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【卒業生インタビューシリーズ~TCMの先輩たちの今】第8回 伊熊 よし子さん(後編)を掲載しました

伊熊 よし子さん

音楽ジャーナリスト 音楽評論家

音楽教育専攻1972年卒業 長野県立松本蟻ガ崎高等学校卒業

  

前回に引き続き、音楽ジャーナリスト・音楽評論家の本学音楽教育専攻卒業生、伊熊よし子さんのインタビュー後編です。

 
- 音楽ジャーナリストは学生たちも興味のあるお仕事だと思います。
 

長年この仕事をやってきて、「音楽ジャーナリストはどうしたらなれるんですか?」と若い人たちによく聞かれます。私は人に会うのが好きで、心を開いてたくさん話していただきたいと思っています。でも結局のところ、インタビューにしても原稿の執筆にしても経験の積み重ね。音大生にはぜひ、こういう仕事もあるということを知って、「おもしろそう!」と思ってもらえたらいいなと思います。
 

- インタビュー(取材)の秘訣は?
 

やっぱりいい空気感ですね。そうでないと心を開いてお話してくれないから。それと、最初の質問が大切。インタビューは最初で失敗するとうまくいかない。はじめがうまくいけば結構うまくいくんですよね。
例えば一流アーティストの知らない部分をできることならばたくさん聞きたい。そうすると、今までの知っている部分なんかはもう頭に叩き込んでおいて、あえてそれは聞かないで、自分の本当に聞きたいことだけを聞くという風にします。また、聞いてはいけないこともあります。相手から言い出したらいいのですが、話したくないこともたくさんあるわけで、「ここはオフレコね」と言われたら、オフレコにする。そっちの方がおもしろかったりするんですけどね(笑)

 

- 進行中のお仕事について特別にお聞かせいただけるとか・・・
 

藤田真央くん(2020年大学早期卒業)が、ベルリンで録音した五枚組のモーツァルト全集がソニーからワールドワイドで出るんです。実はそれに合わせて本を書いていて、ずっと取材しています。
 

- (ここだけの)裏話などありますか?
 

彼は今、ベルリンで勉強していますが、海外のオファーがどんどん入っていてすごい活躍ぶりです。いろいろ勉強しているから話もおもしろい。一冊分で約10万字の世界なので、どういうふうに構成しようかとそればかり考えていたら、バターって夜中に目が覚めました。9月に書籍が書店に並ぶためには、6月中に原稿ができてないと間に合わないので、今必死です。

 

- 伊熊さんは、同時にいくつもの企画を抱えていらして、苦しいと思うことはありませんか?

 

産みの苦しみはいつものことですね。でも、悩んでも仕方がないので過去を振り返らずに、とにかく目の前のことに一所懸命とりかかるようにしています。

 
- 最後に東京音大の後輩たちにメッセージをお願いします!

 

東京音楽大学はのびのびと学べる自由な校風とすばらしい環境があって、その中に自分を置いた場合、短期的な目線ではなく、将来どういう風になりたいか、どの方向に進みたいかを俯瞰して、自分の勉強するスタンスを決めてほしいと思います。長期的に自分の人生を見ながら、一つひとつの授業をとおして自分の適性もあわせて考えてほしい。そうすれば、この先の人生において音大での4年間がどんな役割を果たすのかがおのずと見えてきて、非常に有意義な4年間を過ごすことができると思います。
今後はこの仕事に興味を示し、音楽ジャーナリストになりたいと思う後輩たちに向けて、いずれかの方法で講座がもてればと考えています。
 
- お話をお伺いしながら、マスコミ業界で50年以上にわたって活躍できるのは、伊熊さんのバイタリティ溢れるお人柄にあると感じました。ますますのご活躍を楽しみにしています!


 
【伊熊よし子さんプロフィール】
1949年東京生まれ。1972年3月東京音楽大学卒業(音楽教育専攻)。同年ポリドール株式会社入社。1978年東京音楽社入社。1985年月刊『ショパン』副編集長就任、のち編集長に。1989年独立し、フルーに。現在『Hanako』『文芸春秋』『レコパル』『FMfan』『MARCOPOLO』『YAMAHA FC VOICE』『音楽現代』『ぴあ』をはじめ各誌に寄稿。
http://yoshikoikuma.jp/
 
(広報課)