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【在学生インタビューシリーズ】第15回 上野美菜さんを掲載しました

上野美菜さん

(打楽器4年 三輪田学園高等学校卒業)

  

今から2年前、社会連携活動の一環として本学が埼玉県北本市と長年共催するロビーコンサートを取材に行った時のこと。その日のプログラムはすべて打楽器によるものだったが、その時の奏者兼司会進行役を務めたのが上野さん。打楽器が奏でる明るいリズムと上野さんの軽妙なトークで会場は拍手と笑いに包まれた。いつか話を聞いてみたいと思っていたが、今回それを実現。上野さんの明るいパワーをお届けします。

 
- まずは音楽をはじめたきっかけを教えてください。
 

打楽器をはじめたのは小学校4年に入部した吹奏楽部の時でした。毎日の朝練は基礎練のみ!夕方もみっちりで土曜日も練習。でもコンクールには一度も出たことがなく、「音楽は勝ち負けじゃない」という顧問の先生の熱い音楽への愛を受け継ぎ、のびのびと楽しみました。
入部当初はクラリネットを希望していたのですが、私は打楽器に必要とされていたみたいで、途中から異動して今日まで続けてきました。今でも他の人と違って基礎練が好きなのは、当時の練習スタイルのクセが残っているからかもしれません。

 

- まじめないいクセですね。中学高校もつづけていたんですね?
 

いいえ、中学高校に吹奏楽部がなかったので、習いごとでミュージカルのお稽古に明け暮れながら、書道やピアノにも熱中しました。何よりモノマネをして周りを笑わせることが大好きでした!

 

 
- なかなかの活動的な子だった感じですね。それでどうして音楽大学に?
 

高校2年生の時、東京佼成ウインドオーケストラと一緒に東京芸術劇場で演奏ができるイベントに参加しました。はじめてお客さまからチケット代をいただいて演奏する場であることに緊張と責任を感じ、人に音楽を真剣に届けようという思いが強くなったことがきっかけです。その時の打楽器奏者の方のレッスンにも衝撃を受けて、そのまま弟子入りをお願いしました。
 

- 数ある音楽大学のなかで東京音大に絞ったのはどうしてですか?
 

決め手となったのは「冬期受験講習会」。高校2年の9月に音大受験を決めた私は周りよりも遅く、その年の冬期受験講習会が本格的な受験対策のスタートとなりました。
東京音大の受験講習会は、グループレッスンと個人レッスンで教授自ら演奏してくださったこと、ソルフェージュや副科ピアノのレッスンも受講できたことがよかったです。充実したカリキュラムのおかげで、周りと比べて自分がどの位置にいて、何を勉強すべきかがわかり、一歩前進することができました。その時に出会ったひとつ上の受験生の先輩の志に向かっていくキラキラと輝くエネルギーにも魅了されました。講習会期間中は受験生貸切りの大学キャンパス。気分ははやくも東京音大生!ワクワクして楽しかったのが昨日のことのようです。

 

- 受験講習会で体験した学校の雰囲気とレッスンの内容がよかったんですね?

 

はい。ほかにも、打楽器界隈では全国の音大受験生と現役音大生が集まって夏休みに合宿する機会があるんです。それにも参加して、今いる同期と出会い受験に向かって切磋琢磨の日々でした。東京音大の先輩方にも夜遅くまで打楽器のことを教えていただき、レッスンノートなるものを作って、先生の指導内容だけでなく、先輩方のアドヴァイスも必死に書き留めました。今でも読み返す時があります。
 

- そして晴れて大学に入学。授業の様子を教えてください。
 

打楽器科は入学すると最初の一年間でオーケストラスタディを勉強します。授業は楽器別に行われ、一週間で6~7曲仕上げていきます。オーケストラに触れてこなかった私は、恥ずかしながら交響曲を1曲聴くだけでも大変な労力でした。しかしこの授業が終わる頃には、回ってくるエキストラの依頼が気がつけば既習曲ばかり。加えて打楽器科にはプロのオーケストラ奏者の先生がそろっていて大変勉強になりました。今でももう一度受けたい授業です。

 

- 入学して1年間で目覚ましい成長を遂げたんですね。苦労したことは?
 

