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2022.04.13

演奏団体で活躍する卒業生からのメッセージ

東京音楽大学を卒業後、演奏団体で活躍する卒業生からいただいたメッセージを紹介します。

 
 

谷﨑 大起さん
[日本フィルハーモニー交響楽団 ヴァイオリン奏者]
(2019年大学院修士課程 器楽専攻弦楽器研究領域修了
器楽専攻弦楽器(ヴァイオリン) 2017年大学卒業)

 

 

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ブロウチュコヴァ小串 奈津子さん
[フラデツ・クラーロヴェー・フィルハーモニー管弦楽団]
(ヴァイオリン 2005年大学卒業)

 


出会いや機会を大切に、大好きな音楽に目一杯アプローチしてください

 

こんにちは。私はチェコ共和国のFilharmonie Hradec Královéというオーケストラに第2ヴァイオリン奏者として在籍しています。まだまだ手のかかる3人の子供たちを育てながら、現在は(毎月の乗り番数が半分になる)半契約という形で働いています。
今回、東京音楽大学の卒業生として皆さんに応援メッセージを送る機会をいただき、自身の学生時代を振り返ってみて、何より一番私を育ててくれた出来事は、いたって普通の成績の私が「卒業後はチェコへ留学したい」と行動を起こした時に、付属高校時代から長きに渡り師事していた教授が厳しい助言をくださりながらも応援し送り出してくださったことだと思います。
すべては自分次第。恵まれた環境にある今、どうか一つひとつの出会いや機会を大切に、大好きな音楽に目一杯アプローチしてください。音楽の世界はいろいろな分野とつながっていて、さまざまな場所にさまざまな仕事、生き方があります。いつか、演奏を通じて皆さんの音楽人生と交わる瞬間が来ることを楽しみに、私も大好きなヴァイオリンを弾き続けていきたいと思います。  
 
〈Filharmonie Hradec Králové〉
チェコ共和国のフラデツ・クラーロヴェー州にあるシンフォニックオーケストラです。定期公演等の他、毎年11月には「音楽フォーラム」と題し、まるまる1ヶ月間、解説付きで現代曲をたっぷりと味わえるコンサートを主催している愛すべきユニークな地方オーケストラです。

岩田 唯さん
[レーゲンスブルク歌劇場]
(ヴァイオリン 2013年大学院(修士課程)修了/2011年大学卒業)

 


東京音大が提供してくれるさまざまな可能性をいい意味で存分に利用しよう

 

ドイツの南、バイエルン州に位置する、レーゲンスブルク歌劇場、第一ヴァイオリン奏者です。ドイツで働きはじめてからもうすぐ10年が経ちます。
今の仕事に就いているのは、諦めずに励まし、導いてくださった大谷康子先生のおかげですが、在学中の「バイエルン州立青少年オーケストラ」と、広上淳一先生指揮の「ラ・ボエーム」への参加も、大きなきっかけになっていると思います。
ドイツには130以上のプロ・オーケストラが存在します。シンフォニーオーケストラ、オペラ劇場、温泉地などで旅行客のためにほぼ毎日演奏会を提供するような「クアオーケストラ」というものなど、形態はさまざまです。私は特に、日本ではあまり機会のない「オペラ」というものにすごく興味をもちました。音楽のみでは十分に表現できない視覚的な部分やストーリー性を、舞台芸術と歌手と手を組んで、ひとつのものを創り出す工程は、新しいプロジェクトをはじめるたびに毎回ワクワクします。専攻の学生という立場だった私は、特にほかの楽器に興味をもつことはありませんでしたが、今、総合芸術の現場で仕事をしていると、当時自分の専攻だけではなく、ほかの専攻の特別公開講座などを覗く機会がたくさんあったのに惜しいことをした、と思います。東京音楽大学が提供してくれるさまざまな可能性をいい意味で存分に利用して、まだまだ若い学生さんたちには、これからもっと海外へも挑戦していってほしいと思います。

伊東 翔太さん
[東京都交響楽団]
(ヴァイオリン 2019年大学卒業)

 


社会に出ていくためのヒントを見つけよう

 

ヴァイオリンを演奏していくうちにオーケストラに憧れをもち、早くからオケを中心に演奏活動することを目標にしていました。オーケストラなどの合奏授業は指揮者からだけでなく、第一線で活躍しているすばらしい先生方から実践的なアドヴァイスを得ることができる貴重な機会でした。また、室内楽のレッスンで仲間とひとつの曲を深掘りしていく過程は、卒業後の演奏活動の土台となり、重要な時間だったと思います。
現在は、東京都交響楽団で第一ヴァイオリン奏者として都内を中心に演奏活動を行っています。大学での4年間は、いろいろなものを吸収でき、自身の可能性を広げることができると同時に、社会に出ていくヒントがたくさん転がっています。そのヒントを見つけるために先生方をはじめ、たくさんの仲間とコミュニケーションをとることも大切な学びのひとつだと考えています。

巌築 朋美さん
[東京フィルハーモニー交響楽団
ヴァイオリンTutti奏者]
(ヴァイオリン 2015年大学院(修士課程)修了/2011年大学卒業)

 


一生のものとなる助言をいただけた、
オーケストラや室内楽の授業

 

学生生活を思い返すと、ソロのレッスンはもちろんオーケストラや室内楽などの実技の授業が特に印象に残っています。現役で活躍されている先生方のご指導や多くの助言は、一生のものとして私の財産となっています。本番を踏む機会にも恵まれているので、日々の練習の成果を発揮する場としてぜひチャレンジしてください。
大学生活では楽しいことだけでなく苦しいこともあると思いますが、それが血となり肉となります。求めれば求めた分だけ得られる環境で、実り多き大学生活を送ってください。

