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【第50回東京音楽大学シンフォニック ウインド アンサンブル 特別インタビューシリーズ】最終回 西翔さん(インスペクター)

西翔さんに訊く

(インスペクター サクソフォーン4年)

 

第50回定期演奏会の士気を高め、運営を仕切るキーパーソンのインスペクターは、大学4年の西翔さん。2年生から学年のリーダーとしてシンフォニック ウインド アンサンブルを支えてきました。今年はその集大成として、50回の伝統を継承する大役を務め上げました。

 
 
■ みんなのモチベーションを高めて盛り上げていくために
 
東京音楽大学シンフォニック ウインド アンサンブルでは、1年生の秋ごろにインスペクターをやらないかと先輩から言われ、お引き受けしました。シンフォニック ウインド アンサンブルは1~3年生の必修授業として管打楽器の学生全員が参加します。ソロに力を入れたい人が多い中、必ずしもみんなが進んでやる気があるわけではないだろうと考えていました。部活のようなノリにしてはいけない、授業としての体を成しながらみんなのモチベーションをいかに高めて盛り上げていくかを考えつづけました。
 

そこで思ったのは、楽器の演奏がうまくないとみんながついてこないだろうということ。サクソフォーンの中では絶対に1番でいようとまず自分に喝を入れました。インスペクターをお引き受けして、みんなに見られているからしっかりしなきゃと意識が大きく変わりました。演奏面はコンサートミストレスの髙松さんに任せて、運営・士気を高めるのはサブインスペクター3名と自分。5人で力を合わせて授業の後、頻繁にミーティングをして意見交換をしました。
 

3年生の時に、先輩方の動きを見て、来年はいよいよ自分たちの番、盛り上げていこうと意気込んでいました。今年は第50回目の定期演奏会ということで、何より大事にしたのはシンフォニック ウインド アンサンブルの長い伝統をくずしてはならないということ。東京音楽大学は、新キャンパスも開校してどんどん新しくなっているんですが、伝統をしっかり継承しながらアップデートしていくのが大切だと思います。

 
 
■ もうやるしかない、大成功しかありえない
 
僕が石川県の高校から上京して大学ではじめてシンフォニック ウインド アンサンブルを聴いた時は、人数の多さと演奏の迫力に圧倒されていました。まさか4年後に自分がこの大舞台の中心に立つとは夢にも思いませんでした。50回目という節目に加えて、汐澤先生と津堅先生が指揮、外囿先生がユーフォニアム演奏。不安よりも楽しみ、光栄という気持ちの方が大きかったです。客席をいっぱいにしたかったので、本番の数日前にチケットが完売したと知った時は、うぉーと、みんなのやる気がさらに高まりました。もうやるしかない、大成功しかありえないでしょう。

 
 
■ みんなの前では弱音は絶対に吐かない
 

本番の10日ほど前から強化週間に突入しますが、毎日夜遅くまで練習が続くので疲れや体調不良が出てくる頃でした。インスペクターの僕が沈んでしまったらみんなも引っ張られてしまうと思って、出席確認の時にはとにかく元気よく「今日もしっかりとがんばりましょう」と明るく大きな声で声かけました。僕は2日目のアンコールでソロ演奏をするのですが、アンコール曲なのでそれほど長い練習時間がとれなくて不安でした。でも、みんなの前では弱音は絶対に吐かないと決めて、夏の定期演奏会はこれで最後だぞと心を鬼にしました。

 
 
■ この仲間たちで演奏できて本当によかった!
 

千葉の特別演奏会では、開場前に中高生の長蛇の列を見てうれしかった。失敗なく終わってほっとしました。2日目の東京芸術劇場では、アドレナリンが大量に分泌されたのか、終わってみるとあまり覚えていないんです。アンコールの時は、疲れていたはずなのに、周りの団員みんながどんどん元気になっていく感じがしました。1曲1曲どんどん終わっていくという寂しさがある中、もっているものをすべて出し切るんだという気持ちでいたと思います。演奏しながら、1曲ごとに4年間のできごとが走馬灯のように脳裏によみがえってきていました。数日後に別の演奏会でそのホールを訪れた時に、本当にこんなところで演奏したのか、しばらくはふわふわしたような気持ちでした。
 

満員御礼大成功で終わって、最高に幸せの瞬間でした。がんばったらがんばった分だけ返ってくる重みが違うんだと思いました。がんばってよかった。この仲間たちでやれて本当によかった!と思います。
 

10月21日に、めぐろパーシモンホールでこのメンバーで特別演奏会をします。ぜひ聴きに来てください。
 


 

 

▲7/11東京芸術劇場

 
 

▼ 東京音楽大学シンフォニック ウインド アンサンブル第50回定期演奏会のインタビューシリーズを掲載しています。
それぞれの思いや本学の魅力などを語っていただきました。

 

・第1回 汐澤安彦名誉教授/指揮

・第2回 津堅直弘教授/指揮・ユーフォニアム協奏曲『皇帝』作曲

・第3回 外囿祥一郎教授/ユーフォニアムソロ

・第4回 髙松真紀さん(クラリネット4年)/コンサートミストレス

・第5回 西翔さん(サクソフォーン4年)/インスペクター

 
(広報課)