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【コンクール受賞者インタビューシリーズ】第7回 瀧本実里さん

瀧本実里さん

(2017年大学卒業、2019年大学院科目等履修生修了 作新学院高等学校卒業)

第88回日本音楽コンクールフルート部門 第1位

第17回東京音楽コンクール木管部門 第1位

第24回びわ湖国際フルートコンクール一般部門 第1位

 
 
- 個人レッスンで続けていたフルート
 

今年受けたコンクールは、ありがたいことにすべて1位をいただくことができました。これまでがんばってきたことがやっと実を結んだと実感しています。

 

フルートとの出会いは小学校3年の時。学校の吹奏楽部がきっかけです。部の指導に来ていたフルートの先生から、コンテストへの出場をきっかけに個人レッスンを受けるように。中学に入ってから一時は運動部に憧れたこともありましたが、先輩からの誘いで再び吹奏楽部に入ります。
高校は吹奏楽が盛んな作新学院高等学校に進みました。ですが私の所属していた進学コースは他のクラスより授業のコマがひとつ多かったので、部活に参加できる時間には既にほかのみんなは音出しが終わっている状態です。結局2か月で吹奏楽部を退部し、高校3年間はほとんど勉強漬けの生活を送っていました。

 
 
- 高3ではじめて参加した受験講習会。「長三度」という言葉すら分からなかったほど
 

フルートは個人的に続けていたので、一般大学に進学するか、フルートで音楽大学に進もうか悩んでいました。高校3年の時に、たまたま見つけた工藤重典先生のマスタークラスを受講します。そこで先生に「音楽の道は君には厳しいと思う」と言われたら潔く音楽をやめるつもりでいました。しかし、レッスンではいくつかアドヴァイスをいただき、「音楽大学に行ってもいいのかな」と進路を変更して、工藤先生が教えていらした東京音楽大学を目指しました。

 

とはいえ、聴音はかろうじて勉強したことがありましたが、それ以外の受験科目については手つかずの状態。はじめて参加した受験講習会では「長三度」という言葉さえ分からないくらいでした。
通学時間が長かったのもあり、大学に入って最初の1年間は、周囲の人たちについていくのがやっとでした。

 
 
- 結果を残せなかったら就職を―そう考えていた矢先
 

そういった中でモチベーションになったのは、同期や門下の先輩の存在です。私と同じ門下の学生はみな積極的にコンクールにチャレンジしていました。私もそんな雰囲気に負けないように1年生からコンクールに挑戦していました。家には迷惑をかけられない……結果を残せなかったら就職を、と考えていた大学3年の時、「仙台フルートコンクール」で第1位に。その流れに乗るようにして、大学4年の時に「日本音楽コンクール」にチャレンジ。第3位をいただきました。

 

今回2回目のチャレンジとなる「日本音楽コンクール」。前回の反省も生かしながら臨みました。とくに今回は前回とは違い、地方でフルートのイベント出演などもありその合間を縫って練習しなければならず、スケジュール管理が課題となりました。しかし多忙な中で体調を整えることも、プロフェッショナルになるには欠かせないことだと思います。
本選は、どうやったら音を会場全体に届けられるかよく考えて演奏しました。必死につかみとった栄光に、工藤先生や聴きに来てくれた友人たちからたくさんのお祝いの言葉をもらえてうれしかったです。

 

「東京音楽コンクール」の本選では、オーケストラとも共演し、あまり知られていないロドリーゴの曲を演奏しましたが、審査員の先生方には好評で、曲の魅力を多くの方に伝えることができたと思います。
 

▲第17回東京音楽コンクールにて
 
 
- 個人では経験できないようなさまざまな機会をくれた大学に感謝
 

東京音楽大学の学生はさまざまな面で恵まれていると思います。指導してくださる先生方は第一線で活躍されているので百戦錬磨の経験から実践的なアドヴァイスをくださいます。合奏授業は同属楽器だけのアンサンブルからはじまり、小編成から徐々に大編成の合奏に、そして弦楽器を交えたオーケストラを体験します。卒業してすぐにプロのオーケストラに入っても戸惑うことがないよう、4年間体系立ててしっかりと勉強できたので、吹奏楽出身の私としてはとてもありがたかったです。

 

国際交流の機会が豊富にあるのも魅力です。私は在学中にフランスのリュエイユ=マルメゾン音楽院への短期留学や、ロシアのモスクワ音楽院への演奏旅行など、個人ではなかなか体験できないことを、大学の協力のもと数多く経験させていただきました。

 

今年1月には「111周年記念演奏会」で先生方やプロの現場で活躍する卒業生たちと共演し、名だたる方々が奏でる音の隣で演奏する機会をいただきました。それはとても勉強になりました。「日本音楽コンクール」本選前には、100周年記念ホールを使わせていただき、本番の響きをイメージした練習ができて、本選にうまく臨めたと感じます。さまざまな機会をくださった大学に感謝しています。

 
 
- 時には捨て身で努力をすれば、必ず結果がついてきます
 

卒業してからは、同期と同じ演奏現場で出会うこともあり、東京音楽大学の卒業生がこんなにもたくさん活躍しているのだなとあらためて気づかされています。
これから受験するみなさんも、自分がやりたいことに対して高い目標をもって入学してください。東京音楽大学には切磋琢磨しながら高みを目指す校風があります。時には捨て身で努力をすれば、必ず結果が付いて来ると思います。私も新しい課題と夢に向かって、これからも努力し続けていきたいと思います。

 

(広報課)