牧 優吾さん
[陸上自衛隊 音楽隊員]
(テューバ 2021年大学卒業)

 


志の高い仲間とすばらしい先生方と

 

在学4年間、吹奏楽やオーケストラなど、合奏系の授業は一番力を入れて取り組みました。特にAブラス(「吹奏楽」授業の3・4年次)では、指導者実習という時間に普段することができない指揮にもチャレンジすることができ、音楽をつくる上での視野が一気に広がる貴重な機会になりました。東京音楽大学の魅力はすばらしい先生方がたくさんいらっしゃることと、志の高い仲間が多いことだと思います。目から鱗のアドヴァイスや、モチベーションが高まる刺激を先生方からはもちろん、先輩・同輩・後輩からもたくさんもらうことができます。
今は陸上自衛隊の音楽隊員として活動させていただいています。私のスタンスとして、いい音楽をすることで、「音楽」と聴いてくれる人に恩(音)を返していくことが一番しあわせなことだと考えています。

 

≫【在学生インタビューシリーズ】第13回 牧優吾さんはこちら

大髙 レナさん
[新国立劇場オペラ研修所第24期生]
(声楽 2021年大学卒業)

 


先生方の手厚いサポートを受けながら、
常に最高の環境で学べる4年間

 

私は3年生になったら全日本学生音楽コンクール大学部門にチャレンジするという目標を立てていました。そのためには1・2年生のうちに多くの単位をとる計画を立て、1限授業のために必死になって朝早く起きました。2年生からは楽しみにしていた「舞台基礎演技法」の授業で、複数の声楽の先生方、指揮者やコレペティトールの先生、演出家の指導を毎週受けることができ、ますます歌に魅力を感じるようになりました。1年前倒しで2年生の時にコンクールに挑戦し、最年少優勝と聴衆賞をいただくことができました。
卒業後、憧れの新国立劇場オペラ研修所第24期生として新しいスタートラインに立ちます。これもご指導くださる先生方、真摯に音楽に向き合う友人や先輩・後輩方、それから、やる気が湧いてくる大学のカリキュラムのおかげだと思っています。
東京音楽大学のよいところは、先生方の手厚いサポートと常に最高の環境で学べること、また切磋琢磨する同級生、先輩・後輩が皆やさしく親切で協力し合えるところだと思います。専門のみならず、社会に出て必要なことの多くを学べる4年間です。その中で将来の方向性もしっかりと見えてくるでしょう。

 

【在学生インタビューシリーズ】第12回 大髙レナさんはこちら

木川 博史さん
[NHK交響楽団 ホルン奏者]
(ホルン 2007年大学卒業)

 


人間として成長できるような、大学生活を

 

私は、オーケストラは室内楽の延長線上にあると思っています。オーケストラの楽員としてどのようにアンサンブルをするべきか、どのような音を出すべきかを東京音楽大学の室内楽の授業で、その基礎をみっちりと学ぶことができました。オーケストラは指揮者だけを見て演奏すればよいのではなく、他の人の音を聴き、その様子を見ながら演奏しなければなりません。そうした時に、室内楽の授業で学んだことが生きているのが実感できます。また、授業や演奏会などを通じてさまざまな人と出会い、ともに活動し、多岐にわたった経験を重ねることはとても大切なことで、音楽以外の経験が演奏に生きることが多々あるのです。
これから入学する皆さんには、音楽一辺倒にならず、たくさんのことを経験、勉強し、人間として成長できるような大学生活を送ってほしいと願っています。

舟越 末さん
[シカゴ交響楽団 ヴァイオリン奏者]
(ヴァイオリン 1994年大学卒業)

 


具体的な目標をもち、積極的に海外を知る

 

海外のオーケストラでは、自分の音楽に対する考えを躊躇なく積極的に主張することが求められます。私が在籍しているシカゴ交響楽団では、演奏者一人ひとりの個性を激しくぶつけ合いながら演奏を形作っていきます。現在の指揮者リッカルド・ムーティ氏も、「言われるまま、言われるのを待っているような演奏家には魅力が感じられない」「常に何か表現してほしい」と日頃から言っています。
音楽家を目指す方には、自分が「どんな音楽家になりたいのか」「なぜ音楽家になりたいのか」、じっくり考えてほしいです。そして学生の頃から、チャンスを逃さず積極的に海外に行き、たくさんの人に会っていろいろな文化に触れてほしい。英語ができなくとも躊躇せず臨めば、必ずなんとかなるものです。挑戦と失敗を繰り返しながら、自分のやり方を見つけることがとても大事だと思います。

川瀬 賢太郎さん
[神奈川フィルハーモニー管弦楽団 常任指揮者/
名古屋フィルハーモニー交響楽団 正指揮者/
オーケストラ・アンサンブル金沢
パーマネント・ゲストコンダクター]
(指揮 2007年大学卒業)

 


人間力を鍛えるレッスンで
今の指揮者としての自分がいる

 

東京音楽大学での4年間がなければ、今の私はありませんでした。指揮のレッスンは、音楽のことはもちろんですが、自分のことを理解し、社会の中でどうやって生きていくか、いわば人間力を鍛えるレッスンだったように思います。オーケストラというのは、社会の縮図のようなものだと思っています。いろんな考えをもっていて当然。中には真逆な考えをもっている人もいます。自分と考えが違うからおもしろくないと思うのか、自分と考えが違うからこそもっと知りたいと思えるのかは、大きな違いです。東京音楽大学で日々レッスンに打ち込んだからこそ、考えの違う人たちのことに興味をもてる人間になりました。そうでなければ、指揮者という職業は務まらないと思いますし、だからこそ今の私があるのかもしれません。