前には、1週間に渡り毎日みっちり臨時練習があったので、とにかく時間をかけて一箇所一箇所詰めていき、パズルのようにつなげていく構築の仕方でした。
リハーサルをとおして一番感じたことは、先生の頭の中にはそれぞれの曲に対して、揺るぎない理想とする音が完璧にでき上がって鳴っているということ。当たり前の話のように聞こえますが、先生のイメージはとても色濃く、目から鱗の発見も多くありました。”その理想を指揮やお言葉から汲み取りつつ、私たち奏者の個性が反映されるような音楽づくり”をとおして非常に勉強になりました。先生は理想が伝わるまでに何度でも繰り返し練習してくださり、その熱意や音楽に対する愛情を間近で経験できたことはなにものにも変えがたい時間でした。
4年間共に励んできた仲間たちはもちろん、専攻の垣根を越えて親身になってご指導してくださった東京音大の器楽の先生方、事務的な面など見えない所でサポートしてくださった多くの方々、そして誰よりも応援してくれていた家族に対する感謝が、演奏をとおして少しでも伝わっていればうれしいです。

■第2ヴァイオリン4年 伊東香音さん
 
練習では、学生たちからいい音を引き出そうと、スダーン先生が何度も歌ってくださったり、もっと音楽を感じるように、時にはそれは音楽じゃないなどとたくさん厳しいことをおっしゃっていました。自分自身が感じるモーツァルト、ブラームスの音楽を演奏しているつもりでもそれが音になっていなかったり、演奏することに専念すると周りとのコミュニケーションが取れていなかったり。また、私は2ndVnのトップであったため、パート内はどうなっているかなど、たくさんのことを常に考えながら、先生方からもアドヴァイスをいただいて、本番当日までに学生同士で何度も意見を出し合いました。
本番ではディヴェルティメント=楽しむというスダーン先生のお言葉のように、全員が今まで以上の集中力で、楽しみ、今自分たちができる最大限の演奏をしました。大変だった連日の臨時練習を含めて楽しかったですし、これらをとおして自分自身の課題もできたので、学生最後の定期演奏会でこのようなすばらしい経験をさせていただき本当に感謝いたします。

■第1ヴァイオリン2年 遠井彩花さん
 
スダーン先生の一つひとつのお言葉で、日々音楽が変化していき、音が生き生きとしていくのを実感し、オーケストラの魅力を改めて感じました。
本番は、モーツァルト、ブラームス共に先生の表情がさらに豊かになり、特にモーツァルトの楽章間での弾けた笑顔に楽しさが溢れており、とても印象的でした。
先生と過ごした日々は想像以上にはやく時が流れ、あっという間に終わってしまいましたが、先生から教えていただいた音楽はこれからの糧となりました。本当にありがとうございました。

■チェロ4年 桑原萌佳さん
 
スダーン先生にはブラームスの2楽章の冒頭のチェロ旋律を丁寧に歌ってくださったり、言葉で説明して教えてくださりして、自分の勉強不足、練習不足をとても痛感しました。
本番後にはスダーン先生から直接「とても美しかったよ!」と褒めてくださったことがとてもうれしかったです。この期間を経ていろんなことを吸収でき、とても濃く、幸せな時間だったと思います。

■コントラバス3年 鈴木未夢さん
 
私ははじめてSオケ定期に乗って、とても貴重な経験をさせていただきました。今回首席奏者として3年生ながら重役を務めさせていただき、先生や先輩方に支えていただきながら本番成功することができました。
スダーン先生のご指導は熱意が溢れていて、先生が求めている音や音楽に応えるのがはじめは難しく大変だったのですが、練習を重ねていくうちに先生が求めているものを理解できるようになりました。本番では先生と共に音楽をすることができ、心から楽しむことができました。来年の演奏会では4年生になり学生最後の年となるので、今回の経験を生したいと思います。

■フルート4年 加藤璃子さん
 
オーケストラ定期公演を終えて、私は学生最後のオーケストラだったので、とにかく楽しんで演奏しようという思いで本番に臨みました。本番は緊張しましたが、集中しながらも楽しんで演奏することができたと思います。
スダーン先生の練習はフレーズの歌い方など、とにかく勉強になることが多くありました。毎日の練習が本当に貴重な時間でした。この経験をこれからに生かしていきたいと思います!

■オーボエ4年 榎かぐやさん
 
今年度最後のSオケ定期演奏会で、ヒンデミットの「吹奏楽のための交響曲」を演奏しました。連日のリハーサルの中で、スダーン先生から妥協しないリズムとテンポへの指示を繰り返しご指導いただきました。
みんなで話し合い創り上げていった演奏を、芸術劇場のステージで披露できたことは大きなよろこびと達成感がありました。自分にとって最後のSオケは忘れられないものになりました。

■クラリネット4年 阿佐遥馨さん
 
練習から本番までの期間が一瞬に感じ、毎回の練習でたくさんのことが学べて、たとえ私に言われた言葉でなくても勉強になることばかりで毎日が刺激的でした。東京音大はどの演奏会を開催するにあたってもたくさんの方がサポートしてくださり、各楽器の先生陣も毎回の練習に来て指導してくださるなど、スダーン先生もおっしゃっていたように、「ひとつのチームでひとつの家族」なんだなと思いました。
ステージから見た景色や、共にがんばってきた仲間たちとスダーン先生と作り上げた音楽をたくさんの人の心に届けられることができてうれしいです。この期間をとおして経験したことやたくさんの方からいただいた言葉は私の宝物で、最高に楽しい演奏会でした!

