2024.01.13
豊橋市議会議員 兼 ショパン株式会社取締役(音楽事業部代表)
2010年3月ピアノ演奏家コース卒業、2012年3月大学院器楽専攻鍵盤楽器研究領域修了/名古屋市立菊里高等学校卒業
音楽家として、また豊橋市議会議員として活躍している鈴木智子さん(ピアノ演奏家コース2010年卒業)。「夢が響き合い、誰もが輝ける世界」の実現を目指しています。
― 今の仕事の内容を教えてください。
豊橋市議会議員として働いておりますが、市議会議員は、市が行っている事柄について、適切なお金の使われ方であるか、適正な事業かをチェックする立場だと思っています。定例議会は6、9、12、3月の4か月だけですが、常日頃から市民相談を受け、その事について当局(市の職員)と話し合いをしたり、地域の方との交流を深め、地域の困りごとを聞く「よろず相談」のような役割も果たします。
― 市民の味方ですね!政界に進まれたきっかけはなんでしょうか?
「おっさんによるおっさんのための政治を変えたい!」これが初めの一歩です。私は、音楽家、シングルマザー、というさまざまな経験をしているので、それぞれの立場で政治を見た時に、すべての人に寄り添った社会にしたいと思いました。また、政治任せにするのではなく、音楽家は自らが社会での役割を考えて地位を確立していかなければならない、シングルマザーだからできないのではなくシングルマザーだからできることがある、ということを私が体現して発信していきたいと思い、決意いたしました。
- 議員として働く上で、東京音大での学びや音楽の学びが役に立っていると感じますか?
音楽は、国籍、年齢、性別、地位などさまざまな壁を越えて交流できる手段です。議員は、いかに名前と顔を覚えてもらうかが大事ですが、今までにない「ピアニスト議員」という肩書で覚えてもらうことができたり、これまで交流する機会が少なかった世代や職種の方々と「音楽」というツールを使って交流できたり、議員となった今も音楽に支えられています。人前で話すときの表現の仕方や、立ち振る舞い、自分の魅せ方は、ステージ経験がすごく生きてくるんですよ!
- 音大ならではの「ステージ経験」が政治の世界で活かされているのですね!鈴木さんが目指している夢をぜひお聞かせください。
夢が響き合い、誰もが輝ける世界を実現したいと思っています。人生の先輩方が安心して暮らせ、未来を担う子どもたちが希望を持って生きていける社会を目指しています。夢を語るときの希望に満ち溢れた笑顔って素敵ですよね?その笑顔を広げていきたいです。
― その夢をぜひとも実現していただきたいと思います!ところで、当時、どうして東京音大への進学を決めたのですか?
正直、東京音大は第2志望で、東京芸大が不合格となり東京音大に入学しました。私立音大の中で、一番レベルが高いという安易な理由で決めたので(照れ笑)、入学当初は俗にいう仮面浪人をする気持ちでした。もちろん、今なら、間違いなく第一志望校に選びます!私は、東京音大で学ぶことができて、本当によかったと思っています。
― とても正直にありがとうございます(笑)。さて、鈴木さんの大学生活はどんな4年間でしたか?
私は学部では、4年間をかけて奏法改善に取り組みました。改善中はなかなか上達せず、下手になっているのではないかと思うくらいでしたが、先生方のサポートとご指導の下、やりきることができました。学部4年間、大学院2年間の計6年間は、あっという間に過ぎていきましたね。
― 東京音大の魅力はズバリなんでしょうか?
恵まれた施設環境や多彩な教授陣、提携留学先の多さだと思います。私も特別給費奨学生制度を利用し、短期留学をさせていただき、とても貴重な学びを受けることができました。
― 最後に、後輩たちへ贈るメッセージをお願いいたします!
恵まれた環境で学べることに感謝して、ひとつひとつの学びを大切にしてほしいと思います。そして、そのすべてを自分のものにし、卒業後には音楽家として活躍してほしいです。ひとつだけ皆さんにお願いしたいのは、「音楽屋」ではなく、「音楽家」になってほしいということです。その違いは自らが考えてください。私は脳梗塞により、右手に麻痺が残りました。しかし、舞台に立ち続けています。それは永遠に「音楽家」であるからです。
皆さんの輝かしい未来に希望の音が響き合いますことを祈っております。
― お忙しいなか、本当にありがとうございました。夢の実現を応援しております!
(広報課)
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