ソロ曲をどう表現するかにとても苦労しました。入学当初はソロ曲があまり好きではなかったんです。難しい現代曲は特に。それが、一つひとつの曲を時間をかけて取り組んでいくうちに、感情や表現したい想いを次第に演奏に乗せられるように。周りと合わせて演奏するアンサンブルと違い、完全に自分の世界を表現できるソロだけのすばらしさを実感しました。ソロ曲をプログラムに入れた卒業試験は私にとって4年間の集大成。「打楽器はここまで自分を表現できる楽器だったんだ」とあらためて気がつきました。

 

▲ 卒業試験のソロ曲のセッティング
 

- 大学生活のなかで、演奏以外にも特に印象に残っていることは?
 

なんと言っても芸術祭です。コンサート委員として2年連続でコンサートを企画運営する仕事をしました。2年の時にミュージカルナンバーの企画を提案したところ満員御礼に。それがうれしくて、さまざまな演奏会に出向いてマネジメントやデザイン、照明、曲目の研究などを勉強しました。今では、フライヤーやプログラム、チケットも自分でデザインして、ホールスタッフとしても自信をもってお客さまに応対できます。学生、大学と地域、世界への発信を目指して演奏会をプロデュースできたことは大きな財産です。

 

▲ 上野さんが作成したフライヤー
 
- 上野さんのその行動力を支えるものは?
 

「音楽を愛すこと」~吹奏楽の指揮をしていただいた際、広上淳一先生から教わりました。まずは自分が音楽を愛していることが大事。リハーサルではいかに気持ちを乗せて音楽的に表現するかを研究しながら進めていきました。そういえば、はじめて打楽器に触れた小学生の時もやはり先生から、「音楽大好き」が一番だよと言われていましたね。簡単なことかもしれないですが、演奏者が心から音楽を愛し楽しむことができてこそ、お客さまもいい気持ちになってくれると思いました。
 

 
- 胸が熱くなりますね。ところで、東京音大の魅力はなんだと思いますか?
 

先輩、後輩、そして同期との距離が近いこと!
入学時から先輩のアドヴァイスをたくさん聞いて育ち、同期とは情報を共有しながら朝から夜まで一緒。共同生活だったとも言えるほど長い時間を共に過ごし、楽器の垣根を越えた関わりをたくさんもてました。東京音大で過ごした4年間は、仲間たちとお互いを認め合い、高め合うことができた4年間だったと胸を張って言えます。

 
- よき仲間に恵まれましたね。卒業後の進路を教えてください。

 

リトミックの勉強をしながら音楽教室で幼児教育に携わる予定です。大好きなミュージカル舞台での演奏も目指しているので、ドラムやハンドパーカッションも勉強中。将来は、打楽器やダンスに香りや色彩などを加え、五感を駆使した舞台をプロデュースしてみたいなと夢見ています。

 
- 楽しみですね!最後に後輩たちにメッセージをお願いします。

 

自らアクションを起こして常に前に進みつづけるんだという気持ちでいると見えてくる世界が変わってくると思います。
私は3年生の時に思い立ち、第2副科として声楽を履修しました。打楽器と関係ないように見えますが、オペラや合唱をとおして歌を理解することで、打楽器をより深く、そして気持ちを込めて演奏できるようになったと感じました。
音楽でつながった仲間は宝物。たとえ一度だけでも、共有した時間は将来につながる一歩になると思います。ぜひいろいろな音楽に触れてみてください。

 

- ぱっと明るくなるようなメッセージをありがとうございました。前へ前へ、ですね。

 

(広報課)