■ファゴット4年 稲岡日菜子さん
 
スダーン先生は、普段はとてもやさしい人柄でしたが、練習になると雰囲気がピリッと変わり、歌い方から音色・発音の仕方など細部までこだわりをもたれていて、練習の度に曲が濃密に仕上がっていくのを感じることができました。
本番はとにかくみんなの熱量と一体感がすさまじく、吹いていても楽しくて仕方がなく、あっという間に本番が終わってしまいました。演奏者本人が言うのもなんですが、熱演だったのではないかと思います。

■サクソフォーン2年 南部真歩さん
 
今回のヒンデミットの交響曲は初見の時に、「なんだこの曲は!全然わからない」と思うくらい難しい曲。加えて、2年生なのでこれまでAブラス、Bブラスしか乗ったことがなかったので、今回は周りがほとんど4年生で、ついていくのが必死でした。本当に、先輩たちからもスダーン先生からもいい刺激をたくさんもらいました。スダーン先生は、振りはじめたとたんにスダーン先生の広い音楽観になり、表現も変わるということを知りました。この経験を生かして、これからもオケのなかでもっと一緒に演奏したいし、ブラスでの演奏も、またほかのホールでの演奏もすごく楽しみです!

■ホルン4年 吉田智就さん
 
定期演奏会に向けての練習はとても大変でした。スダーン先生の作る音楽はとても緊張感があり、Pのクオリティーを維持する必要がありました。また、練習日数が多かったので、本番にいい演奏をするための組み立て方も大変でした。練習の時に、「あ、これが本番でできればいいのにな」なんてことは何度かありました。
本番は緊張しましたが楽しかったです。先の部分を考えず、目の前のフレーズをしっかり感じながら演奏できたのでよかったです。

■トランペット4年 金子瑠晟さん
 
オーケストラ定期演奏会に向けてのスダーン先生との練習はとても刺激的で、かつ濃密な日々でした。先生は練習の際に、ブラームスの2番は繊細な曲でありパズルの如く各楽器のメロディーや伴奏が散りばめられているが、これらが組み合わさることで完成する曲だとおっしゃっていました。
練習回数を重ねてオーケストラ全体がひとつになり、本番を迎えた時は、すべての歯車が連結し、とてもすてきな演奏を奏でることができたと思います。
このコロナ禍にあって恵まれた環境で練習から演奏会までを行えたことに感謝しかありません。

■トロンボーン4年 大友崇敬さん
 
定期演奏会本番は、とても熱のある演奏がお届けできたのではないかなと思います。
練習では、スダーン先生の細部にまでこだわった音楽観や指揮に触発され、みんなの音がどんどんよい方向へ変わっていきワクワクしました。ブラームスの2楽章に大事なところがあるのですが、毎回先生と目が合い「espressivo!」と声かけられて、とても情感豊かにできたかなと思います。毎回の練習がとても濃い時間で、たくさんのことを勉強することができました。これからもっとがんばろうと思えた演奏会でした。

■テューバ4年 牧野紀恵さん
 
スダーン先生指揮でのブラームス2番は考えさせられることがとても多い練習でした。特にスダーン先生からpで始まるフレーズでpの音量について指示を何回も受けたので、毎回緊張感をもって演奏ができました。
本番では、ほとんどの時間をスダーン先生を見て演奏していたため、先生の指揮で流れる音楽が心地よく、また緊張感のある演奏会になりました。大学生最後の演奏会がスダーン先生の指揮で、音楽について学べたことがとてもよい経験になりました。

■ユーフォニアム3年 安藤孝太さん
 
スダーン先生は僕たちが注意するべきことを的確に、そしてこだわりをもってご指導くださいました。常によい緊張感があり、毎週の合奏や臨時練習の中で、たくさんの刺激を受けることができました。この定期演奏会までの期間は、自分にとってとても貴重な経験になったと感じています。

■打楽器4年 幸多俊さん
 
今回、オーケストラ定期でスダーン先生のご指導のもと演奏ができたことは非常に幸せでした。練習の際、フレージングの処理など音楽の細部までこだわるスダーン先生のご指導は、勉強になることばかりでした。今回の演奏をとおして、ひと回りもふた回りも成長できたように感じます。
そして新たな課題が見つかり、残り少ない学生生活ですが、夢であるプロのオーケストラプレーヤーになれるよう、日々精進していきたいと思います。

本番後、スダーン先生の楽屋前に出演学生による列ができました。

一人ひとりにメッセージを贈る先生。

スダーン先生を囲んでみんなうれしそう。

コンサートマスターの塚本禎さんを見つめる熱いまなざし。